馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年03月27日(木) ささやかな探究心

そろそろ過ごしやすい季節ですね。
寒くもなく暑くもなく。
これくらいがいいです。
けっこう。

稲葉はめでたく大学を卒業し尽くしたわけですが
当日記『馨絵詞』は続きます。
べディックホームページ管理のAZU殿により、近々何らかの形で移転が行われると思いますが
今後も変わらぬご愛顧をいただけたらと思います。

   ◆

お昼、横浜で後輩のTaxi殿と軽くデート。
横浜地下街にある安くて早くて美味しいお蕎麦屋さんに連れて行ってもらいました。
Taxi殿、ありがとう。
今後も横浜に行ったらたまに寄るかも。

誰かと遊びに行ったとき、美味しいお店をさらりと紹介できるって、いいですね。
日頃からいろいろなお店を覗いてないとできませんね。
それか誰かに教えていただくか、ですか。

稲葉は1人でいてお腹がすいたとき、松屋かマックを見つけるとなんか安心します。
慣れない街ならなおさらです。
美味しそうだな、とか思う店はあるのですが、ついつい松屋・マックなどに入ってしまいます。

無難だなあ。
ブナン。
確かにハズレは無いですけどね。

今まではそれでよかったんだけど、最近、松屋やマックに寄せられる自分が嫌。
松屋が嫌いになったわけじゃなくて、むしろ好きなんだけど
空腹を無難に片付けようという姿勢がイヤ。
腹減ったなって感じたときに、ささやかな探究心をそっと掻き立てて
初めての暖簾をくぐってみたら、知ってる街も少し地図が広がるかもしれませんね。

美味しい店しってるよ
って、さりげなく言える人になりたい。



2003年03月26日(水) 卒業式�◆舛瓩任燭�もあり、めでたくもなし。されど…

学位記は学生証と引き換えという形でもらいます。
学生証を紛失したことにして、思い出として学生証を残そうかと考えました。
そうすりゃ学割もきくだろうし。
がめついなあ。
結局、素直に返却したんですけどね、学生証。

さて、学生証を手放してしまったことで「身分を証明する物」を失いました。
稲葉よお前は何者ぞ。
運転免許証を得られるまでまだ少し時間がかかります。
保険証とかで代用ですね、しばらくは。

書類の職業欄に書くべき肩書きが無い。
これねー、きついですよ。
想像している以上にきついですよ。
これほど不安になるとは思わなかったです。
これからバイトを探すわけですが、身分証明どうしましょう。

いろんな人におめでとうと言われました。
それはそれでとてもありがたいことだと思います。

しかし高校までの卒業とは違いますね。
晴れて無職なれば此度の卒業、めでたくもあり、めでたくもなし。
というのが正直なところです。

しかししかし、発奮するきっかけにはなりますね。
もちろん今までも頑張ろうとは思っていたわけですが
これほど強烈な起爆剤はありません。

   ◆

この日記でも何度か書いているのですが、稲葉の同輩に中島という男がいます。
稲葉と同じ映画学科演技コースで、はじめは声優を志していました。
目立つタイプではなかったのですが、劇団Pl.の旗揚げ公演の際に声をかけてみました。
そんなきっかけで、べディックの映画作品にもいくつか出演してたりします。
以来、彼は声優から普通の(?)役者へと方向を変えました。
彼は途中で劇団を抜けたのですが、稲葉との付き合いは変わらず
役者同士として、あるいは友人として4年間、深い付き合いをさせてもらいました。

彼はあまり社交的な性格ではなく、卒業式の日も、学位授与式が終わると帰ってしまいました。
その直前、握手を交わしました。
「2人とも成功しないと仕事の場では会えないな」と言ってました。

そうなんですね。
何を思ったか2人して険しい道を選んでしまったわけです。
まあ、今のご時世、何をするにしても険しいのでしょうが。

彼とは今後も友人として付き合っていきます。
でもそれだけじゃ嫌。
あいつとはどうしても、役者同士としても付き合いたいのです。

ライバル…ですかね。
まともに言うと恥ずかしいですが。
握手をするとき、向こうから手を出してくれた嬉しさは忘れられません。

   ◆

卒業式の日、中島殿だけではありません。
他の演技コースの友人やいろんな人に、ビッグになると言ってしまいました。
やっべえ。
でも本気だよ。

べディックノートや稲葉の出ている作品にプレミア付けてやるから
全部捨てずに大事に取っとけ。

めでたくもあり、めでたくもなき卒業式を
真にめでたくしていくはこれからの頑張り次第。
すくなくとも意欲とライバルはいます。
いつか撮影や舞台の顔合わせで中島殿とばったりする日を目指します。
もしそんな再会があったら、その日は飲みに誘おうと思います。
自分はウーロン茶ですが。

今はただの無職稲葉。
今日より新しい毎日が始まります。



2003年03月25日(火) 卒業式� 曾于颪辰討�れてありがとう

結局、武道館には行きませんでした。
卒業式は江古田のみの参加です。

池袋駅の西武線ホームへ行くとスーツやら袴やら晴れ着やらがちらほらと。
きっと日芸の同輩なんでしょうね。
車内で芸プロで稲葉の補佐をしてくれた文入殿と遭遇。
晴れ着はずるいと思いました。

