なべて世はこともなし
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2004年03月31日(水) やっぱりネタを呼ぶ?アムステルダム(4)

アムステルダムのお話の続きです。その1その2その3はリンクをたどってくださいませ。


アムステルダムといえば、飾り窓です。…誰が何と言おうと。私にとってのアムステルダムの行く前のイメージはわりかし単純で、「自由」とかいうものが現在の社会で可能な範囲で最大限に認められた国…というもの。そういう気がしません?酒はおろか、クスリの類だってある程度まで合法。その上で、売春だって、堂々と行われているという。それがいいか悪いかは大いに議論の余地がありますが、ともあれ、アムステルダムって現代社会が行きつき得る最大のところまで行った街…というのが行く前のイメージだったわけです。


かくして、理屈っぽくなりましたが、飾り窓なるもの、一度みてみたかったのです。子供のときから。で、私が勝手にイメージしていたのは、「飾り窓通り」とかいう感じで商店街のようにひとつの通りに整然とショーウィンドーが並んでいて、その中に女性がお客を待っているというようなもの。


で、行ってみました。夜、アムステルダム市内の目抜き通りから一歩入ると、急に通りが怪しげなムード満点になります。まず、薄暗い。目につくものが、(日本的に言うと)大人のおもちゃの店だったり、おげれつビデオを鑑賞できる店だったり、クスリが楽しめる店だったり(もっともこれはあちこちにあるけど)。「怖い」とか「危ない」とは思わなかったけど、「夜ひとりでは絶対に近づかないこと」なんてガイドブックに書かれていても何も驚かない。


で、その裏通りからさらに裏通りに入ったところ、つまり路地裏にありましたよ。赤い蛍光燈で囲まれた窓が。最初の窓はお仕事中なのか無人。次はカーテンが閉まっている。で、整然と…とは行かないけど、赤い蛍光燈で囲まれた窓が点在している。「通り」というよりも「エリア」に赤い蛍光燈が点在している感じといえば分かってもらえるでしょうか。


夜の8時という時間はお忙しい時間なのか、多くの窓は無人か閉まっている感じ。で、人がいる窓を見ると、


うーん、ボクは遠慮しとくよ。


といった感じの私のストライクゾーンから外れた(むしろ大暴投といってもいいような)女性が数人別々の窓に。で、一部の女性の後ろには「さあ来い!」とばかりにベッドが置いてある。つまり、通りから1メートル入った丸見えのところにところにベッドがあるわけで。


お前らは分かってない!


と、思わず説教をタレたくなりました。こいつらは山本晋也監督が言うところの「チラリズム」というものがぜーんぜん分かってない。男というものは、全裸であけすけな感じの女性より、下着姿からちらりと覗く(自主規制)の方がはるかに興奮するのです(自分を基準にして物事を考えてます)。つまりこの飾り窓は、あけすけすぎるのです。こう、なんて言ったらいいのかな、おげれつな本を中学生がほしいと思うのは、それは「買ってはいけない」という禁止があるからで、オトナになったらそんなものに対する興味なんてなくなります。


別の例えを使うと、日本人には、「お殿様、およしになって。あーれー」というほうが、「お殿様、どすこい!さあ来い!」という方より合っているというか。それと同じで、「さあ、いらっしゃい。ベッドはすぐそこよん」なーんてやられたって趣もへったくれもないのです。そういう意味では売春は禁止されるべき…とも言えますが。


ともあれ、ですね、意味不明になってきたので話を戻しますが、私が仮にアムステルダムにひとりで行って、どこまでも果てしなく劣情を催していたとしてもきっとここには行かないな…と思った次第。あ、ちなみにこの地区で下手に写真などとっているとキケンだそうです。ゆえに写真など撮ってませんのであしからず。


そういえばクスリが楽しめるとかいう「コーヒーショップ」がありますが、ここには行きませんでした。この程度なら試しに入ってみてもいいかな…とも思うのですが、覗いた先々、なんだか怪しい雰囲気でして中に入る気にはなりませんでした。


話を怪しくない方向に戻します。


Girl with a pearl earringという本を御存知でしょうか(を見れば「ああ」と思われる方もいるはず)。白状すると本は未だに家で「積ん読」になってまして(もっと白状すると読む前にMausiに盗られた)、同名の映画を見たのです。ちなみに今調べたところによると、この映画、日本では間もなく「真珠の耳飾りの少女」というそのまんまのタイトルで公開されるようです。


