読書日記

2002年07月31日(水) スタジオ・ジブリの映画『猫の恩返し』を観た。

 スタジオ・ジブリの映画『猫の恩返し』を観た。
1時間15分程度の長さで最後まで飽きずに観られた。『千と千尋の神隠し』の裏ヴァージョンで「自分の時間を生きろ」という言葉が響く。作品の重みは随分と違うのはもちろんだし、宮崎駿監督ではないが底に流れる思想の川の源流は同じ。
それにしても丹波哲郎は凄かった。後半は完全に主役だった。

今日は全く本は読まず、その後はテレビの前に居続け。
レンタルビデオで『リトル・ヴァンパイア』
これは出だしはややもどかしいものの期待通りのまあまあの面白さ。
次にテレビドラマ『マイ・リトル・シェフ』のラスト10分を観て納得。
最後にスカパーAXNで『ミュータントX』を観て大満足してテレビをオフにした。
今日は新書を半分は読みたかったけれども、こういうわけで終り。



2002年07月30日(火) 野尻抱介『太陽の簒奪者』(早川書房2002/04/30)を読み終える。

 野尻抱介『太陽の簒奪者』(早川書房2002/04/30)を読み終える。
この重厚長大な小説がはやるご時世に僅か283頁で終わる壮大な物語。SFの歴史上伝統あるファースト・コンタクトものの新たな傑作の登場となった。
出た時にはコミック的な域を越えていないだろうと高をくくっていた。読み始めた今回も高校2年生の少女が主人公と分かってまず偏見が甦えった。
しかし、読み進むにつれてしっかり構築されたアイデアの世界に引き込まれた。
昔、クラークの『太陽系最後の日』に魅了された。
今の中高生はどういうふうに読むのだろうか。
元になった短編も読みたくなった。SFマガジン定期講読者はエッセイ以外あまり読んでいなかった。
最近SFから遠ざかっていた自分がこの作品を読む気になったのは本の雑誌8月号の鏡明氏の文章による。
残念だったのは読むのに3日間かかったこと。野暮用がはさまって一気に読めなかった。
昨日読み終えた『世界の終り、あるいは始まり』も一種のファースト・コンタクトものだった。自分がよく知っていると思っていた人物が実はそうではなかったために想像力を駆使して理解しようとする主人公は、『太陽の簒奪者』の白石亜紀とよく似ている。

ある人間を理解しようとして書くのが伝記である。
医者であり芥川賞受賞作家でもある南木佳士が農村医療のパイオニア若月俊一の半生を描いた『信州に上医あり(若月俊一と佐久病院)』(岩波新書1994/01/20)もそういう意味でファースト・コンタクトものといえるかもしれない。
もちろんこれはSFではない。しかし、不思議な巡り合わせがある種の人間にはあるのではないかと思わせてくれる点で共通する部分があるかもしれない。
この芥川賞作家の文章は平易で最後まで落ち着いて読むことができた。
個人的に最近注目の作家である。
もちろん野尻抱介も。

今日また入手してしまった本達はこの通りです。
徳田秋声『あらくれ』(新潮文庫)、後藤健生『サッカーの世紀』、矢口敦子『家族の行方』(創元推理文庫)、『江戸東京物語(下町編)』(新潮文庫)、鮎川哲也『殺人歌劇<第一幕>』『殺人歌劇<第二幕>』(青樹社)、歌野晶午『ROMMY(そして歌声が残った)』『正月十一日、鏡殺し』(講談社)、『大密室』(新潮文庫)、久世光彦『逃げ水半次無用帖』(文春文庫)



2002年07月29日(月) 歌野晶午『世界の終り、あるいは始まり』(角川書店2002/02/25)を読む。

歌野晶午『世界の終り、あるいは始まり』(角川書店2002/02/25)を読む。
ほとんど読んだことのない作家なので半信半疑で読み始めた。誘拐もののミステリーで語り方に強さのようなものがある。テンポというかリズムがいい。
誘拐された男子小学生がすでに殺害されているのであまりいい気持ちはしない。
そんなこちらの気持ちとは関係なく当然犯人究明に話が進んでいく。
進んでいくが思いもかけない「犯人」探しになる。
まずそこで驚いた。
その後大きく何度か驚かされる。
話はちょうど500頁で終わるが、何度も驚いたので頭の中に熱のようなものが残ってなかなか眠れなかった。
デイック・フランシスの競馬シリーズの面白いやつを一気に読み終えた時に似ていた。
傑作である。
この作者の特色のひとつは既成の枠にはまらないこと。それがわかった。
先だって、東野圭吾『私が彼を殺した』(講談社ノベルス1999/02/05)を読了したが、こちらもまた型にはまらないのが特徴だった。
かつては海外の作家の独壇場だった「ストーリー・テリング」も今や日本人作家の手の内にある。この中から自分にとっての本物の作家を見つけるのは非常に難しくなってきている。間違いない。

