なべて世はこともなし
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2003年11月22日(土) 集中連載:検証いい加減王国アイルランド=Bank of Ireland編(2)

前回の続きです。前回の日記をお読みの方もとりあえずそちらから。何せ、1週間も経つと、書いた本人ですら何を書いたか忘れてますから。


私:「忙しくてシティセンターの本店になんか行っている暇ないんだけど」
男性:「それならご近所の支店にカードを郵送することも可能ですが」
私:「ならxxx支店にカードを送って!」
男性:「すぐにご用意して送りますので、金曜日、遅くとも月曜日には支店にカードが届いているはずです」
私:「ところでなんでこうなったの?」
男性:「分からないんですよ。コンピューター上ではお客様のカードが10月末で更新であることは認識されているんですが、たぶんシステムトラブルで新しいカードが発行されていないんですよね」



ちなみにコンピュータって間違いを起こさないんですよね。間違うとすればデータを入力した人か、プログラムのミスかどちらか。なのにみんなコンピューターのせいにして。濡れ衣を着せられるコンピューターというのもかわいそうです。


翌週の火曜日。再び昼休みに会社を抜け出して近所のBank of Irelandの支店へ。月曜日に行かなかった理由は簡単。どうせ月曜日に行ってもカードは届いてないと踏んだわけ。伊達や酔狂で5年もアイルランドに住んでいるわけではありません。


で、銀行のカスタマーサービスに行くと、引き出しをひっくり返してあっちゃこっちゃと私のカードを探している。で、厚い防弾ガラスの向こうのおねえさんは


おねえさん:「本当にこの支店に送るように頼んだの?」
私:「xxx支店に先週の金曜日、遅くとも今週の月曜日に着くようになっていると確かに聞いた」



私の声はかなりのイライラモード。それに気が着いてか気がつかずか、おねえさんは再び引き出しをがさごそ探しはじめる。「こりゃカードは来てないな。どんなイヤミを言ってやろうか」と頭の中でシュミレーションをしていると横から別のおねえさんがやってきて、


別のおねえさん:「ほら、これ、たった今届いたカード」
おねえさん:「あ、あったー」


…やはりな、月曜日に来なくて良かった


おねえさん:「たった今届いたみたいね。運がよかったわね」

運が良かったんじゃなくて、あんたらの行動パターンを見切ってるだけじゃい。


と、まあなんとか新しいカードを手に入れて、その日は帰宅。で、帰宅すると郵便物の山。良く見ると、前の家に来ていた郵便物がまとめて転送されてきている。その中には


ん?新しいキャッシュカード?で、財布の中にはさっきもらってきたばかりの新しい別のキャッシュカード。


そう、キャッシュカードが二枚。


おいおいおい。この前の電話では「システムトラブルのため新しいカードが送られなかった」って言ってたじゃないか。あの言葉はどこに収めるのだ?


で、良く見ると、今日窓口で受け取ったカードの有効期限は2年。郵送で前の家に送られてきたカードは4年


翌日支店に電話すると、


支店:「好きなほう使っていいわよ。まず最初にATMに入れられたほうが有効扱いになるから」


…そんないい加減なことでいいのか。アイルランド。


ともあれそうなら誰がどう考えても有効期限が4年あるカードの方がいい。というわけでそのカードをATMに差し込んでみると


ATM:「このカードは使えません」


…そう、当然といえば当然最初に発行されたカードは無効化されていたのでした。幸い新しく発行されたカードは使えましたが。


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2003年11月15日(土) 集中連載:検証いい加減王国アイルランド=Bank of Ireland編(1)

Bank of Irelandについて今まで数回誉める記事を、そしてその倍以上の批判記事をここにずらずら書き連ねてきましたが、本日は再び批判記事です。あのー、Bank of Irelandさん。別に私はいいことはいいこととして書いてますからね。いいことがあったらちゃんといいこととして書きますからね。


事の発端は9月の終わり。引っ越すので住所の変更をしようとカスタマーサービスに電話。おおかた書面での通知が必要なんだろうなあと思ったので、そのフォームだけでも送ってもらおうと思ったのがそもそもの間違いの始まり。電話でテレフォンバンキングのカスタマーサービスに電話すると


カスタマーサービス:「ああ、それなら今この電話で承りますよ。新しい住所はxxxですね。はい承知しました」
私:「本当にこれで大丈夫なの?」
カスタマーサービス:「はい。大丈夫ですよ



私はこのホムペでいっつも主張しているスローガンともいってもいいような一言


「アイルランド人のいう大丈夫ほど大丈夫じゃないものはない」


これを自分ですっかりと忘れておりました。で、10/31から11/3までドイツに行っていた私は11/4に自分の銀行口座をチェック。すると10/31に自動引き落としされているはずの新しい家の家賃が引き落とされてない


仕方ないので銀行為替を作りにお昼休み返上で会社の近所の銀行へ。前回駐車違反を切られて懲りたので今回はきちんと20セントをパーキングメーターに払って駐車。で、そこの窓口のおねえさんに言われたこと。


おねえさん:「あれえ、あなたのキャッシュカード10/31で有効期限が切れているわよ」
私:「ハァ?」



気づかない私も十分痛いアホタレだが、なんでまた新しいカードを送ってこないのよ?