で、この映画、その地味さも手伝ってアイルランドではほとんど話題になりませんでしたが、なぜかふたりでそんな地味でクラシックな映画を見に行ったのですが、これがまた良かったのです。で、この舞台となったのはDelftというアムステルダムから電車で1時間程度の街。


そうだ、京都Delft行こう


というわけで行ってきました。Delftへ。


結論から言うと、ダブリンだけを見てアイルランドを語るなんて到底できないように、アムステルダムだけを見てオランダを語るなんてできないな…と思いました。

はいはい、私、たった1週間くらいでオランダを見てきたなんてほざくつもりは毛頭ありません。だって、見てきたのはアムステルダムとDelftだけ。本当のイナカなんて行ってないし、オランダ人と深くつきあったわけでもない。だけどあえて言わせてほしい。Delftはいい街だったと。







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2004年03月30日(火) 郵便局がスト。じわじわと影響が...

木曜日から始まったダブリンの一部郵便局員のストライキ。その影響がうちの会社にもボディブローのように効いてきてます。


まず、到着する郵便物が激減。速達や書留、また郵便局以外の宅配便で到着する郵便物があるものの、普通郵便での到着はほとんどなくなってしまいました。これがないと私の仕事にも少なからず影響が出てきます。


で、逆に集荷もないので、会社には人が入れそうなくらい巨大な麻袋5つ分の郵便物があふれています(なぜか麻袋には「Royal Mail」と大書きしてある)。うちの会社、ほかの会社でもそうなように、「フランクマシーン」と呼ばれる機械があります。要は切手じゃなくて封筒に直接金額分のハンコを押す機械。これで金額分のハンコを押してその封筒を麻袋に入れておくと午後3時過ぎに郵便局員さんが集荷にきてくれるのですが、木曜日以来、来てくれてません。それで麻袋5つ分の郵便物が壁際に積み上げられているわけ。


これ、けっこうゆゆしき事態です。お客さんの側からすれば、うちの会社からの郵便物が来ない。中にはこの郵便物を待っている人もいるわけです。で、一部業務について言えば、この郵便が生命線ともいえるのです。その生命線がぷっつり絶たれると当然業務に影響が出ます。


で、お上からこんなお達しが出ました。


今日の午前中は、郵便の集荷作業を手伝うこと。


うちの会社、郵便の仕分け作業のためだけに数人の人を雇ってます(それだけ郵便が業務の中で重要なウェイトを占めているわけです)。その人の手伝いいったいなんだろうと思って聞いてみると、


係:「このハンコを押した郵便物を封筒から出して、こっちの新しい封筒に入れ直して」


私は麻袋の山を見ながら何のためかと聞くと、


係:「とりあえず、アイルランドの郵便局からは返金してもらって、新しく詰めた封筒を北アイルランドに持っていって、北アイルランドから投函するのよ」


考えましたね。確かに、北アイルランドから投函すれば普通どおり郵便は届くはず。アイルランド以外は。


でもさあ、そんな作業をさせるの?わしら、かなり忙しいのに。


ぶつぶつ文句をいいながら、古い窓付き封筒から郵便物を取り出して、新しい窓付き封筒に入れ替えるという単純作業をはじめる。始めてみるとこれが結構面白い。いつもコンピュータに向かって眉間にしわを寄せているような仕事だったのに、急に隣の同僚と無駄話をしながら手だけを動かすという作業になり、いつもと違う作業が結構新鮮に感じられる。…郵便局がストさえしなけりゃ必要がなかった全く無駄な作業という事実を忘れれば。


で、作業をしながらふっと気がついた。


あっ!この前麻袋に突っ込んだ私信はどうなる?


そういえば「指さし」が売れて、この前、麻袋に突っ込んだぞ。あと、他にも某航空会社に送った私信がある。会社の金(郵便料金)を使って私的なもんを送ったのがばれたら怒られるぞ。


慌てて同僚の机を見て回るが、ない。同僚に見つかる分にはかまわないけど、冗談の通じない某スーパーバイザーに見つかるとやばい。探すけど見つからない。


まあいいや、怒られたら怒られたで…と開き直って、1時間後、再び新しい封筒に入れられて集められた郵便物の山のところに行ってみると、おお、あった、私の私信。どうやら、手書きで窓なしの封筒に住所を書いてある郵便は別の山になって、手つかずで保管されていた次第。数はそんなに多くないけど、いちいち住所を書き直すのが面倒なので敬遠されていた模様。


