ぼんやり、ぼんやり お香の煙は窓の外に流れる スピーカーからはディジー・ガレスピーのレコード 僕はそのベースラインをなぞっている。 チャーリーパーカーのリズミックパターンはやはり何度聴いても息を呑む。 乾いた音の時代のレコード。僕はそんな時代のレコードを集めて何をしようというのか、暖かい日差しが差し出した腕に丸い輪を作る。何かに共感したみたいに体の奥へと深く潜る暖かさ。 フラフラと其方へと揺れる心。 何を握り締めているのか? 誰かに言われるまで気付かない 手を解くと、それは僕から離れていく。 何でも、手を離したくない。 それじゃなければ、 こことここ という具合に、僕を指差して欲しい。 声、たくさんの声 特別な声 それが僕の好きなもの。
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