留学先での独り言

2011年12月20日(火) 筋トレ前のカフェイン摂取の効用

今日はラボのクリスマス会があった。いつも通りの
シークレットサンタがあり、今回はジャンプドライブが
あたった。大きな容量だったから、いいかな。

自分の専門に近い記事を発見。


「運動前にカフェインを摂ると効果アリ」


何をいまさら?と思って日本語の記事を読んでみたが、
まったく腑に落ちない。英語の要約を見たらやっと
研究の意味がわかった。翻訳された方は運動生理学
の知識のない方だろう。英語を要約したのはいいが、
この論文の重要な部分がそっくり抜けている。言葉
の使い方でも残念ながら誤解を招く表現がみうけ
られる。

カフェインは有酸素運動前に摂取すると効果があること
は生理学的に立証されている。簡単に説明すると
sympathetic nervous systemを刺激し、lipolysis(脂質
分解)を促して筋肉が脂質をエネルギー源とすることで、
血中の糖の濃度を一定にするとともに筋グリコーゲンを
保存するから、脳、筋肉ともに疲れを感じるの遅くするの
である。心臓にも影響を与えて、心拍数が上がり、心筋
の収縮力もあげて、多くの血を身体に送る効果もある。

じゃ何が新しいかと言うと、高負荷かつ酸素を必要とし
ない代謝系(ATPやPCr、そして乳酸を生じる解糖系)
の運動でも、カフェイン摂取の効果があるかどうか、という
こと。自分が最大限あげることが出来る重さの60%の
重さで、上げられなくなるまで何回も筋トレをしたとき
(つまりMaxを1回あげる瞬発力ではなく、多少の筋持久力
が入ってくるのがこの実験のみそ)、脳での疲労の感じ方
はどう違うか、という実験である。

要旨を見る限り、

人が対象のため評価の仕方も定量的でなく定質的で根拠として弱い
そもそもカフェインの効果は個人差が大きい
運動をしてない人に効果があるか?
男女の疲労の感じ方の差

などがわからないかな。

まぁここで読み取れる一番の効果は、疲れの感じ方が少ない
のも去ることながら、あげられる回数が増加した、と言うところ
だろう。カフェイン摂取により神経から筋肉への刺激伝達が
増加したり、その期間(duration)が延びたのかも。EMGでも
測定すればこれはわかるんじゃないかな。


よろしければクリックして投票下さい↓


My追加

にほんブログ村 海外生活ブログへ
 < 過去  INDEX  未来 >
Shuidri [MAIL]