私が私信を回収しようとしていると、なんたるバッドタイミング、例の冗談の通じないスーパーバイザーがやってきて、


「Snigel君。ちょうどいいや。その山も入れ直しといて」


…住所を書き直して詰めなおせというんですか。あんた、人が忙しいの知ってて言ってるでしょ。


反抗できるほど立場の強くない私は、泣く泣く住所の書き換えも始めたのでした。言うまでもなく、私の私信もどさくさ紛れにつめ直して送りました。かくして、指さしを注文された方、北アイルランドから届きますのであしからず。


掲示板によれば、アイルランドで郵便局のストが5ヶ月続いたことがあるそうな。…下手したら連鎖倒産とか起こるんじゃないだろうか。うちの会社ですらこんだけ迷惑を被ってるんだから。


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2004年03月29日(月) ついに実施。アイルランド禁煙化

春の訪れを感じさせる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は暖かくなってきたので風邪を引いたようです。頭がかなりがんがんしてます。ゆえに、仕事をする気がいつも以上にありません。ゆえに、こうして久しぶりに会社で日記の更新なぞをしているわけです。

ところで、本日3/29はアイルランドのある意味歴史に残る日です。


本日より、公共の場、全面禁煙


(以下、www.asahi.comより転載)

アイルランド、パブも職場も全面禁煙に 違反者には罰金

 アイルランド政府は29日から、あらゆる仕事場で喫煙を全面的に禁止する。飲食店からもたばこを締め出す試みは欧州で初めて。パブ経営者や愛煙家は反発しているものの、ノルウェーが6月に全国一律の禁煙導入を予定するなど、欧州で追随する動きが出ている。  企業を含む屋内の公共スペースが対象。実質的に、戸外や自宅以外ではたばこを吸えなくなる。違反者には、最高で3000ユーロ(約40万円)の罰金が科せられる。  人口が約400万人のアイルランドで、たばこと因果関係があるとされる肺がんや心臓病で落命する人は毎年、7000人前後に達する。他人が吐き出す煙がもたらす被害から国民を守る、との理由で、政府は立法に踏み切った。  最新の調査によると、常習的にたばこを吸っている人は全国民の約25%。98年と比べ、5ポイント低下した。その一方、「喫煙は国民的な趣味」と言われ、パブでは大半の客がビール片手に紫煙をくゆらせる。規制が十分に行き届くかどうか、注目が集まりそうだ。


(転載ここまで)

この話をご存知のない方のためにもうちょっと詳しく書くと、要はですね、職場で副流煙を吸わされるのは健康上好ましくない→だから職場を全面禁煙にしてしまえという法律なんですが、たとえば、レストランやパブ、こういうところもそこで働くウェイターさんやウェイトレスさんには立派な職場です。で、その職場で伏流煙を吸わされるのはけしからんから禁煙…というわけ。


かくして、アイルランドの公共の場は実質上全面禁煙になったわけ。もっともこう書くと、路上も禁煙になりそうですが、路上は禁煙の対象ではない模様。考えてみると、路上でごみ拾いをしている人には路上は職場なのですが、「屋外の職場をのぞく」という例外規定があるので路上は規制の対象にはならないのです。


このホムペでアイルランドの喫煙事情は逐一追ってきたつもりですが、紆余曲折の末、この公共の場での禁煙が実行されました。紆余曲折というのは、これ、本来なら去年の暮れあたりから実施されていたはずなのですが、一部の強硬な反対により2月に延期され、さらに今日に延期されたという事情があるのです(「指さし」には2月に実施とかいてます)。


で、ですね、確かに禁煙は今日から実施ですが、実際にこの法律が遵守されるかどうかはアイルランド人の間でも疑問になっています。一部のパブなどは公然と反旗を翻しているようですし、「分煙」はともかく「禁煙」は無理じゃあないかとか、やることが急すぎるなどの意見も出ています。私個人としては、おととし買い物袋の有料化を突然実施して成功した国ですから、案外うまくいくのではないかと思っています。ついでに言うと、かなりの愛煙家が禁煙を予定・または実行中ですしね。


私の素朴な疑問。


アイルランド中のパブにある灰皿はどうなるのだろう。


勝手な想像ですが、今週あたりアイルランドのパブを回って「灰皿ちょうだい」とお願いして回れば、結構な数の灰皿が集まるのではないかと思うのですが。アイルランドの灰皿コレクション。うーん、金もかからないしいい考えだと思いますが、タバコを吸わない私にとってはどうでもいい話。


