
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
2005年12月31日(土) |
夢にまで見たてんさらばさら |

『てんさらばさら てんさらばさら』という絵本があった。 てんさらばさらという名称よりも、ケサランパサランという 名称の方が通りがいいかもしれない。
ケサランパサランについて。
空から舞い降り、それを手に入れた者に幸運を齎すという 幸運のラッキーアイテム。 絵本の主人公の『まゆ』は、小さな行李にてんさらばさらを 飼い、おしろいを与えすぎて増殖しまくったてんさら以下略を 風呂敷包みをしょいこんで、なんとかしようと家から 持ち出すのだが、ど派手にぶちまけるという 超絶勿体無いことをしでかしてしまう。
雪と共に舞い上がったてんさらばさらの描写がなんとも美しく、 何度も何度も絵本を読み返しては、いつか私もこの美しく 神秘的な手玉を手に入れたいと思い焦がれるようになった。
実はこのてんさらばさら、山形県立博物館に 展示物として収納してある。小学生時代に初めて実物を見て 度肝をぬかれた。あの伝説のアイテムがガラスの向こうにある…!
博物館はその後も何度か訪れる機会があり、私はその度に 嫌で嫌でたまらない山形に生息する蝶・蛾標本コーナーを 全速力で疾走しててんさらばさらの前に陣取り、見学時間が 終了するまで飽きずにそれを眺めていた。 「おしろいはいつあげるのですか」、と学芸員に質問をしたのも 今となっては懐かしい話だ。
さて。 たまたま仕事で知り合った方が、ボランティアで県立博物館の 案内員をしているという話をし始めた。 「あそこに、てんさらばさらって置いてありますよね」 と、何の気無しに話をふってみたら、
「ああ、持ってるよてんさらばさら」
( ゚д゚)
は?
「前に山で見つけたんだよ」
差し出した手のひらの上には、夢にまで見たあのてんさらばさらが ちょこんと乗っかっているではないか。
いや、感激した。
正直泣いた。
てんさらばさらの謎について、二人でたくさん話をした。 今年、一番嬉しい出来事だった。
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