今日入手した本は以下の通り。
『出版界「独断批評」』(第三書館)、土屋隆夫『推理小説作法』『土屋隆夫推理小説集成5「不安な産声」「華やかな喪服」』(創元推理文庫)、佐伯泰英『暴れ彦四郎(鎌倉河岸捕物控』(ハルキ文庫)、『泉鏡花集成11「風流線」「続風流線」』(ちくま文庫)、フリーマントル『待たれていた男(上・下)』(新潮文庫)、ジョー・R・ランズデール『ムーチョ・モージョ』(角川文庫)、石川恭三『思いっきり体に効く話』(集英社文庫)、岡本綺堂『半七捕物帳(一)新装版』(光文社文庫)、歌野晶午『ブードゥ・チャイルド』(角川文庫)、南木佳士『信州に上医あり(若月俊一と佐久病院)』(岩波新書)、金城一紀『レヴォリューション�癸魁戞聞崔娘辧法�日本古典選『堤中納言物語・落窪物語』『土佐日記』(朝日新聞社)、大島司『シュート!総集編』1・2・3(講談社)
すべて古本屋。創元推理文庫などは予算が許せば新刊で即購入したいくらい興味深い本が多い。その他はしばらく寝かせておいていい味わいの気配が出てきた頃に読む、などと考えている。普通の本屋で本を探すのがかったるい今日この頃。




2002年07月16日(火) 佐野眞一『旅する巨人』(文藝春秋)を70頁まで。

佐野眞一『旅する巨人』(文藝春秋)を70頁まで。
今日もほんの少し。読めない分本を買って補おうとする。何を補うというのか。
最近光文社文庫の鮎川哲也作品を買うことが多く、今日で6冊にはなったはず。
また、古本屋で早川書房のハヤカワポケットブックスがSFもミステリも1冊100円だったのであわせて10冊ほど買う。これも一種の欲望か。
この先もあまり読めそうもない。



2002年07月15日(月) 佐野眞一『旅する巨人』(文藝春秋)を49ぺ−じまで。

佐野眞一『旅する巨人』(文藝春秋)を49ぺ−じまで。
毎日少しずつ読んでいる。実在の人物たちの挿話集。宮本常一の祖父市五郎をはじめほとんどの人物が鮮やかに蘇えってくる。それぞれの話が面白い。
今日からまたぶつ切り読書が始まる。日記なので極力1行でも書く。



2002年07月14日(日) 佐野眞一『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』(文藝春秋)を読み始める。

佐野眞一『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』(文藝春秋)を読み始める。
「第一章 周防大島」に登場する人名は次の通り。
水上勉、加藤秀俊、高田宏、宮本常一、渋沢敬三、菅江真澄、柳田国男、アサ子、光、紀子、網野善彦、安丸良夫、鹿野政直、鶴見俊輔、鶴見良行、司馬遼太郎、市五郎、高杉晋作、岸信介、佐藤栄作、難波大助、宮本顕治、種田山頭火、升田仁助、阿川弘之、乙五郎、善兵衛とこれでまだ7ページから16ペーまで。



