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森へ行こうと思った
森の中へ奥深く進んでいけば
何かが抱しめてくれると思った
静かな湖のほとりで
風のない空を見上げれば
何かが許されると思った
森へ行けば
森へ行ければ
行くべき森をみつけられれば
ひとりでもかまわないんじゃないかと
思った
Natsuwo.G
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賑やかな音と、彼女の声。
何か言わなくちゃ。
でも、何を言えばいい?
焦れば焦るほど息苦しくなっていく。
黙ったままの私の耳に、
彼女の声が聞こえる。
『切りますよ?』と、彼女が電話を切った。
その瞬間、私の中から罪悪感が消えた。
どうして彼氏がいるのに、大仏と遊ぶの?
どうして甘えるの?
人のコトをとやかく言えるような私ではないのに、
自分のコトすら見えなくなっていて、
何度も彼女の電話を鳴らしていた。
何度も彼女は電話に出てくれた。
『取らないで。』
息苦しさで、ちゃんと声にならなくて、
彼女が聞き返してくる。
何度も必死で絞り出した声は、
嗚咽に消されて、彼女に伝わらなかった。
そんなの、彼女に言ったって仕方のないコト。
私は、こんなコトを望んで彼女に電話を掛けたんだろうか。
答えは出た。
彼女の電話から、大仏の声が聞こえた時。
この現実を自分で確かめたかったんだと。
私は、全然知らない声が出るコトを願いながら、
何度も電話を掛けてたんだと。
こんな風になってから、
電話で大仏が言ってたコトを思い出した。
子供を堕ろしたコトくらいなんなんだ。
俺が今好きなコだって堕ろしたコトがある。
だけど頑張って生きてる。
このままずっと付きまとうつもりか。
ストーカーだな。
男でも紹介すればいいのか。
俺の友達にオマエなんかと付き合いたいヤツなんていない。
自分を、気持ち悪いと思った。
ホントはずっと、気持ち悪いと思ってた。
もうずっと、まともに食事も摂ってない。
大仏と会って、言われるままに従っていた私には、
プライドなんてひと欠片も残ってなかったハズなのに、
そんな自分を、私が1番拒絶してた。
心配する友達に笑って見せるコトも、
他の誰かの気持ちに応えるコトもできない。
どうすればいい。
もう私なんて要らない。
止まらない息苦しさから逃げたくて、
自分の首を締めた。
失神しちゃうのね。
どこまでも中途半端な自分が可笑しかった。
私は、誰かに好かれるような人間じゃない。
働いていた職場で、正社員になるコトが決まった。
書類を受け取ってすぐ、
私は仕事を辞めた。
もう、コウタたちと顔を合わせなくてすむ。
逃げるコトには変わりないけれど。
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2002年11月26日(火) |
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