読書日記

2002年06月05日(水) 白川道『終着駅』(新潮社「波」2002年6月号所収)を読む。

白川道『終着駅』(新潮社「波」2002年6月号所収)を読む。
何か違う気がして『天国への階段』は避けた。あの傑作『流星たちの宴』に狂喜して以来数作読んで今一つ乗り切れいまま大長編の新作と聞いて実はひそかに期待していた『天国への階段』だったが、待っているものとは違う気がした。
単なる直感に従って「次」を待った。
一人の男が三十年ぶりに故郷の駅に降り立った。幼なじみの男に逢うためにやって来た。その男は自分のことを思い出すか。その男の店に
「三日通う。それで十分だろう。だめだったときには、すべてを心の奥底に封印してこの町を去るつもりだった。」(八ページ)
『流星たちの宴』と共通する、醒めた風貌の中に気高いものを秘めた男たちが蘇える。現実逃避だとしてもそういう男たちの物語はスリリングで面白い。


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