タバコ問題、これで一応の決着がついたわけですが、今後も追っていきますよ。はい。風邪(頭痛)でいまいちな日記ですが、ご勘弁。


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2004年03月25日(木) ダブリンバスとチキンカレーの切っても切れない関係

昨日の日記を書き終えて、カレーを食べて、残ったカレーをお弁当箱に詰めて翌日のお昼もカレーを食べました。考えてみると、なんてつつましい生活。


で、その日の夜、ちょっと訳ありで、ダブリンバスの社員食堂で夕飯を食べることになりました。たぶん、私が関係者以外の日本人初ではないでしょうか。あんなとこで、メシを食ったアホタレは。


社員食堂は、オコンネル通りから数メートル引っ込んだところにありまして、「関係者以外立入禁止」の看板が掲げられています。…なのに、私が入っても何のお咎めなし。中は100人くらいは入れそうな社員食堂。


当たり前といえば当たり前ですが、お客は全員ダブリンバスの運転手。もっと正確に言うと、ここ、ダブリンバスの社員食堂じゃなくて実はCIE、つまりバスエーランなんかも入った社員食堂なんだけど中にいるのはなぜかダブリンバスの社員のみ。ともあれ、ノーチェックで入れるけど、ここで堂々とメシを食うのはかなりの根性がいります。トリニティカレッジのように、学生の振りして学生食堂を使うというふうにはいかないと思います。


で、注文すべくカウンターに行ってみた。

私:「何があるの?」
係:「チキンカレー」
私:「…それと?」
係:「チキンカレー」



選択の余地なしかよ。


これで三食連続チキンカレー確定!!


で、私をここに連れてきてくれた知り合いの運転手さんに聞いてみた。

私:「今日チキンカレーしかないの?」
運転手:「今日チキンカレーしかないの」
私:「へっ?」
運転手:「ここ、昼は何種類かメニューがあるけど、夕食はいつでもチキンカレーしかないの」



なんちゅう社員食堂やねん!


つまりなんですか。もしいつも夕方から夜にかけて勤務して、かつ、いつも食事を社員食堂で済ませている人は毎晩チキンカレーを食べているわけですか。


ダブリンに住んではや5年。ついに、ダブリンバスの最高機密を知ってしまった私。すなわち


ダブリンバス運転手の元気のもとはチキンカレーだった。


そう、チキンカレーなしでは夕方7時以降のバスは運行されないのです。あの11時30分ダッシュの最終バスも、運転手がマイクを使って歌いだすナイトバスもみーんなチキンカレーが彼らの元気の源なのです。ダブリンバスがなければダブリンの市民の足はなくなります。で、チキンカレーがなければダブリンバスの運転手は存在できません。この三段論法で行くと


ダブリンを支えているのはチキンカレーである


という「ダブリン、チキンカレーの法則」が成り立つわけです。


というわけで、今度夜にバスに乗ったら、運転手さんに


「今日のカレーはどうだった?」


と聞いて見てくださいね。ちなみに私の感想。


「ルーはまあまあだがご飯柔らかすぎ。量がめちゃくちゃ多かったので翌日胃がもたれた」


もしかすると、ダブリンバスの運転手が民営化を極度に嫌がっているのは、このチキンカレーが食べれなくなることを心配しているから…のわけはない。


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2004年03月24日(水) やっぱりネタを呼ぶ?アムステルダム(3)

まずはオフ会報告。


まず、私、何を血迷ったか、Anglers RestをAngelaにしてましたね。完全に焦って書いていたので。にも拘らず、20名(!!!)もの方に参加していただき感謝しております。


バスオフできたじゃねーかよ!(←心の叫び)


ちなみにですね、アイルランドには日本大使館が把握しているだけで900名に日本人が滞在しているそうな。で、そのうちの20名。つまり単純計算で2%の日本人が集結した計算になります。しかも、北はベルファスト、南はコークまで。ベルファストの人に至っては根性で日帰り。すごすぎる。


本当に皆様、ありがとうございました。


で、みんなに言われたこと。


オフ会の告知期間が短い!
今朝初めて聞いた!
もっと事前に教えてくれたら、バスツアーの参加者もいたのに!!