   ◆

まず学科ごとに学位授与式が行われます。
他の学科はよく知りませんが、映画学科は生徒と先生がけっこうフレンドリー。
真面目な行事ではあるんですが、笑いの絶えない楽しい雰囲気でした。
前学部長である八木教授がひとりひとりの名前を呼んで学位記を渡してくれました。

続いて学部長賞をはじめとする各章授与式。
卒業論文・計画・制作の中で特に優秀なものにいろいろな賞が渡されます。
稲葉が出演した2本の卒業制作の監督はどちらも賞を頂いてました。
これは嬉しいですね。
前述の文入殿も卒業論文で奨励賞なるものを獲っていました。
かっけえなあ。

   ◆

続いて大講堂での全卒業生を対象とした、卒業生を送る会なるものがありました。
学部長のお話のあと、みんなで賑々しく立食パーティーって感じです。

ここで、ものい殿たち数名のべディック部員からいろいろなプレゼントをもらいました。
こないだの追いコンといい、最近、もらいすぎている気がします。
いろんなところで、多くの卒業生が花束をもらってたわけですが、
稲葉が後輩からもらった花束は、ほかのどの同輩のものよりも大きいものでした。
口にこそしなかったものの、ちょっと自慢できました。

この日を通じて一番嬉しかったのが、べディック32代、幻の3役揃い踏み。
元副会長の真美殿と元総務の中津殿と久しぶりに揃いました。
2人のほかにも、ものい殿たちと出会う前に辞めてった同輩も一緒になりました。
個々にはたまに会ったりしていたのですがね。
真美殿は晴れ着だったり、中津殿は就職決めたりしたわけですが
昔とちっとも変わってなくて、懐かしくて元気でかわいくて、良かった。

最後はひとりになったけど、彼女達が同輩でよかった。

後輩たちは、稲葉と真美殿と中津殿にお揃いのお守りをプレゼントしてくれました。
心にくい演出をしてくれるじゃないですか。
ありがとう。

卒業式の日は、昔を懐かしむというよりは、今後について愚痴を言い合うほうが多かったのです。
稲葉のほかにも無職は多いですからね。
真美や中津やほかの同輩と一緒になってはじめて、昔を懐かしめる気持ちができました。

   ◆

やがて会もおひらきとなります。
学科ごとに分かれて、それぞれどこかでパーティーがあるんでしょう、
江古田校舎から徐々に人が消えていきます。

稲葉はひとり、部室でまったりしました。
天井ごしに他部会の声を聞きながら、ソファーでくったりしました。
朝から今まで、いろんな同輩、後輩が入れかわりたちかわりでした。
学科の人、文連の人、先生、その他、普段は別々の日に顔を合わせていた人たちが
この日は次から次でした。
慌ただしかった。
本当はひとりひとりともっと時間をたっぷりとって話したいところでしたがね。

ひとりで部室に入って、やっと慌ただしさが去りました。
少し寂しかったけど、それよりは嬉しさの方が勝ってました。
嬉しさというよりは、ありがたいって気持ちかな。
卒業を祝ってくれた人に対して
日芸の中で稲葉と出会ってくれた同輩に対して。

一時やんでいた雨がふたたび降り始めました。
部室と校門に礼をして江古田校舎を後にしました。
今後もべディックの行事や飲み会とかで来るとは思いますが
区切りは区切りとしてね。

映画学科は池袋サンシャインでパーティーを行っていたのですが
金銭的事情等により、これは欠席しました。
せつないねえ。



2003年03月20日(木) 転科、するもしないも

戦争、始まりましたね。
ニュースの中継で、バグダッドに空襲警報が鳴り響いた瞬間は戦慄が走りました。
開戦の瞬間を自宅のテレビでお茶飲みながら見られるんですね。
すごいことです。

バグダッド市内にも各国の記者やジャーナリストが決死の滞在をしているわけですが
その中に女性がいるんですね。
すごいことです。

女は戦場に行くな! …とは言いません。
行くなとは言いませんが、行かせちゃいかん…とは少し思うのですよ。

   ◆

さて、日芸には…他の大学もそうなのかな…転科というシステムがあります。
或いは転コース、転部とかね。

1年生の中で成績が特に優秀で、かつ試験に合格した人に認められるものです。
稲葉には転科経験はありませんので、どういうものかは実際よく知りません。
でも苦労の絶えない選択であることは聞いています。

転科するまでのハードルも大変だし
転科したあと、周りの友人達と比べて1年分のハンデを背負うわけですからね。

転科するってことはそれだけやりたいことがあるってことなんですね。
大変だけど素敵なことなんですね。
大学はたったの4年間。
やりたいことがあったら躊躇はしていられないんですね。

もちろん転科しないで続けてる人も素敵ですよ。
やりたいことを見つけてる人はみんなカッコイイ。

   ◆

稲葉のいっこ下ではものい前会長も転科経験者ですね。
文芸学科から放送学科への転科でした。

もうひとつ下の代では、やはり文芸から演劇学科の照明コースに入った子がいます。
昨年の前期の芝居で声をかけたのですが、忙しさでそれどころではなかったようです。
彼女は実際、そうとう頑張ってました。
でも、そうとう楽しそうでした。

