
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
立ち読みをしていて、ふと気づく。 オレンジと青の生地をあてたパーカーを着ている 高校生と思しき男子が、先ほどからどうも視界に入ってきている。 横目で観察をし始めると、なるほど、私が立っている側にある 棚から本を取りたいのだろうか、しきりに背後を右往左往していて 落ち着きが無い。肩をくっつけたりしてきてキモイ。 スス、と場所をどけるが、本を読んだりするそぶりは無いので しばらくそこで立ち読みを続けた後、絵本売り場に足を向けた。
手にとって何冊か眺めているうち、件のパーカー男が いつの間にか背後に立っていた。 うお。っていうかお前、絵本売り場に何の用だ。 まずい。これはまずい。 ビンゴで痴漢フラグ上がりました。 男の存在に気づいたことを気取られぬよう、涼しい顔をして 本売り場を離れ、エスカレーターを降りて別の売り場へ。
こうして書くと冷静っぽいが、頭の中は恐怖でいっぱい。 変質者や痴漢の類とは何度か遭遇したことはあるが、 たいてい怒りは後から湧いてでるもので、事件当時は とにかくただ驚きとか恐怖とか、パニックになる。 揉まれた訳でも無いし、ナンパされたわけでもないのに ただ背後に回って手の甲ケツにさすったからって 痴漢と決め付けるなんてアータ、と 思われる方もあるかもしれんけど、強いて言えば女のカンです。 嫌悪感ぞぞぞ。 まあ階も降りたし、ホッと安心して無印良品などで 低反発クッションなど買っていたわけですよ。
いつの間にかまた後ろにいました、彼。
絶句。
すれ違い様、私のケツをさわさわと撫でていきました。 もろ手のひら。や っ ぱ し 痴 漢 でした…。 敵は一度私から離れて、第二次アタックをしかけてこようとしています。 以前、のぞきをしている男に注意したこと(※つれづれ日記参照)は ありましたが、自分に痴漢した男に物申したことはない私。 何か言ってやろうかとも思いましたが、やっぱり怖いので 男が近づいてくる正面に向きなおし、ガンたれて通り過ぎてきました。 バレたのがわかったのか、泣きそうな顔をしていた性春ボーイ。 そんな顔すんなら最初からすんなや!!
痴漢されて嬉しい女なんてこの世にいるんだろうか。 よっぽどの痴女でも多分難しいと思う。 羞恥心とか嫌悪感とか以前に、身の危険を感じる根底の恐怖だ。
こういう時、女に生まれて悔しいと思う。 蔑まれた気分になる。私そんなに安く見えるか…orz
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