2002年07月13日(土) 佐野眞一『だれが「本」を殺すのかパート2延長戦』(プレジデント社2002/05/03)を読む。

佐野眞一『だれが「本」を殺すのかパート2延長戦』(プレジデント社2002/05/03)を読む。
前作を出した以降に行なった講演・対談・座談会・インタビューをまとめて収録した本でこれも読みやすさ抜群である。350頁に及び、繰り返しも多いが一気に読むことができた。前作もそうだったようにかゆいところに手が届き文句なし。
この本の本筋のテーマとはほとんどクロスしないが、読みながら思い浮かんだことは次のようなこと。
一、東京創元社の創元推理文庫をもっと購入すべきか。最近、1000円を越える文庫本が続いているので世評の様子を見て買うかどうかの判断をしているので、買い控えが増えている。買っておかないと魅力ある創元推理文庫が消えてしまうだろうか。
二、ブックオフやブックマーケットなどの店数はあいかわず多いが、単行本や文庫本の棚が微減の傾向がある。以前に比べてはっとするような本との出会いも減ってきている。後1年もしたら各家庭で持て余したかつてのベストセラー本しかないのでは。
三、再販制についてはよくわからない。それでも再販制をやめると出版部数の少ない専門書などが今以上に出版されなくなるという意見には自分の生活とは実際には関係ないが説得力を感じる。しかし、この本を読むと疑問である。再販制を廃止すると魅力ある本屋が誕生するような気もしてくる。
四、破壊力のある本が少ないと言うがどんな本がそれにあたるのか。それは人によって異なって当然のはずだが、共通項のようなものがあるのだろうか。
五、そういえば自分に経験がある。買いたい本に限って本屋さんにない。正式に注文するとよくて二週間、長いと1か月の場合もある。最近ではないが1年以内に出た講談社文庫を注文して2か月ぐらい音沙汰なしのことがあった。
六、また思い出した。だいたい「本の雑誌」が定期購読しているのに「SFマガジン」などと一緒に届くことが多い。
七、近所の本屋では買う気が起きないが、ちゃんとした大きな本屋まで出かける暇がない。
だんだん文句と愚痴が多くなってきたのでやめる。
いろいろなことを連想させる良い本である。前作ももう一度読み返して見たいような気持ちにもなった。

今日の創元推理文庫。
アガサ・クリスティ 宇野利泰/訳『二十四羽の黒ツグミ(クリスティ短編全集��)』1966/09/30初版 1992/02/07 57版)
クリスティを主に読んでいたのはご他聞にもれず中・高生の頃なのでそのころにもう読んだかもしれない。最近またクィン氏が気になってきたので1作品のみの登場だが、買ってみた。



2002年07月12日(金) 佐伯泰英『足抜』(勁文社文庫)を三度目で読了す。

佐伯泰英『足抜』(勁文社文庫)を三度目で読了す。
幾つかの支流に当たる小事件を解決しつつ本流たる大物花魁の逃亡・足抜け事件の謎に迫っていく。
吉原の鴛鴦夫婦、幹次郎と汀女は一作目に引き続き活躍するが、今回は特に幹次郎が全面に出て汀女は前回ほど目立たないので物足りなかった。
どうやって吉原から抜け出したのかという謎がメインで探偵小説の味わいも少しあり、楽しめた。
その謎の真相は大時代的といえばあまりにも、でもこれはこれで大昔の探偵小説の持っていた魅力の一つ。

創元推理文庫
カーター・ディクスン 厚木淳 訳『仮面荘の怪事件』(1981・08・21初版)



2002年07月11日(木) 今日もほとんど読まず。

今日もほとんど読まず。
一つに絞れぬ。散漫な読書。どれについても集中力不足。
『文藝春秋』の最新号でNHKで放映した日木流奈の特集番組に対する批判文を読む。
『日記のお手本』(小学館文庫)で荒木経惟の日記を拾い読みし、少しもの悲しい気分になった。
『足抜』(勁文社文庫)をさらに92頁まで読む。話の展開が達者であるばかりでなく人間観察にもたけているにちがいない。登場人物がよく描き分けられている。
『志村正順のラジオ・デイズ』(新潮文庫)は二、三頁。
『クレヨン王国の12か月』(青い鳥文庫)も冒頭をちょっと。

笠井潔『薔薇の女』(1996/06/28初版・1998/08/21 3版)
同じ本がどこかにもう1冊ある。この著者は気になるがまだまともに読んでいない。



2002年07月10日(水) 『足抜(吉原裏同心二)』(勁文社文庫2002/03/15)を60頁まで。

020710 『足抜(吉原裏同心二)』(勁文社文庫2002/03/15)を60頁まで。
姉さん女房の妻が吉原遊女たちの手習いの先生役で薩摩示現流の使い手の夫がその吉原の私警でいわば裏同心。ならぬ恋の駆け落ち、脱藩・逃亡の果てに夫婦が獲得した今の生活である。
二人三脚で吉原と自らに降りかかるさまざまな問題を解決してゆくというシリーズの第2作。
小者の悪党成敗、大物花魁の謎の足抜け事件に二人は徐々に関わっていくことになる。
今作も順調な滑り出しである。
ところでこの文庫本いつでも買えると油断していたら全く見かけなくなって汗った。大きな書店でも見つからず古本屋でかろうじて手に入れた。
勁文社の文庫の棚がそもそも存在していなかった。