今年、写真学科から映画学科の演技コースへ転科した後輩がいます。
みわこ殿っすね。
映画学科演技コースは稲葉の所属しているところ。
それまで部会の後輩だったのが、学科でも後輩になりました。

これで稲葉から4代、べディックに映画学科演技コースがいることになりました。
べつに部会で集まってるとき、学科なんか気にしないんですが、どこか嬉しいのも確か。
へんなの。

他の学科もそうだと思いますが、映画学科は人間関係がとっても重要。
2年実習に始まって卒業制作まで、グループを組んでの作業になります。
このへんも転科生には辛いところですね。
がんばれー。
面白い人たち多いから、先生ふくめて。
がんばれー。

   ◆

稲葉にとって映画学科演技コースは第2志望でした。

日芸入試は放送学科・映画学科演技コース・演劇学科演技コースの3つで挑戦しました。
舞台の演技を特にやりたいと思っていたんです。
だから映画学科よりは演劇学科かなーって。

でもね、演劇学科ね、2次試験でね、落ちちゃったの。
えへ。
舞台に乗せられてね「ダイオキシンを表現してください」って言われたの。
当時、ニュースステーションの所沢ダイオキシン報道が旬だったのね。
頑張ったとは思うんだけどね、落ちちゃったの。
えへ。

稲葉と一緒に舞台に乗せられた受験生のお題は「中国」でした。
1つの舞台の上手半分で「ダイオキシン」が
その下手半分で「中国」が同時に演じられる不思議空間。
2人同時で試験官さん、ちゃんと観てるんですかね。

   ◆

ん? 話が逸れてますね。

で、入学するときには転科を考えていたんですよ。
でもね、しばらくしたら、いえいえ、すぐに…かな
転科しようと思わなくなりました。

とてつもなく楽しかったんです。
映画学科演技コースの友人が、先生が、雰囲気が、授業が。
それまでは演劇しか考えてなかったのに、映画(映像)にもむっくむく興味が湧いてきました。
稲葉はとても単純な性質ですから、観るもの聴くものがどれも面白かったんです。

友人にも恵まれました。
入学式で初顔合わせのその日にみんなでカラオケやさんに行きました。
緊張してたけどすぐに仲良くなれてベラボウに盛り上がったりしました。
その時行った江古田のカラオケ屋さん、今は潰れて南大門市場という焼肉屋さんになっちゃってました。
さみしかったなあ。
学校に行く途中のドトールの隣ですね。

とにかく、演技について話せるお友達っていうのがひたすらに新鮮でした。
高校時代にも良き友人はいましたが、演技の話はできませんよ。

演劇学科に入っていたら入っていたで、やっぱり楽しかったんでしょうけど
今は映画学科演技コースに合格できて、本当に良かったと思っています。


転科する人もしない人も
やりたいことを良い人たちと良い環境でやれるってのは最高ですね。

稲葉、日本大学芸術学部 映画学科演技コース、まもなく卒業です。



2003年03月18日(火) 探訪秋葉原

我が家に日本武道館にて行われる卒業式の案内状がきました。
稲葉、どうやら無事に卒業できるようです。
武道館周辺の地図とか父母への招待状とか、入学式のときのものとまったく同じでえも言われぬ懐かしさがありました。

卒業まであと1週間。
学生もあと1週間。

   ◆

PHOENIX殿とデート。
秋葉原でデート。

新宿など大きな街は苦手な稲葉。
秋葉原もまたしかり。

人の多さ以外にも、秋葉原には稲葉を惑わす別の要因があります。
ワケの分からないモノの多さ。
駅を少しでも離れると、何に使うのか見当もつかないシロモノが陳列されています。
機械類の部品なんだろう…くらいのことしか本当に分からない。
商品札を見ても、疑問に拍車がかかるだけだったりします。
で、ワケの分からんモノをしげしげと物色している人がいる。
自分と彼らとの生活環境の違いをまざまざと見せ付けられます。

そんな街ですから、稲葉にはガイドは必須。
PHOENIX殿、後輩ながら頼もしゅうございました。
彼にいろいろ説明されて、少しまわりが明るくなりました。

いや、たぶんお店の人とそう違わないと思うんですよ、説明自体は。
でも彼の口から言われるとなぜか分かりやすく感じられるんです。
これまでの付き合いがあるからでしょうか。
やっぱり人間関係って大事ですね。

   ◆

パソコンを買っちまいました。
でかい買い物しちまいました。

お金が夢に変わりました。

やっと映像編集に手を付けられます。
あ、ソフト手に入れないと。
はやく使いこなせるようになりたいですね。

んーわっしょい。



2003年03月16日(日) 観劇の帰り道

3月は9月と並んで、劇団の公演が盛んとなる月。
稲葉も今月、既に5本のお芝居を観ています。
それとは別に1つ出演もしていました。

この土曜日曜で3本。
怒涛の観劇ラッシュです。
楽しいのは楽しいんですが財布は笑っていません。
くう。

   ◆

今日は昼間に劇団MCRさんの『小鹿とピストル』を
夜に劇団『彩−sai−』さんの『思ひの色にゆらめいて』を観てきました。

MCRさんは3年前、シアターグリーンフェスティバルという演劇祭で同じブロックで闘いあったことがあります。
このときの稲葉は『広島に原爆を落とす日』のアドルフ・ヒトラー役でした。
稲葉のいた劇団Pl.は参加25劇団中9位だったのですが、MCRさんはどうだったのでしょうか。

