留学先での独り言

2002年09月07日(土) USM against Illinoi

今日は個人的に一番楽しみにしていた試合対Illinoi戦だった。
イリノイは去年のBic 10チャンピオンでシュガーボウルに
出た強豪校。多数の4年生を失ったとはいえ、学校も大きく
お金もある。何より全米での注目度が違う。カンファレンス外
とはいえこういう試合を勝つのはうちにとって非常に重要だ。

で試合はいろんな報告の通り、USMが23-20で勝った。途中
から大人気なく大声で応援してしまったくらい、久々に見て
いて面白かった試合だった。今回は試合をトレーナーとして
手伝うことなくすべて見れたので、その感想と個人的な評価
を書く。

USMのオフェンスだが、今日のOLは良かった。Nixが2Qを事情
で全く出ることなかったのに200yds超えるラッシングを記録
した。もちろんミスがなかったわけではないが、今日はラン
ブロックで相手を押していた。雨が降っていてパスをあまり
使えずランに頼らざるを得なかったこともあるが、あのラン
ブロックは合格点だと思う。3年目を向かえたOLコーチ兼
オフェンスコーディネータ−のクレナキスコーチの思想が浸透
してきたか?ブロッキングTE、$35のブロックが随所で
ひかり、Nixのラッシングを助けた。

RBのNixがこれほどよかったのを見たのは今日が初めてだ。
途中体調を崩したがそれでもイリノイ相手に200ydsを超える
ラッシングは立派。ただ単にOLがあけた穴を走るのではなく
個人技も随所に見られた。ここ1年半、体調を崩して外から
プレーを見たせいか、プレーの意図を理解して走っている
ように見えた。勝ち越しを決めた50ydsのTDランはまさに
その典型。そのプレーはゾーンブロックを利用した本来左に
走るプレーだが、それまで同じブロッキングシステムを使った
ランが効いていて、OLが左にいっせいにスタートを切った途端、
右サイドのコンテインマン(Sam)までが左に反応してしまった。
それを見たNixはすぐに右にカットを切り、残りのCBを個人技
でかわしてエンドゾーンまで持っていったのである。選手と
しての円熟味を感じさせてくれる。

それに反してQB、WRは情けなかった。QBは経験不足を露呈。
パスを投げるのか、それともあきらめて走るのかの判断が
遅すぎる。今後Jackson State戦ほどWRを探す時間が持てない
のは明白だから、もっとプレー前にディフェンスを読むべきで
ある。WRは全くと言っていいほどフリーになれなかった。また
雨とはいえこけすぎ、落としすぎ。能力の低さを実感。その中
でいつもながら#88のフィジカルな強さに感心する。決して速く
なくうまくもないが、ああいうレシーバーは貴重だと思う。
誰と思う人はマンカバーのCBを振り切り2−14から追撃のTDを
挙げた彼である。

ディフェンスは粘り強さを見せたが、タックルが相変わらず
不安定。今後のためにもっとうまくなって欲しいと思う。
DB陣は#20を早々に見切って#1を投入したころから機能し始めた。
昨年から指摘している通り、#20はマンカバーが出来ない。相手
がうまいとなおさらで、必要以上にWRとのクッションをあけて、
ただその後にセービングタックルをするだけの選手である。
何故彼が今年もスタータ−であるのか理解できなかったが、
コーチもついに理解したようで、試合途中で彼から1年生に
変えた。怖いもの知らずの1年生は危ない面もあったが、逆に
失敗を恐れず積極的にWRの前に入り、何度もパスを失敗させた。
次の試合から間違いなくスタメンは#1になるだろう。

一番お粗末だったのはスペシャルチームだ。特にキックカバー、
パントカバーはいいようにやられていた。結果論だが、イリノイ
に対してきちんとスカウティングしていなかったように思う。
ウェッジを作ってリターナーがそれにきちんとくっついていく
タイプのリターンには、みんなで囲い込むのではなくて、まず
primary tacklerがウェッジを壊して、リターナーを孤立させる
必要がある。あのように何人かが近くにはいたけどタックルで
きなかった、というのは選手の技量もさることながらコーチング
ミス他ならない。

もう一つコーチングミスがあった。前半終了間際、残り1分切った
時点でうちがパントを蹴った。リターナーはリターンを見送り
ボールが転がっていた。ここではうちは時間を消費させなけば
いけないのに、こともあろうにカバーチームはすぐにボールに
触って時計を止めてしまった。その後、相手は残り50秒程度なが
らきちんとフィールドゴール圏内にボールを運び、結果的に
はずしたもののFGを蹴るところまで持っていった。

あそこできちんと10秒消費していれば、相手は攻めてこなかった
かも知れない。また攻めるにしてもかなりのリスクを負ったはずだ。
結果的に前半終了間際でFGを蹴らしてしまったのは明らかに
コーチングミスであり、ベンチワークのミスである。同様なことが
去年のPenn State戦でもあり、日記でも指摘したが、あのときは
敵地で大観衆の前で舞い上がっているのだと思った。しかしどうや
らそうではなくて、うちのコーチもこの学校程度のコーチだという
ことらしい。残念ながら同じ失敗をこうも繰り返しているとそう
思わざるとえない。ルーホルツがヘッドコーチだったら、その
コーチに激怒してるはずなのに。

最後のうちの攻撃で3点をとって6点差にせずに、4th downギャンブル
したのも不安定なキックオフカバーのせいだろう。6点差にしても
キックオフやその後のプレーでTDを取られるのが怖かったのだと思う。
だったら自陣奥深くからディフェンスに任せた方が安心、と見るのは
納得する。事実ほぼエンドゾーンからでは相手も慌てていて、まとも
に攻撃できずに終わった。

この試合に勝った意義は大きいと思う。2−14の劣勢からひっくり
返したのも見事だし、RBNixの自信回復も大きい。コーチ、選手とも
に課題はたくさんあるが、少しずつ解決していって勝ち進んでいって
欲しい。もし4戦目のアラバマ戦に勝つようなことがあれば、今年は
いけると思う。


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