今日もよくダレてます | |||||
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2002年01月09日(水) |
年の瀬も押し迫った頃に友人に誘われて陶芸教室に行った。 そこは何かの文化財に指定されている昔の建物で 雑音のない静かなところだった。 風にゆれる木の枝の音や、すきま風のヒューヒューや もう随分前に忘れてしまった感覚を呼び起こさせるような そんな場所だった。 先生方はファミリアというか、「土、何がいい?」 と何も分からないわたしに聞いてきて適当にいうと あとのやり方は友人に聞けと言う。 見様みまねでコーヒーカップを作ってみる。 なかなか時間のかかる作業でちょっとした指の力加減で 形が崩れていく。集中していく自分に驚いた。 最近はなにをしても根気がないとあきらめてたからだ。 陶芸の作品も並んでいて中にはガンの宣告を受けた方が 自分が死んでも残るものをと作った作品もあり これを見て家族は懐かしむのだろうか、悲しむのだろうかと 考えていた。 陶芸なんて暇な奥様の趣味でやるものと決め付けていた 自分がはずかしくなるぐらい奥の深いものであり 何度やってもコレと思うものができずに 通ってくる常連さんたちもいた。マイ土があったりして。 中には「茶」だけでも楽しんでという方もいて。 男性二人がケーキを持ってやってきたのでティータイム。 よく似た顔立ちで年頃からいけば陶芸よりスノボでしょという感じ。 若者のうち若いほうが、院生だと言う。 とある大学で論文を今年は6つは書いたよなんて。 「あれ、英語で書くんでしょ?」 無知なわたしはナマの院生さんに出会って感動し、熱くなって聞いた。 半導体か何かの研究で理系である。ああ、理系のひとだぁぁぁ。 「論文はみんな英語で書くもんだよ」 「でも教授の下で雑用やらされて、下の面倒も見て大変なんでしょ」 「うーん。そういう人もいる。オレはしない」 この言い切り方が理系でおもしろかった。 もう論文の審査も通りそうなんでと言うので またまた無知なわたしは 「じゃドクター終わったら今度は講師になるの?」と聞いたら 世の中そんなに甘くないらしい。 「んじゃ、何するの」 「そりゃ、アルバイト」 「講師とか、助教授とかにならないの?」 「ポストに空きがあけばね。だけどオレんとこは満杯だから」 いっぱい勉強したのにアルバイトってなんだかかわいそうだね と、ウルウルの目で院生さんを眺めていた。 いっぱいいろいろ聞きたかったけど、帰る時間がせまってて あんまし聞けなかったな。でも、おもしろい体験でした。 |