Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
コランタン号更新 / 宗谷は公開してます
コランタン号の航海「アホウドリの庭」第4回、週末にのぞきに行ったら更新されていました。 相変わらずマードック君ピンチな状況に変わりはありませんが。
コランタン号の航海「アホウドリの庭」 http://www.shinshokan.com/webwings/title05.html ここで「最新号を読む」をクリック。
ところで、いまTBSで放映中の「南極大陸」。 いやま、その、「プロジェクトX」だって演出があるんだから、ましてやドラマともなればもっといろいろ脚色されていても当然と言えば当然なんですが、 まぁそれは横に置いて、
東京・お台場の船の科学館は、本館は現在休館リニューアル中ですが、「宗谷」の見学と夏のプールは営業しています。 もと「宗谷」乗組員の方による。ボランティア案内などもあるそうです。 (Gさん>情報ありがとうございました)
あれは本当なの??と思われる方、「宗谷」見学かたがた確認してこられるのはいかがでしょう?
船の科学館 http://www.funenokagakukan.or.jp/
2011年10月30日(日)
石巻慶長使節船400年祭 andシーシャンティ西日本公演
今回は国内の海関係情報2題。お互いに関連はありません。
まずはひとつめ。 来週の土曜日(29日)石巻の宮城県慶長使節船ミュージアムでサン・ファン・バウティスタ出帆記念イベントが開催されます。 「乗り越えよう共に」、というテーマとともに、復興イベントの一つとして行われるようです。 伊達武将隊もおもてなしに出陣されます。 ミュージアム自体はまだ津波の損傷を復旧中、サン・ファン・バウティスタ号も修理途中で今回は乗船見学ができないようですが、今年は宮城(伊達氏)とスペイン、メキシコが交流を開始して400年目に当たるため、宮城スペイン協会の協力で記念セレモニーなどを行うようです。
出帆記念イベントについては、下記PDFをご覧ください。 http://www.santjuan.or.jp/event/pdf_h22/111029.pdf
また現在、ミュージアムのホームページでは、津波前、津波襲来中、津波後、の映像を公開しています。 津波襲来中の写真を見ると、よく残った!サン・ファン・バウティスタ!と思います。
宮城県慶長施設船ミュージアム http://www.santjuan.or.jp/
サンファンバウティスタの近況はTさんに教えていただきました。ありがとうございます。
ふたつめの情報、 Storm Weather Shanty Choirという、ノルウェーのシーシャンティ(海の歌)グループの日本公演がある、という情報を、アーサー・ランサム・クラブのSさんから教えていただいたのですが、なんと、11月18日の東京公演はもう売り切れでした。
でも大阪、兵庫、広島、山口の方はまだ大丈夫です。 詳細は下記を。 ストームウェザーシャンティクワイア日本公演
2011年10月23日(日)
オオバンクラブ物語2011
岩波少年文庫からランサム・サーガの4巻目「オオバン・クラブ物語」が出ました。 イングランド東部の水郷地帯ノーフォークを舞台にした復活祭休暇の子供たちの物語ですが、これってずっと帆走している話だったんですね。 小学生時代に読んだときには、暴走モーターボート族から逃げる少年の物語だと思っていたのですが、実はティーズル号のトム船長の帆走物語だったんだ!…って今読むとしみじみ。
英国の海洋小説を山ほど読んできて、ほんの少しながら帆走経験(と言ってもまだ両手の指で数えられる日数)をした後で読むと、物語自体が、小学生のときに読んだのとは全く違って見える。 自分でもびっくりでした。これは1〜3巻ではなかったこと。 この調子でいくと、きっと次の次に刊行される「海に出るつもりじゃなかった」も全く違った読み方になるのかも。こちらも最初から最後まで航海の話ですから。
今回の少年文庫版発行にあたって、翻訳された神宮輝夫先生は現代にふさわしく用語なども一部改められたそうですが、その一環として操舵命令も、私たちが海洋小説で読みなれているのと同じように、ルビが英語のカタカナでふられるようになりました。 船のサイズがかなり違う(こちらは小型船舶)のですが、ここは同じ、ここは違うとか比べながら読んでいくのも面白い。あれ?かなり意訳?と思うものもありますが、大型帆船とヨットでは意味も変ってくるのか?
船の漕ぎ方の命令にハーフ・アヘッド(半速前進)とフル・アヘッド(全速前進)があるとは思いませんでした。 これ本気?それとも半分本気で半分ごっこ遊び?カッター競技でもこんな命令が出たりするんでしょうか?
