| 2001年10月29日(月) |
佐伯泰英「政次、奔る」読み始める。 |
佐伯泰英「政次、奔る」読み始める。 寛政十年(一七九八)正月の二日、政次は呉服屋松坂屋の隠居松六の供を言いつかって挨拶回りに同行する。その帰りに当の松六が寄り道したことから始末が終わったはずの過去の事件が亡霊のように蘇えっていることを知る。今回も序章で全体の枠組みとなる大きな事件が出現し、各話で事件が完結してゆくのと平行してその大きな事件も進展してゆくという構成である。副題に鎌倉河岸捕物控とあるように時代活劇というよりも、ミステリーの探偵物に近い。 派手な立ち回りは少ないが、池波正太郎や藤沢周平なき今、頼りになるのは佐伯泰英である。金座裏の岡っ引き宗五郎親分の捜査力が読みどころの一つである。 鳥羽亮も面白いが総合力で佐伯泰英をとる。 今日購入した本。 鳥羽亮「骨食み(ほねばみ)」「血疾り(ちばしり)」両方とも天保剣鬼伝の一作目「首売り」の続編である。
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