そうそう、べディックの20世紀殿が所属している劇団ミルク寺さんが、来月にこのフェスティバルに参加されますね。

MCRは練られた会話と計算されたテンポを武器にコメディー路線を走ります。
今回も笑わせていただきました。
セットがとても鮮やかで見事でした。
話の本筋とは離れますが、場面転換の際のセットチェンジまで見入ってしまいました。

   ◆

『彩−sai−』さんは今回が第1回公演。
文化部連盟の人たちが中心となって旗揚げされた劇団です。
稲葉が伺った回は千秋楽でした。
立ち見が出るほどの超々満員でした。
小劇場があれほど埋まったの、見たことありません。
普段は後ろの方の端の方の席に好んで座る稲葉ですが、今日はじめて桟敷席に座りました。
舞台のまん前。
ちょっと恥ずかしい。

他の回の客入り状況は見ていないので何ともいえませんが
でも旗揚げでこれだけのお客さんが来るってすごい。
みんなちゃんと営業したんですね。

昼のMCRさんとは全てが対照的なお芝居でした。
MCRさんがからりとしたコメディーであったのに対し、こちらは少しどろどろした世界。
でも会話はとても丁寧に書かれていて、見やすいお芝居になっていました。
衣装もセットも手を抜いてなくて良い仕事してました。

   ◆

昨年の3月もやはり観劇ラッシュでした。
昨年のこの時期に見たお芝居はいずれも、稲葉の同輩が関わっているお芝居でした。
学科の友人だったり、文化部連盟内の友人だったり。

今年は各劇団の知人はほとんどが後輩になりました。
同輩が頑張ってる芝居もありましたが日芸とは何の関わりも無い劇団です。
こんなところからも、ひとつ上になったこと、卒業するということを実感します。

同輩が頑張っているのを観ると負けられないと発奮します。
もちろん後輩のを観ても発奮するわけですが、それに羨ましいって感情が加わります。
もちろん稲葉は稲葉でお芝居やってるわけですが、それでもどこか羨ましい。
どんなに楽しいお芝居であったとしても、終わってから劇場の賑わいを背中にして歩くとき、ちょっと切ない。
んー、なんなんでしょう。

MCRさんは明日、千秋楽を迎えます。
『彩−sai−』さんは本日、全日程を終了されました。
今ごろは美味しいお酒を飲みながら、次回作について話し合っているんでしょうね。

いや、やっぱり羨ましい。



2003年03月14日(金) 父の名前

ラピュタラピュタ。
天空の城ラピュタ。
何度も観てるんですけどテレビでやるとなるとついつい観てしまいますね。
やっぱり面白うございました。

さてさて2時間30分の中でパズー少年はなんべんシータを呼んだんでしょうか。
いっぱい呼んでましたねー。
ところで、シータ一発変換→C太 となる稲葉パソコン。
こんなヒロインは飛べない。

   ◆

稲葉の父は睦雄といいます。
これ、読めますか?
「むつお」と大抵の人は答えるはずです。
でも違うんです。
「ちかお」と読むのが正解なんです。

珍しい読み方なんです。
これまで正確に読んでもらえたことは無いと父は言います。
稲葉もたまに「ムツオさんいらっしゃいますか?」というセールス電話を取ることがあります。
鬱陶しそうな電話だったら「いません」と言って切っちゃいます。
嘘はついてませんからね。

まあそういう勧誘・セールス系だったらわざわざ訂正もしません。
ムツオのまま流します。
訂正するのも面倒くさいんですよ。

   ◆

ただ、今日NTTに弟が行ったんですね。
おうちの回線をフレッツにしようかどうしようか、ということで。
で係員さんが「現在の登録者のお名前は?」と尋ねるから弟は当然
「稲葉チカオ」と答えるわけです。
係員さんがパソコンで照合するわけですが登録されていない。

そうなんですわ。
NTTには「稲葉ムツオ」で登録されていたんですね。
あらら。
弟とチカオ本人が母親にこれを言ったら
「だって訂正するの面倒くさいから」とのたまった稲葉母。

いやあ、そこは訂正しとこうよ。
セールスとは違うんだから。
ということで意見がまとまりました。

電話は今回のことで訂正されました。
けっこう。
でも他の公共料金とかどうでしょう。

意外と大丈夫なんだなあ、名前違っても。



2003年03月12日(水) 稲葉の教習所ライフ・6〜大学生のいる学科風景

『笑っていいとも!』の1時間の中でニュース速報が2つも。
東証株価8千円割れと
北朝鮮、地対艦ミサイル発射。
いやはやなんとも。

   ◆

さらりと社会を憂えたところで本題。
さらりと大学生を憂えてみようかしら。

先月から自動車教習所が段違いに賑やかになりました。
冬休みになった大学生が大挙して押し寄せたがためですねえ。

賑やかなるは別に良いんですが、実技の予約が取れなくて困る。
3月28日まで乗れません。
月末じゃん。
最後に乗ったのが3月8日。
20日も空いてる。
今月中に免許取得するつもりでしたけど、こりゃあ無理ですね。

