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2003年07月17日(木)
県道74号線を南下してきて いつしか袋小路のなかをさ迷っていた 鬱蒼とした岨道が車幅すれすれに続き 引き返すにも回転できない
どう行けばいいのかな?ー 行くしかないんじゃない?ー
シダ植物に覆われたトンネルの先に 車を止め 小さな懐中電灯を照らす 地図を覗き込む彼女の前髪が かすかな香りと共に僕の額に触れた
もう、どこにいるのかどうでもいい 時が止まってー このままでいい 走りまわって どちらに進むか意味もない もはや 隔絶された土地の中で 二人して いたいけな姿を晒すだけのひと時ー
やがて 意を決して入っていった道の奥に薄黒く淀んだ湖が 出現した
ーみどり湖ー
僕はこの湖を一生忘れない
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