私:「じゃあ、今日銀行為替は作れないのね?」


…そりゃそうだ。有効期限の切れたキャッシュカードで自分の口座にアクセスできるはずがない。ところが…


おねえさん:「いいわよ。銀行為替、今作るわね」


待て待て待て。そのキャッシュカード有効期限が4日とはいえ切れてるんですよ。そんなもんを使っていいんですか。


誉め言葉バージョン。


さすがいい加減王国アイルランド。臨機応変に対応してくれてありがとう。


けなし言葉バージョン。


さすがいい加減王国アイルランド。こういうことまでいい加減なのね。


…どちらでもお好きなほうをお取りください。一つ言えることはドイツでお金が足りなくなってキャッシュカードを使おうとするような場面に出くわさなくて良かったということ。


かくして取り合えず銀行為替を作り会社に戻るなり自分の支店に電話。たらい回しにされた挙げ句にたどり着いた男性いわく:


男性:「おっかしいなあ。カード発行されててしかるべきなのに、システムによると発行されてない。新しいカード発行するから取りに来て」
私:「時間がない。うちに送って」
男性:「住所はxxxですよね」
私:「ちがう!それは9月末までの住所!」
男性:「住所変更のお届けが出てませんが」
私:「9月に電話でしたわい!」
男性:「住所変更は書面、来店でのみ承れますが」


…やはりな。

私:「わかった。住所変更の手紙を出すからそれはそうとカードを新しい住所に送ってくれ」
男性:「セキュリティの関係上それはできません」


この続きは後半に続く。


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2003年11月12日(水) ひでかすぎっくり腰になる

うちの同居人ひでかすがさんじゅうン才にしてぎっくり腰になりました。それも「ミョーな姿勢でくしゃみをしたから」というあまりに痛すぎる理由で。ただ本人いわくぎっくり腰は初めてでないそうで這って会社に行ったそうです(アホや)。おかげさまでそんな病気になったことがないのでどんなに大変か想像もつきませんが。

かわいそうなひでかすに掲示板にて愛のメッセージをお待ち致しております。


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2003年11月09日(日) 防犯防止タグ...役に立ってないぞ

気がつくとこの日記の延べの閲覧者数が10万人を超えました。考えてみたらすごい数字ですよね。ありがとうございます。11月も10日になってようやく今月初の更新です。ちなみにドイツに週末行っていてついでに風邪を引いてダウンしてました。


最近日本はもちろん世界あちこちで見かける盗難防止タグと入口のところにある防犯ゲート。あれを通過するたびに「鳴るんじゃないかなあ」と心配になる小心者は私だけではないはず。別に万引きをした覚えがなくても商品が偶然にも自分の紙袋に滑り込むということが絶対にないとは言い切れない。そんな時に「ボクは知らない!商品が勝手に紙袋に入ってきたんだ!」なんて言っても何の説得力もないわけで。かくしてあのゲートには犯罪抑止効果がある反面、小市民を不安にさせるという副作用もあると思います。


なんでこんなことを言いはじめたかというのは賢明な読者様にはまさに言わずもがなだと思います。そう、鳴ったのよ。盗難防止タグが。


場所。グラフトンストリートにあるBoots(イギリス系の大手薬局)。あまり大きな声では自慢できない商品(水虫の薬じゃないよ)が「二つ買うと一つ半額」セールをやっていたのでついと衝動買いする気になったわけ。で、奥のレジで会計を済ませて外に出ようとすると


ブーブーブー


とけたたましく鳴るブザー。考えてみるとちゃんと金を払った客が外に出ようとしている時にあのゲートは


「こいつは万引き犯ですよ」


と大きな音で知らせているわけで失礼この上ない。


入口脇に黒人の警備員が立っており私は


私:「これって私?」


と聞くと、


警備員:「そうみたいだねえ」


…やる気なしですな。あんた。賭けてもいいけど、このまま知らん顔して出ていったらあんたも知らん顔してたでしょ。


この警備員に話してていても仕方ないと直感で悟った私はすぐ脇のレジのおねえさんに今買った「あまり自慢できない商品」の入った小さな白い紙袋を渡して


私:「今、レシート出すから」


と財布をまさぐりはじめると


おねえさん:「ああ、いいのよ。レシートは」


と言って紙袋の外からタグの時期を消去しておしまい。つまり万引きをして堂々と白い紙袋にものを詰めていればばれなかったわけで。よく考えれば「私は悪いことをするような人間には見えなかった」訳ですが、でも「アイリッシュは万引きに対してもいい加減」というほうが説得力があるような。