ところで今回から手持ちの創元推理文庫の確認をしていくことにする。毎回一冊確認する。手を伸ばせば届くところにあるものから。(内容にはほとんど触れない。)

アーサー・マッケン・平井呈一訳『怪奇クラブ』(1970/06/26初版・1992/08/07 20版)収録作品は「怪奇クラブ」と「大いなる来復」の二篇。
二〇年くらい前にも一冊購入している。

今日観たテレビドラマは十時からの『マイ・リトル・シェフ』
今日の第1話は可もなく不可もなくの出来。主人公の魅力を強調。話は
まだまだ。



2002年07月09日(火) 唐津一『ビジネス難問の解き方』と『説得の法則』(ともにPHP新書)を少し。

唐津一『ビジネス難問の解き方』と『説得の法則』(ともにPHP新書)を少し。
さまざまな闘いに勝つためにはどんな考え方を身につければ良いのか。
一種の指南書で重要な本のような気がする。 



2002年07月08日(月) 都筑道夫『推理作家の出来るまで(下)』を後半を読む。

都筑道夫『推理作家の出来るまで(下)』を後半を読む。
「砂絵」シリーズができるまでの話。編集者時代に力のない翻訳者をことわった話。
具体的な話なので面白くというと不謹慎だが気がつくと何十ページも読んでいた。



2002年07月07日(日) 今日は『本の雑誌』7月号を熟読しただけ。

今日は『本の雑誌』7月号を熟読しただけ。



2002年07月06日(土) 川上健一『翼はいつまでも』(集英社2001/07/30)を読んでしまう。

川上健一『翼はいつまでも』(集英社2001/07/30)を読んでしまう。
千九百六十年代の中学三年生が主人公の青春ものである。彼は野球部員なので当然野球の試合や練習のエピソードが中心だが、なぜか相撲部の話も絡んでくる。
ビートルズのヒット曲は全体の雰囲気を決める重要な役割を担っているし、キャンプ場での思いがけない出会いは出てくるしで、「これが青春だ!」ののりである。
『黄色いコートの下衆男たち』とほぼ同時代でちょっと年上の少年少女たちがまっすぐに生きることができたという記録としても読める。
抜群におもしろかった。



2002年07月05日(金) 今週読んでいたのは、

今日も簡単に。
この四、五日で読み終わった本。
湯浅健二『サッカー監督という仕事』(新潮社)
日垣隆『学問のヒント』(講談社現代新書)
少し読み始めた本。
都筑道夫『推理作家の出来るまで(下)』(フリースタイル)
その他は、波、ちくま、図書、イン☆ポケットなどの拾い読み。



2002年07月04日(木) 大前研一『やりたいことは全部やれ!』(講談社2001/12/03)を読む。

大前研一『やりたいことは全部やれ!』(講談社2001/12/03)を読む。
題名につられた。しかし、自分が何をやりたいのか分かっていない時の方が多いので行動にすぐ移すのは難しいことを知らしめてくれた。
魅力的な提案ではある。



2002年07月03日(水) 野崎六助『これがミステリガイドだ!』(創元ライブラリ2001/11/30)を80頁まで。

 野崎六助『これがミステリガイドだ!』(創元ライブラリ2001/11/30)を80頁まで。
1988年と1989年の記録。



2002年07月02日(火) 新名美次『40カ国語習得法(私はこうしてマスターした)』(講談社ブルーバックス1994・11・20)を78ページまで。

新名美次『40カ国語習得法(私はこうしてマスターした)』(講談社ブルーバックス1994・11・20)を78ページまで。
こういう本には本当に弱い。好きな本の中心は小説で買いたいものはたくさんあるのにこういう本をつい衝動買いする。
裏の「語学は、どこにいても誰にでもできる!」がしぶい。さらに同じく「動機、持続力」や「集中力と記憶術」「社会人のためのやり直しの語学勉強法」「文章の覚え方」などと肉薄してくると負けてしまう。
しかし、いつものごとく「これから」というところで挫折。
筆者はニューヨーク市内で眼科医院を営む。名前の読み方は「しんみょうみつぐ」さん。



2002年07月01日(月) スティーヴン・キング『アトランティスのこころ(下)』(新潮文庫)読了。

スティーヴン・キング『アトランティスのこころ(下)』(新潮文庫)読了。
全四作を収録して上巻よりもやや厚い。結局全五作品による連作大長編だったことがわかった。長さは徐々にまたは一作品ごとに短くなっていき、最後の短編は全体を締める役割を担っているがごく短い。


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