
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
2005年11月06日(日) |
荷馬車が揺れる中央市場 |
※参照 いちばのおしごと
ぶたこどもたちは山形市の中央卸売市場にやって来ました。
「きょうはねんにいちどのかんしゃデーのひさ」 「かんしゃデー?」 「いちばにでいりするぎょうしゃが、ありがとうのきもちをこめて おやさいさんやおさかなさんをおやすくうろうってこんたんなのさ」 「ナイスこんたん!」「こんたん!」
ぶたは早速まぐろ丼の列に並びました。
「もぐもぐ。あさごはんをぬいてきただけはあるよ」 「このボリュームときたら!」「しょうゆカケテー!」

「くっきょうなおとこたちがほうちょうであんなことを!」 「そこにしびれる!あこがれるゥ!」
まぐろの解体が始まると人だかりができました。ぶたたちも 我先にと身を乗り出して、解体されたばかりの大トロを これでもかとむさぼります。
「と…とろけるゥ!」
大トロは舌の中でじゅるりと溶けていきました。極上です。 こぶたの一人がしくしく泣き出しました。
「ごはんがほしいよ!はくまいをしょもうするよ!」
慌てず騒がず、壁際にはうまそうなおむすびが売られています。
「おでんがたべたいよ!」
端のブースではおでんが無料で配られています。
「しゅんのしょくざいをつまみたいよ!」
生牡蠣が無料で配られています。
鮮魚売り場を出れば、果物やお野菜の激安パレード、 試食当たり前、ぶたたちの興奮はピークです。
「まいにちがかんしゃデーならいいのに!」 こぶたの悲痛な叫びが胸を打ちますが、 それでは業者がやっていけません。感謝デーは卸値なので 儲けになりません。だからこそ年一回なのです。
おみやげの大トロと大量のグレープフルーツ、山のような バナナを抱えてぶたこどもたちは会場を後にしました。
「ここにずっとすめたりはしやしない?」 「まるでてんごくのようだよ」 「あした、しゅしょうにてがみをだそうよ」
こぶたの野望は尽きません。
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