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2003年10月30日(木) 在外選挙人票を行使する。

本日訳あって日本大使館に行って来ました。…いえいえ秘密めかして書くようなことじゃあありません。なんのことはない選挙ですよ選挙「在外選挙人証」なるものを持っている私には今度の参議院選挙に比例区だけとはいえ投票の権利があるのです。考えてみると、年に1週間くらいしか日本にいないやつが偉そうに「投票の権利」を行使するなどお笑いですが。ともあれ、私は選挙管理委員会の回し者じゃあないですが、例えアイルランドにいようとも、日本に帰る予定はなかろうと、1票を行使することは大事だと思っています。


それにしても今回の投票で在アイルランド日本大使館が侮れない存在であることがよく分かりました。


話は昨日にさかのぼります。選挙のことを問い合わせしようと大使館の領事部に電話をしたのです。まず何より驚いたことは


領事部の担当者の方が私のことを覚えていた。


最後に日本大使館にお邪魔したのが2001年の7月の参議院選挙の時です。つまり2年前。で、去年に電話を一回したような。それなのに私の名を名乗っただけで電話の向こうの領事部の方は私のことを覚えていらっしゃいました。


聞いたところによると現在アイルランドにいる日本人はおよそ900人。その900人全部のプロファイルが領事部の方の脳ミソに入っているとは思えませんが、私のことをしっかり覚えていらしたのは事実です。


領事部の方:「投票?やってますよ。今度の日曜日までですよ」
私:「へっ?」



すっかり忘れていた。投票した用紙を日本に郵送するなどの手間がかかるために在外公館での締め切りは早いんだった。勝手に日本での投票日まで投票できると思い込んでいたので私は来週にでも大使館に行けばいいとタカをくくっていたのだ。うっかりミスで1票を無駄にするところだった。


で、大使館に行かねばならなかった理由その2。


パスポートの増補


6週間に一度程度の割でヒコーキに乗っている私。いつの間にやら99年に発行してもらったパスポート48ページがほぼスタンプで埋まってしまった。あと数回ドイツに行けば本当にパスポートにハンコを押すスペースがなくなる。なんでもスタンプを押すスペースのないパスポート保持者は入国拒否の対象になりかねないそうで (まずないとは思うけど理屈の上では可能)、まあ日本大使館にお邪魔するならパスポートの増補も一緒にやってしまおうと企んだわけ。


で、車で日本大使館へ。降り出した雨は強くなるばかり。会社を出ておおよそ30分で大使館着。


在アイルランド日本大使館。他は知らんがここはかなり狭い。一般人が立入りできるスペースはさあ、せいぜい20畳分くらいのスペースがいいところではないだろうか。そこに力ずくで日本と同じ投票用の間仕切り付の台が置いてあり、ついでに「受付」「立会人席」までありさすがお役所仕事、形は完全に整っている。


反面、どうやらこんな雨の日にわざわざ大使館に出向いて投票をしようなどという酔狂なやつはいないらしく、選挙の関係者4人以外に大使館の公共スペースに人影はない。と言うわけでこの4人のうら若き女性から手取り足取りごていねいにご説明していただいて投票完了。


それにしてもまあ、この投票用紙の機密保持のための封筒はなんと三重。まず緑色の投票用紙に投票したい政党名を書いてそれを封筒1に入れる。で、その封筒1は署名した封筒2に入れて、さらにその封筒2を郵送用の封筒3に入れて出来上がり。 まあ投票の秘密は守って欲しいのでそれでいいのだがまさに「たかが1票されど1票」といった感じ。


で、領事部の別の方ともちょっとお話をさせてもらったのだが、この方もしっかり私のことを覚えてらした。もしかして私って目立ってるんですか?で、無理を言ってパスポートの増補をその場でしてもらい大使館を後にする。


私のパスポート、前にも書いた通りTHIS JAPANESE PASSPORT IS NOT MACHINE READABLEと書いてあり、しかも写真が直接貼りつけとニセモノくさいことこの上ない。で、そこに輪をかけてテープでパスポートのページを増やしてもらったものだから胡散臭さにさらにターボがかかった状態。まあ胡散臭いおかげでいつも入国審査に余計な時間はかかるものの別に入国拒否されたとかいう話でもないのでいいのですが。考えてみると無理を言って増補をその場でやってもらったのにそれで文句を言うとは不届き千万ですな。


日本大使館の皆様。もしこれをお読みになっていたらお礼を言わせてください。今日はいろいろお世話になりました。某やたらと品のないオバサンから「伏魔殿」呼ばわりされていた某官庁の出先機関としては、とても同じ機関とは思えないほど親切で丁寧に対応していただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


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