でもスターボードがミセス・バラブルを初めて「提督」と呼び、いきなり出てきた提督という言葉にドロシアが不思議に思って尋ねると、 「ほらみてよ!彼女の艦隊」たしかに艦隊がいた…というくだりは、私も一緒に嬉しくなってしまいました。 艦隊と言っても小型のヨットと手こぎボートが2隻の計4隻なんですけどね、でもそう言いたい気持ちはわかるし、それで嬉しくなってしまう気持ちもわかる…のは、海洋小説で実際の艦隊をいろいろ知ったからこそかもしれませんね。
そして今回一番笑ったのは、船主である「提督」ことミセス・バラブルが一度も自分の船の舵を握らないのはよくないのでは?と船長をつとめるトムが言い出したときに、彼女が「そんなこと、まったくかまいません。提督というのはぶらぶらしていて邪魔はしない存在なのです。弟はそういうのが立派な提督だといいます」と答えるところでしょうか? うふふ。それはまったく正しいと私も思います。もっとも海洋小説にはぶらぶらしてない提督がごろごろいますが。立派じゃない人たちばかりですねぇ。
ミセス・バラブルの弟さんは戦争中(第一次大戦)に海軍にいたことがあるそうですが、ミセス・バラブルご自身は女学校の先生を勤め上げた老婦人です。 こういうところが、英国社会に深く根をおろした海の伝統文化ですよね…と、本業OLでセーリング経験10回未満の私が言うのもおかしいですが。
物語の舞台となるノーフォーク地方には、20年前に初めて英国旅行をした時にロンドンから日帰りで行ってきました。 ノーフォークの観光船情報なんて地球の歩き方にもなかったし、インターネットで下調べできる時代でもなかったから、列車でいけるところだけ、ロクサムとヤーマスに行って、川は陸(橋の上)から見るだけでしたけど。
ロクサム橋

橋の上からビュア川の下流を臨む。モーターボートで航行する分には十分な川幅ですが、ここをヨットで間切りながら進むというのは、かなり腕がよくないと出来ないのではと思います。

ヤーマスの橋(物語で言う2番目の橋だと思います)。エイクルに通じる道路(A47号線)橋は既に架け替えられてますし、ヤーマスの鉄道駅はビュア側の左岸から右岸に移動しているので、今は鉄道橋はありません。

橋を抜けたところ、右手がブレイドン湖、左に行くとゴールストンを経て北海へ。

ロクサムからビュア川を下る観光船があるようなので、いつか英国再訪の機会があったときには乗ってみたいと思います。 自身でヨットをレンタルするのは、この川幅ではちょっと、半日で2回ディンギーを沈した私には自信ないです…いや今回、ディックとドロシアの上達が自らに比べてとても速いので、尊敬の目で見てしまいました。
2011年10月22日(土)
海洋画展 in London, UK
現在、ロンドンにいらっしゃる方へ> 毎年恒例のRoyal Society of Marine Artists Annual Exhibition(英国海洋画協会展)が、 ザ・マル大通りのセントジェームズ公園角の「Mall Galleries」で 10月12日(水)〜10月23日(日)まで開催中
「Royal Society of Marine Artists Annual Exhibition」 http://www.mallgalleries.org.uk/index.php?pid=2&subid=83
上記HPに紹介されている絵はジェフ・ハントの「Trouble off Elsinore」 Elsinoreはデンマークのカテガット海峡に面したエルシノア城でハムレットの舞台として有名なところ。
この沖は幾度となく海洋小説の舞台なっていますが、ここで艦隊から発砲したのはホーンブロワーだけだと思います。 オーブリーのエーリエル号(7巻)と、ボライソーのスティックス号(13巻)は単独だし、ベンボウ号(同じく13巻)の艦隊は夜陰に乗じています。 おそらくこの絵はホーンブロワーのノンサッチ号(8巻)を描いているのではと思われます。 オブライアン・フォーラムでも、「ジェフ・ハントがホーンブロワーを描いている」と話題になっていました。 ハントは2009年の海洋画展でもホーンブロワーのレナウン号とホットスパー号を描いていましたから、最近はフォレスター関連の仕事をしているのでしょうか?
それにしても、この時期のロンドンいいですねぇ。ロンドンで昨日TTSS(ティンカー・テイラー・スルジャー・スパイ)を見られた方のブログを読んだばかりなのですが、あ〜、自由に動ける身なら私も、映画と海洋画展をかけてロンドンに行きたいものだと思います(無理だけど)。
2011年10月16日(日)
英国海軍のイグ・ノーベル賞
先々週、「わさびスプレーを使った聴覚障害者にもわかる火災報知器」を発明した日本人がイグ・ノーベル賞を受賞したというニュースがありましたが、そこにリンクされていた「過去の受賞者一覧」を見て、2000年に英国海軍がイグ・ノーベル平和賞を受賞していたことを初めて知りました。 これ、御存知でした?