3月頭にお芝居があって、しばらく1週間くらい教習所行かなくて。
で、その間、予約もしなくて。
したらこの有り様です。
要領悪かった稲葉が悪いんですけどね。
んー、大学生恐るべし。

   ◆

実技だけでなく学科の方にも変化があります。

マナーが悪くなりました。
なあんて言うと稲葉、オッサンみたいですが。
でもね、そうなの。

ほとんどが知らない人同士なので私語はありません。
目立つのは居眠りかですね。
ついで携帯電話の着信音。
2月以前には見られなかった光景です。

そんな光景見ていると「近頃の大学生はバカになった」と言われても仕方ないものがあるように思えます。
……なんか稲葉、本当にオッサンみたいですね。
いやだなあ。

   ◆

ただね、居眠りはちょっと理解できなくもありません。
教官の中には催眠術かと思うくらいに退屈な話し方をする人がいます。
そりゃ眠くもなる。
もちろん退屈を微塵も感じさせない教官もいますけどね。

あと曲者はビデオ。
1コマ50分のうち、前半は教官と教本(教科書)による講義。
後半は前半の内容に関するビデオ教材、という形式で授業は構成されています。

で、ビデオなんですが、教本でやったこととまったくそのままの内容なんです。
もちろん同じ範囲だから当然ちゃあ当然なんですが、にしても変化が無さすぎる。
その絵はさっき教本で見たっちゅうねん。
ていうのばっかり。

教本かビデオ、どっちかだけで良いんじゃなかろうか。
むう。

たまに役者さんのくさい演技に見入ったりしますが、それはちょっと違うかなあ。

   ◆

先日、「運転中、後部座席に乗っている子供に気が散ることもある」なんて説明がビデオでされていました。
そのシーン。

  お父さん、ワンボックスを快適に走らせる。
  子供、おもちゃをカチャカチャ。
  お父さん、バックミラーをチラッと見る。

まあ、ここまでは良い。

  子供、前の方に身を乗り出して
  「ねえパパ、ぼく、ママの所に行きたい」
  お父さん、顔を後ろに向けて「我慢しなさい!」

どうですか?
複雑な家庭環境を想像しませんか?
たかが教習ビデオになんてヘビーな設定を…。
これは閉じかけた瞼も開く。
そりゃ、子供にこんなこと言われた日にゃお父さんも運転どころじゃないでしょう。

   ◆

実は助手席にお母さんがいて、子供はお母さんに抱っこされたいって言ってたんですね。
でもね、ここに至るまでお母さんはまったく登場しなかったうえに
お父さんと子供を撮っているカメラマンの位置が明らかに助手席。
だから助手席には誰もいないもんだと…。
お父さんと子供しかいないもんだと…。

ま、授業が退屈でも居眠りはいけませんね。
授業は真面目に受けよう。
大学を終えた稲葉は、教習所の授業がとても楽しい。


【関連記事】
2002年11月27日『稲葉の教習所ライフ』
2002年12月4日『稲葉の教習所ライフ・2』
2003年1月18日『稲葉の教習所ライフ・3〜ひとつの正念場』
2003年1月23日『稲葉の教習所ライフ・4〜仮免学科試験』
2003年2月19日『稲葉の教習所ライフ・5〜路上教習』



2003年03月10日(月) 3月9日〜日付変わって2次会…新2年生へ

新2年生へ。

今の君らほど恵まれた環境ってのはそうあるものじゃありません。
ラクチンの極みです。
羨ましいほどに。
そんな中での愚痴や弱音なんて、ほとんど全部甘えです。
のっけからきつくてごめんね。

まあ、たまには愚痴も良いですけどね。
耐えるばかりが美徳じゃないですね。
稲葉も何も知らないくせに映画企画なんか立ち上げて、先輩や同輩からいろいろ突っ込まれ、
岡山さんや中津殿と愚痴りあったり慰めあったりしたっけ。
へへ、上と言ってること全然違うね、へへへ。

でも恵まれてるのは本当ですよ。
いま、べディックに名を連ねている人たち。
プライベートは知りませんが、学生生活という点では確実に幸せですよ。
実感、ありますか?

   ◆

だけど幸せって転がってるものじゃないんです。
降ってくるものじゃないんです。
そういうのもあるけど、ここで言ってるのはちがう。
幸せの出所をたどって行くと、必ず誰かにたどり着くんです。
ほんとだよ。

少し具体的に言うなら先輩にたどり着くんです。
芝居をやれたのも映画を撮れたのも、そして芸祭やれたのも君らの先輩が頑張ってるからなんです。
現場で一緒の先輩なんかだと、その辺とても分かりやすいですね。
でもね、「組織」になると現場だけじゃないんですね。

