こまかい泡のイメージ。次々に湧いて、球面の内がわで身うごきがとれない。膜の外は見えなくなった。ひとつずつ針で消していく。追いつかない。
焼きつける方法を探している。通りすぎる光は手が届きそうで掴めない。ふとした折に現れるしまっておきたい徴を、リアルにフィルターをかけずに、変換しないで。ふたたび、切り離されるから。
探している。見つからない。埋もれてしまっている。人々が探しはじめるのを待つ。見つかったころにはいらなくなって。
2003年09月25日(木) |
会いたいひとをひとり(1) |
思いだした。そのひとが、いま存在しているのかわからない。誰もなにもいわないので、おそらくなんとかやっているのだろう。会ったところで、どうにもならないので、自分の問題にして、ただ思う。祈る。
切り離された。不可抗力。責任転嫁。切り離した。主格。私。かつてあった私はいない。俺たち。常に複数形。いま。共鳴しない。違うものとして。へその緒。失ったまま再生。失うという言葉の過去との繋がり。あるいは不在のまま再生。冬支度。用意周到。前提。言語。フィルター。
みつからなくて、みつけようとしているのか。しるす。答えが無限に存在していて、存在しない。結局、両義性に落ち着く。ケース・バイ・ケース。探しているのは、言葉。
私も夢をみた。願望の夢。予見の夢。獰猛にわめきちらして、スペースがもうない。思いださなかった。もう思いださなくてもいいよ。といいきれるのか。呼んでるね。相変らず、同じトーンで。
ほしいもの。時間。眠らなくてもいい時間をたっぷり。思考をすべて書きとめようと、つぶつぶの光の前に座る。が、スピードの問題ではなく、すでに何かが変質してしまっている。すべてを片づけなくていいと、片づけてしまって戻ってこなくなるといけないから...と記憶から声がする。聴いたのは私だったのか。
かつてあった私、かつていた私、紀元を境にいなくなる。記憶は変質し、繋がっていた時間は途ぎれ、以前の記憶が自分のものなのか定かではない。借り物のカラダはすでにだめになりつつある。あとどのくらいこのまま進めるのだろうか。次をさがしている。いつまでも続く次はもうない。はい、今日はこれで終しまい。また今度ね、と。今度はもうない。三人称的にしか過去のことを話せない。
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