イグノーベル賞受賞者 2000年
イグ・ノーベル賞というのは、ノーベル賞のパロディで、「ささいな」「普通ではない」研究や、「最初はくすっと笑うけれども、よくよく考えると深い」行いに対して送られる賞。 2000年英国海軍の平和賞受賞理由は、「射撃訓練に際し、実包を使用せず替わりにバーン!と叫ばせたことにより経費を削減した」ことだそうです。 昔のニュースを検索してみましたら、下記の記事のいちばん最後のパラグラフ
In praise of floating frogs http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/959453.stm プリマスの砲術学校HMS Cambridgeでは、実包を使わずに「Bang!」と叫ばせることによって、百万ポンド以上を節減することができた。
いや、でもそれって、昔からの伝統じゃないの?ってちょっと思いました。 いかに砲弾と火薬を使わずに射撃訓練を行うかって、200年前には皆、真剣に考えてましたよね? 今でもこういうことをやっている、と聞いてもあまり驚かないというか、やっぱりね〜と思わず苦笑ってしまいました。 ちなみに授賞式に海軍からの出席はなかったそうです。
2011年10月10日(月)
コランタン号の航海:第3話更新
「コランタン号の航海・アホウドリの庭」第3話が更新されました。 http://www.shinshokan.com/webwings/title05.html 上記アドレスから「最新話を読む」をクリック。
おっと!、という所で次号につづくになってしまいました。ひどい(いや連載漫画ってそういうものですけど)。 副長はフリータウン入植地に何かかかわりがあったそうに見えるし、ウィタードもインドで何か経験してそうな感じだけど、どうなんでしょう? 早く来月号が読みたいですが、ってわがまま。
2011年10月02日(日)
オブライアンフォーラムのTTSS論議
パトリック・オブライアン・フォーラムは米ノートン社(オブライアン作品の米国内での版元)のフォーラムですが、各国のオブライアン・ファンが多岐にわたる話題を繰り広げています。 ジョン・ル・カレの米国内での版元がノートンかどうかはわからないのですが(日本での版元はオブライアンと同じ早川書房)、ル・カレの「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」(略してTTSS)の映画をめぐる各国人のやりとりが面白かった。
英国人� 嶌鯑�、TTSSを見た。すばらしい映画、ビカ一だ。だが英国人以外にわかるだろうか」
英国人�◆峽羣遒隼廚Δ�、地獄のように退屈な作品だと思うかどうちらかだろう。一般大衆は退屈だと思うだろう。なぜなら、ル・カレがアメリカ人をあまり考慮に入れていないことは、よく知られているから」
フランス人「ル・カレはアメリカの政策に反対なのであって、アメリカ人に反対しているわけではないと思うが、」
アメリカ人� 崑真瑤痢惷鬚�なアメリカ人たち』がIMDB(映画データベースHP)にコメントを書き込んでいるのは知っているが、それはソ連のために働いた男がアメリカ人を嫌悪していたからだ(アメリカの政策ではなく)。彼は1930年代からこの嫌悪をいだいていた。何故アメリカの政策が原因になるのか」
国籍不明「私はアメリカ人でも英国人でもないが、いわゆる『アンチ・アメリカニズム』を説明するとすれば、その理由は、大英帝国が1930年までには落日を迎えていたこと。第一次大戦後にアメリカは戦勝国となり豊かになったが、英国人もフランス人も、アメリカがそれに値する血を流したとは思っていなかったこと…少なくとも1941年12月(真珠湾攻撃)までは。ル・カレはアメリカの政策にも厳しいが、自身の国(英国)の政策にも厳しい」
アメリカ人�◆屬修譴蓮慇�格(Character)』の問題だ。驚くべき数のアメリカ人が個人的には自国の外交政策に批判的である。民主主義国家では外交政策代表者を選挙で選ばねばならず、その結果が良かれ悪しかれ、我々はそれに責任を持たねばならないが、ここ10年間私は自国の外交・国内政策のおかげで苦悶を味わった。外国の友人や同僚から、アメリカの政策について「あなた(you)の」と言われるのは不愉快だ」
もとが話し言葉なのでかなり冗長なため、発言内容は要約しています。 そのうえ、映画のねたばれをしないように固有名詞を伏せていますので、ちょっとわかりにくいかも。 もとの英文(http://www.wwnorton.com/pob/forum/ceilidh.htm Sep 16)をお読みいただくと、ねたばれですが、もう少し具体的な説明がされています。 国籍不明の人(たぶんカナダ人かオーストラリア人かニュージランド人)が映画中のセリフを幾つか引用して説明してくれているのですが、それを読むと「あ、見てみたいなこの映画」と思います。印象的なセリフなので。
うーん、しかし。 大多数のアメリカ人に超退屈(boring as hell)だと思われてしまうと、アメリカの興収を見て決める日本公開は遠のいてしまうかなぁ。
それはともかく、アメリカ人�△龍鮹圓蓮△修ΔいΔ發里�…と思いました。 アメリカの政策はあまりにオレ様なものだから、私たちついつい言いたい放題批判してしまいますけど、同じアメリカ人でも「敵への怒り」に乗れない人は、確かにつらい十年だったかもしれませんね。
2011年10月01日(土)
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