現場のために、見えないところで走ってる人がいます。
あなたのために、泥をかぶっている人が、泣いている人がいます。


それでいてあなたの前では笑っている人がいます。


入部して11ヶ月、ここまでべディックにいて彼らの恩に浴せざるはなし。
それだけは知っておいて。
無理に感謝する必要は無いけど、彼らの働きを無下にはするな。

   ◆

なあんてさ、本当はわざわざ書くまでも無いことなんです。
いずれ嫌でも痛感することだもん。

だって、ひとつ先輩になるんだし。

新2年生の中にも芸プロとか新歓プロとか新歓隊長とか…すでに動き始めている人もいるしね。
そうそう追いコン直前までリー研だったそうで、お疲れ様です。

上からの恩は無理に感じなくてもいいです。
無視しなければそれでいいです。

また、上からの恩は、上に返す必要はありません。
ありがたく頂いときなさい。
そのかわり、下には必ず伝えなさい。
情の引継ぎが組織の長い歴史を繋いでいるんですからね。
稲葉もあなたも、みーんな中継ランナーなんです。
……っていつか同じことをこの日記で言ったなあ。

現執行部の先輩達は、まだ慣れないながらも、みんな君達のために頑張ってますよ。
誰ひとり欠けることなく。
役付きの人も、そうでない人も。

現執行部代は稲葉が会長の年に入部して、3役はみんな稲葉と一緒に芸プロで遊んでた。
さらに物井前会長の教えをいろいろ受けてる。
自慢の後輩なんだ。
彼らを先輩に持ててる君らがメチャクチャ羨ましい。

だから彼らを裏切るようなことは許さないからね。

難しく考えなさんな。
楽しく笑って過ごしていればそれでいいから。
面白い映画やお芝居を創っていればそれでいいから。
恩返しはしなくて良いけど、そうしてることが恩返しだから。
そして何より、これから入ってくる後輩のためになるから。

先輩裏切るのもダメだけど、後輩を裏切るのもダメだからね。
後輩は映画を、芝居をやりたくて入ってくるんだ。
そのときに「今は芝居やれる環境じゃない」なんて死んでも言うな。
実際すぐにはやれないかもしれないけど、それは君らの都合。
後輩はそんなの知ったこっちゃないからね。

頼むよ。

   ◆

……っていうことを追いコンの席で口で言いたかったんだ。
でも緊張してもいたし、なによりこんだけ長々と喋ったら顰蹙(ひんしゅく)だもんねえ。

ああ、喋ったら喉が渇いた。
ウーロン茶持ってこい!



2003年03月09日(日) 3月8日�◆祖匹ぅ灰�

4年生追い出しコンパ、例年は2月中に行われているのですが、稲葉出演の舞台があったためでしょう、この時期となりました。

というわけで追いコン。
4度目の追いコン。
自分の追いコン。

もう、恥ずかしかった。
ダメです、あーゆーの。
新執行部になったばかりで、右も左も分からないまま準備に走ってた頃の方がずっとラク、気持ち的には。

   ◆

それにしても板倉殿という同輩がいてよかった。
執行部とかは1人でもよかったけど、追いコンだけはどうしても1人は嫌だったので無理をいって出席してもらいました。
にしても、隣に同輩がいるってありがたいですね。
心強いですね。
何気なく接してる同輩を、みんな大切にしてね。
いや、ほんと。

   ◆

席についてやっと周囲を見渡す余裕が出ると、信殿、宮崎殿、菅野殿の姿を見つけて嬉しくなりました。
いちど部会を辞めた人がこうしていられる雰囲気って良いなあ。
稲葉の代までは辞めた人はどんな辞め方であれ、絶対に戻ってきませんでした。
今の雰囲気を、みんな大切にしてね。
いや、ほんと。

   ◆

べディックは現執行部で34代になります。
長いですね。

べディックに長くいた…って威張っても実際に稲葉が見てきたべディックは34分の4。
たったの11パーセント。
少ないですね。
だけど、べディック史上そうとう恵まれた4年だったっていうのはなんとなく分かります。
いや、根拠はまったく無くて、なんとなく…なんとなく。

でも歴代の先輩もけっこう同じこと思ってたりしてねえ。
俺がいた4年は最良の4年だあ!…とかって。
ま、それはそれでいっか。

   ◆

最初は緊張してて、じきに楽しくなって、感傷的にはなりませんでした。
だから泣かなかった。
泣くかも…とも思わなかった。
これくらいの方が好きです。
泣いてるやらせ写真は撮りましたけど。

ただ、来年、1つ下の後輩の追いコンの方が胸に来るかもなんて思っています。
後期納会(執行部の引退式)がそうでした。
後輩が引退する、追い出されるのを見る。
自分のよりこっちの方が大変。
可愛い後輩だからなおさらね。

   ◆

たくさんのプレゼントをありがとう。
でっかいバラの花束、花瓶に移し替えて居間に飾ったらすんげえ豪華。
けあま殿イメージでは稲葉は花ではバラだそうです。
そうですか?
そういえば誕生日、けあま殿はバラのボールペンをくれたっけ。

