カウントシープ
index|past|will
落ち込んだ理由は解っている。 ボクが、手術の同意書を書くことができないからだ。
ボク達は同性愛者だから、この結婚は法的には認められていない。籍も別だし、どんなに一緒にいても、社会的には他人なのだ。解っていることなのだけれど、そのことが心の中でもやもやして、上手く処理できないのだ。
癌は絶対治るし、手術も成功する率がずっと高い。おそらく完治して、元通りの生活に戻れるだろう。 けれど、想像してしまった。相方がもし死んじゃったら、相方の遺体はボクのところから離れて沖縄に帰ってしまう。葬式だって喪主になれないし、他人としてお通夜とかに参加しなくちゃいけない。ボクの伴侶なのに・・・ 沖縄の大きなお墓に、一族と共に眠るとき、ボクはそこに入ることはできないし、骨になったらバラバラになっちゃうのだ。
そんなことは遠い話だと思っていたし、遺言で、「遺灰の一部を山に埋めてくれ」的発想で、粉になった骨をミックスして何処かに撒いてもらえないかと頼もうかとか話していたけれど、死んで離れ離れにはなりたくない。
ロビン
|