…と、まあ要は、宣伝活動の甘さ、宣伝期間の短さを指摘されました。まあ、別に商売でやるつもりじゃないので宣伝活動が甘かったのはともかくとして、宣伝機関が短かったのは素朴に反省してます。というわけで、3ヶ月後あたりを目安に「バスツアー・リベンジ編」を企画する…かも。ただいまより、ダブリンバスの某関係者(わかる人にはわかるあの人)とカレーをつつきながら謀略を練ります。謀略…と言っても、誰の利益にもならないただの作者の自己満足のための計画なんですけどね。



ともあれ、アムステルダムの続きです。


3/15および3/21の続きです。


美術館・博物館


アムステルダムには美術館も多い…ようです。で、私が行ったのがVan Gogh美術館と、国立美術館(べたべた基本セット)。率直な印象。意外と狭い。


パリの美術館が異常なだけかもしれませんが、アムステルダムの美術館はパリのそれに比べると非常に小規模です。中学校のとき、美術が2だった私はあまりいろいろ書くと不用意に突っ込まれそうなのでこの件はこの辺で退散。


アムステルダムでこんなことをして来ました。





ジュリアロバーツと2ショット写真撮影。


はい。行ったことのある人は御存知、Madam Tussauds(蝋人形館)です。ここ、ふだん主体性のないお連れ様のMausiが「どうしても行きたい!」と強硬に主張するので私が折れたわけ。私は入口で思いきり凍ってしまった。


入館料ひとり22.5ユーロ。


下手したら日本のB級遊園地の一日券が買えるやんか。


それでもポーカーフェイスで自分のクレジットカードで支払いをする私(素泣)。





で、中は、確かになかなか趣向を凝らしていて楽しめた。特に最初はほとんど、ディズニーランドのアトラクション状態。…最初はね。で、蝋人形もなかなかにしてよくできている。某、ダブリンのとはレベルが違う。…でも22.5ユーロはあんまりな気がする。





で、そんなこんなで、中央駅からの目抜き通りを歩いていて発見したもの。


アムステルダム秘宝館(英語で言うところのセックスミュージアム)。


Madam Tussaudsで22.5ユーロ払った(しつこい)私にとって入場料2.5ユーロはあまりに格安(1/8以下やん)。それならば騙されてみるか…と入ってしまった。


まず私は、入口で入場券を売るオッサンが、超やる気なしで目が完全に死んでいるのに気がつくべきだった。Madam Tussaudsのディズニーランドスタッフふうの妙な明るさとはえらい違い)。


で、ミョーに細長い建物(多分目抜き通りの一等地だから間口が狭いのだと思われ)を進むと突然、Madam Tussaudsに比べるとあまりに貧相で小汚いオッサンの蝋人形が突然右からぬうっと機械仕掛けで現れる。


長いコート姿。…こ、これはまさか。


私が凍っていると機械仕掛けの蝋人形は頼みもしないのに私の目の前まで進み出て、


「ほーら見てごらん」


と私の前でコートをはだける。コートの中には(自主規制)。そう、ストリーキング蝋人形。


だ、だ、だ、脱力。


ほとんどその場に座り込んでしまいそうになる。


脱力感が拭えず、階段の手すりにつかまりながら二階へ行くと、そこにはハガキサイズの写真がところせましと陳列されている。


写真で見る1900年(頃)から現在までのXXXの変遷


私は専門家じゃないからかも知れませんが、ひとこと言っていいですか。


やってることは全然今と変わってないやん。


だいたい日本が明治のご時勢(つまり写真のフィルムがバカ高で写真が「ハレの日」の道具だった時代)にこんな写真を撮っていたアホタレが地球上にいたかと思うと再びそこはかとない脱力感に襲われる。それに、こんな写真など、ネット全盛のご時勢、ちょっと検索をかければいくらでも発掘できるっつうの。


さらに三階に進むと(進む気力が残っていたことを誉めてください)、その一番奥に4畳半くらいの「個室」が。中に入ると横幅4メートル、直径1メートルくらいの絵がかかれたロールがゆっくりと回りはじめ


人類の性の歴史の大脱力スペクトラドラマ


さらには「世界の秘宝館」とかいう名前で、熱海の秘宝館が写真入りで紹介されている。


これで10ユーロ払ってたら、絶対「金返せ」って入口で暴れてたな。そういう意味では2.5ユーロって、この上なく妥当な値段だわ。ちなみに中にいたのは、私を含めバカップル数組と、中国の奥地から出てきたといった趣のカメラを首に下げたオッサン数名のみ。


脱力しつつも続く。

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