小ぶりの花束は可憐ですね。
先日のお芝居でいただいた梅の花がぽつぽつ開いていて、その隣で賑やかに咲いています。

茶器セットもいただきました。
これは嬉しい。
良いセレクトです。
桜の季節が待ち遠しいですな。

   ◆

雨が止んだはなによりでしたが寒かったですね。
そんな中、出席してくれた後輩たちよありがとう。

渉外として取り仕切ってたmerry殿はじめ、凪会長以下の現執行部(もう「新」じゃない)のお歴々には特にお礼を申し上げます。

稲葉は幸せです。



2003年03月08日(土) 3月8日� 繕發閥笋僚砲�

今日は自分が対象となる「4年生追い出しコンパ」が夜にあるわけですが、
それに先立って昼間、稲葉家の集まりがありました。

稲葉の祖父母の金婚式と、両親の銀婚式のお祝いです。
金婚式っていうのは結婚50周年の
銀婚式っていうのは結婚25周年の節目です。

つまり稲葉の両親は祖父母の銀婚式の年に結婚したんですね。
また親子2代で金・銀婚式を合わせようと思ったら稲葉は今年中に結婚しなければならないのですが……

んー、無理だっ。

   ◆

ウェイターさん…っていうとちょっとニュアンスが違うのですが、給仕人さんですか。
彼らの動きは素早いですね。
素早く、そして無駄がないですね。
でも品はあるのね。
ちょっとしたことで席を立って、戻ってくるとそのたびに後ろに回って椅子を引いてくれます。
料理の運び方やらワインの注ぎ方やら…。
つい先日まで執事の役で舞台をやっていたのですが、もっと早くに今日のを見ていればなあ。
舞台は終わってしまっているのですが、ついつい見入ってしまいます。

   ◆

法事やら13回忌やらとかでしか顔を合わせないような人たちも集まって賑々しい昼食会でした。
顔を合わせるなら、こういう賑やかな会で会いたいものです。

金婚式の先にもダイヤモンド婚とかプラチナ婚とかあるようです。
それぞれ何周年なのかしりませんけど、そのときも今ここにある顔のどれひとつ欠くことなく集まれたらなあ、なんて。
稲葉の銀婚式も、この顔ぶれでできたらなあ、なんて。

まず嫁さん探しですけどね。



2003年03月06日(木) 身近な地雷

お芝居があったために中断していた自動車教習を再開しました。
カンが戻らないうちは少し危ないですね。

教習コースの途中に「手作り弁当グロリア」というお店があります。
アットホームな雰囲気で美味しそうな感じの良い店です。
でも店名はいただけませんね。
「グロリア」って「栄光」とかの意味で、それ自体はカッコイイ言葉なんですが
「弁当」の前後に持ってきちゃいけません。

以上、余計なお世話でした。

   ◆

稲葉のマンションは暗証番号式のオートロックシステムです。
他所からきたお客さんは部屋番号を押して、そこの家主に開けてもらいます。
マンションの住人は、特定のある番号を押して扉をこじ開けます。

これ、防犯管理の都合から、2ヵ月にいっぺん、暗証番号が変わるんです。
まあ当然のことですな。

当然のことなんですが、マンションからの通知を見落としていると焦ります。
尋常でなく焦ります。
正真正銘の住人なのに、無機質にブー言われるんです。
で、今日焦りました。

   ◆

こんなとき、まずは自宅の番号を押すわけです。
誰かいないかなあって。
いればめでたくおうちへ帰れます。

家族がいない場合は顔見知りの人の部屋を押します。
「403号室の稲葉なんすけどお」と、これはかなり恥ずかしい。

   ◆

2ヵ月にいっぺんの掲示を見逃すとえらいことになります。
あの掲示はおうちへの扉を開く啓示なんですね。

3ヶ月にいっぺん切れる定期券も忘れていると焦りますね。
あ、稲葉はsuicaユーザーではありません。
使えると信じて疑わない定期券で改札機のブザーがプァープァーなった時の動揺は
マンションに入れなかったときの一瞬の絶望と近いものがあります。

2、3ヶ月ごとに訪れる危機、あなどれません。
うーん、毎日の生活がスリリング。



2003年03月05日(水) わが街、ヨコハマ

稲葉は先のお芝居で会計を担当していました。
6、70万のお金を管理して切り盛りして。
今回、なんととってもな黒字でした。
うはうはもんです。
で、参加者にチケットの売上をバックしました。

そんなわけで財布の中が豊かな稲葉。
もちろんそれまでにノルマ払ったりしてますから純利益ではないんですけどね。
錯覚と承知しながらも嬉しいものは嬉しい。
うーん、けっこう。

   ◆

膨らんだ財布を抱えて横浜へ繰り出しました。
うちから一駅。
便利だなあ。

お散歩気分を満喫できました。
足が少し痛くなったけど満足。

結局一番買いたかったものは買えなかったんですがね。
駅の内外のお店をたくさんぶらぶらしてきました。
ビルとビルの間から見える空がとても綺麗で、風も昨日よりは落ち着いていて気持ちよかったなあ。

今日は横浜の街のお話です。
関内や石川町とかではありません。
中華街やマリンタワーは出てきません。
横浜駅とその周辺に関しての日記です。

   ◆

稲葉は人ごみが嫌いです。
だから新宿とか渋谷とか池袋とか銀座とかって苦手。

でもね、横浜は苦手じゃないの。
ちっとも。
人の数はそんなに変わらないと思うけど。
どうしてかな。

   ◆

まずね、人の流れが良い。
新宿なんかは人が雑然といるって感じがします。
だから歩いていて進路をふさがれたり、ぶつかったりよくします。
でも横浜は整理されている感じがします。
もちろん整理なんかされていないんですが、人が邪魔になる、或いは人とぶつかる確立が新宿とかとくらべて極端に低い。
とってもとっても歩きやすいんですね。

