- 2010年05月24日(月) 祖父
祖父。 畑作りと鮎釣りが大好きで。 バリバリ働いている頃は、オートバイで電気工事に出掛けていた。
競輪、競馬、競艇。 ”競”がつく文字には目がなくて、それから晩酌に熱燗を欠かさない。 そんな人だったと思う。
仕事を終えて部屋に戻ると、妹からの電話。 「おじいちゃま、亡くなっちゃったんだって。今、向かってるんだけど…。」 「そうか…。」 スケジュールを見ても、入港日は遠い。 間に合いそうもない。
時計が止まったように、記憶も止まってる。 最後に会ったのはいつだったんだろう。
数年前の叔父の死去から、老人ホームでの生活。 少しずつ遠くへ歩み始めて、とうとうあっちへ行ってしまった。
窮屈な施設での生活。 それはどんな気持ちだったのかな。 なんて考えると少し気が重い。
遊びに行くとよく外出を求めて、近くのコンビニまで出掛けた。 フランクフルトがお気に入りで、公園でそれを食べるのがなんとなくコースになっていた。 耳が遠くなって、目も濁って。 それでも時々、「カズキチャンは…」なんて話してくれたものだった。 曾孫(ひまご)を見せた時のこと、覚えていてくれてるかナ…。
2人目は見せられなかったね。 残念だ。
「おじいは来年お迎えが来るからねー。」 そう言っては、孫たちを困らせたものだった。
いたずら心いっぱいに笑ってた頃。 あの頃が懐かしい。
時々お世話になった、500円玉をため込んだ壺も。 どことなく怖かった、コップの中の入れ歯も。
今となっては遠い思い出。
それでもきっと、じいちゃんの影響ってのは生きていると思う。 電気工事も畑仕事も、それから釣りだって。 ひとつも教えてもらってないけれど、きっと受け継いでいる。
近くで送れないけど、元気で旅立って下さい。
さよなら。
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