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■ 夜に浮かぶ色
椎名林檎の『無罪モラトリアム』の1曲目の イントロを聴くとある光景がいつも浮かぶ。 それはもう条件反射のように無意識に。 親に借りたセルシオを運転する彼の車に乗り 初めて通った湾岸線。 そこは名前の通り海のそばを走る高速道路だ。 日が暮れて夜の色に染まる空と海、 暗闇に浮かぶのは車のライトとネオンと観覧車の灯りだけ。 海にぽっと浮かんだような観覧車がとてもキレイだ。 そしてカーステレオの音がすごく良かったのを覚えている。 ずっとこの景色が続けば良いなって、そう願っていた。 空の色がオレンジになる頃や、太陽が頭の上にある 青い時にも何度かそこを通ったけど、 やっぱり暗闇が一番かっこよくてキレイだ。 だから家へ帰る時そこを通りたいと甘えたこともある。 幸せな時でも夕暮れを見て切なくなるのは 想い出だけはリセットできないからかもしれない。
2002年07月14日(日)
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