上に書いたことと関連しているのかもしれませんが、横浜の街は綺麗です。
他の街の駅ビルおよびその周辺と比較すると段違いに綺麗です。
酔っぱらいもここではゲロを我慢するだろう、みたいな。
渋谷でしたら夜なんかだと、駅出て1分しないうちにゲロが落ちてますからね。

とはいえ、少し歩いて裏通りに入るとそこはひどく汚いです。
渋谷の裏通りなんかメじゃないくらいにばっちい。
差が極端なんですね。
ま、裏通りへ行かない分にはとっても綺麗な街です。

   ◆

横浜の街は幼い頃から親に連れられてよく歩いてました。
だからこの街の人ごみに対して免疫ができているのかもしれません。
幼い頃はとにかく親にくっ付いていればよかったわけですからね。
チビの頃から出不精だった稲葉ですが、横浜行こうと言われると妙に嬉しかったのを覚えています。

お買い物の途中の食事が美味しかったからかな。
そうそう、横浜の街はごはんが美味しいです。
元祖しゃぶせんは最高ですよ。あ、しゃぶしゃぶ屋さんね。
あとはハングリータイガーっていうステーキとハンバーグのお店。
どちらの店も少しお値段はかかりますが、ランチタイムなら手ごろな料金で贅沢ができます。

美味い店の話は新宿とかでも発掘すればいくらでも出てくるんでしょうけどね。

   ◆

今日もそんな感じで横浜を楽しんできました。
目的としていたものは買えなくても、何を買うんだったか忘れたくらいに楽しかったので良しです。

稲葉はとことんハマっ子です。



2003年03月02日(日) 小屋ハネて

いよいよ3月。
春ですよ。
もう寒いのはたくさんだ。
稲葉はぽかぽかした天気が大好きです。
ごめんね冬。

   ◆

稲葉主演のお芝居、劇団Pl.(プル)『執事サンセット』3日間、5ステージの日程を終えました。
役者として本格的な舞台に立つのは久しぶりでした。
作、演出やお手伝いでは常に何かしら関わってましたけどね。

観にきてくださった方々には心より感謝申し上げます。

さて、初日(2月28日)に来てくださった方と、2日目・3日目にご来場された方とでは感想がまったく異なると思います。

芝居は映画と違って生モノですから、回によって雰囲気が異なるのは当然ですが、
今回、初日と2日目以降とではまったく違う作品なんじゃないかってくらい変わりました。
実際にやってみて初めて見えてくる問題がいろいろとあって、初演後即座に方針を変更しようということになりました。

最初は「気配」や「気のやりとり」に重きを置いていたんです。
でもそれじゃ伝わるものも伝わらなくて。
稽古場ではけっこう通じていたんですが、劇場では通じませんでした。
へんな間(ま)ができてしまったんですね。

今回の劇場は特にそうだったんですが、
舞台から客を見たときと、客席から舞台を見たときとで距離感がまったく違うんです。
初演後、客席から舞台を見たら、役者がこんなに小さく見えるのかと驚きました。
ほんとに舞台からだと客席はもっともっと近くに感じたのに。
フレームがかっちりした舞台装置もこれに拍車をかけていたようです。

   ◆

2日目からは、とにかく前へ前への姿勢でした。
はっちゃけた、とでも言いましょうか。
「気配」や「雰囲気」重視から「勢い」や「スピード」へとシフトチェンジ。

どの役者も切り替えを上手くやって、調子付きました。
舞台の嫌なジンクスである2落ち(※)になることもなく、上り調子となりました。

稽古場で飽きるほど稽古していても、劇場に入ってみないと分からないことってあるんですね。
頭ではわかっていたことですが、今回の芝居では改めて痛感させられました。
ゲネ(※)がちゃんとできていれば、もっと早くに気付けたのですがね。

でも、初日もその後も、どれも本気でやったことに間違いはありません。
手を抜くことだけはしちゃいけないんです。
手直しなどが入るため、後の公演の方が質的に良くなるのは当然です。
でも初日のものだって、そこで来てくれたお客さんにはそれが「完成品」なんです。

2日目、方針転換して作品は良くなりました。
やってても楽しくなりました。
そんな時、ふと冷静に考えます。
初日、今となってはぜんぜん違うものになったけれど、心構えや本気さは変わっていないか、と。

うん、だいじょうぶ。

ご来場くださった皆様、あらためて、ありがとうございました。


※2落ち【におち】……本番2ステージ目はテンションや勢いが落ち、ミスも多くなりがちになること。劇場の空気に慣れたり、疲れが出たりするためだろう。2抜け、ともいう。

※ゲネ【げね】……ゲネラルプローべ。実際の舞台で、照明・音響を乗せ、本物のセットや小道具を使って行う最終の通し稽古のこと。


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稲葉 馨

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