なべて世はこともなし
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2004年09月16日(木) The world's greatest cityの要件

今日、思わず笑ってしまった会社での同僚の会話。バリバリのダブリン英語で話す地元の女の子(ダブ)と新人のスペイン人の女の子(スペ)が何やらパリについて語っている模様。


スペ:「パリはどうだった?」
ダブ:「パリ?正直言って好きになれなかったね。あそこって、博物館や美術館を取ったら何も残らないじゃない」



私は、猛烈に忙しくて、このどうでもいい会話についていってなかったのですが、この言葉に反応して思わず顔を上げてしまう。「パリから美術館を撮ったら何も残らない」とはちょっと乱暴な言い回しではないかい?素人考えにもパリではいろんなことができるぞ。案の定といえば案の定、相手のスペイン人もきょとんとした顔をしている。そのスペイン人のきょとんとした顔を見て取ったのか、地元の彼女は


ダブ:「だってパリにはパブがないじゃない。パブが。カフェとか気取っちゃってさ」


だ、脱力。


そうですか、良い町かどうかの基準はパブの数ですか。…その理屈でいくと、確かにダブリンはThe world's greatest city(世界最高の街=某ラジオ曲がいつも言っている言葉)ってことになるなあ。…単純な構図というか何というか。


はい、つかみはオッケー(そんな人たちがいましたね)というわけで、こんばんは。お久しぶりです。まーた、忘れたころに更新ですが、ご賢察の通り、またドイツなぞに行っておりました。ドイツとアイルランドの現在の最大の違い。


アイルランドは寒い


なんなんですか、この寒さは。もう、朝晩は「冷え込んでいる」と言っても過言じゃないと思います。実際朝晩はヒーターがあってもいいかなと思うもんね。長い長い冬がもうそこまで来ております。


で、ですね、ドイツの本題に入ろうと思ったのですが、今日は溜りに溜まっているメールのお返事と(ひどいのは2ヶ月近く放置してある=そりゃあんまりだ)こちらも2週間も放置してある掲示板のお返事に全力を尽くしますのでパス。明日か遅くとも明後日にはがんばって更新しますのであしからず。


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2004年09月07日(火) 「ただ可能だったから」日記を更新しました。

まずはこちらの新聞記事から。


クリントン氏の手術成功…全快までは2、3カ月
退任後の“不摂生”たたった?心臓病



 クリントン前米大統領(58)=写真=の心臓のバイパス手術が6日、ニューヨークの病院で行われ、約4時間余りで無事終わった。前大統領の事務所は「手術は成功した」と発表したが、医師団は動脈の一部が90%ふさがっており、放置すれば将来的に「かなりの」心臓発作の危険があったことを明らかにした。

 医師団によると、4、5日後に退院できるが、全快まで2、3カ月を要する。11月2日の大統領選挙を前に、ケリー民主党大統領候補の応援には影響が出そうだ。

 クリントン氏は胸の痛みと息切れを訴えて9月3日に入院、手術が必要と診断された。医師団によると、数カ月前から運動後などにこのような症状があり、最近になって悪化した。

 クリントン氏はジョギングに熱心だが、ファストフード好きとしても知られ、大統領在任当時は太りすぎといわれていた。しかし、在任当時の厳しい健康診断では、心臓病の兆候は全くなかったという。

 最近はややスマートになり、ファストフードを控えて、炭水化物や脂肪の摂取を制限するダイエットを実施していると述べたと伝えられる。

 クリントン氏は01年1月の退任後も民主党員らに人気が高く、ケリー氏の応援や先に出版した自伝の販売促進、講演などで多忙だった。(共同)


(出典zakzak


クリントン前大統領、先週だったか2週間前だったか、来愛(アイルランドに来ること=今作った造語)しておりました。目的は、氏の自伝の宣伝のためで、Easonほかでサイン会をしてらしたようです。


この氏の自伝、読んでないのにこういうネタを振るのもなんですが、かのモニカ・ルインスキーとの不倫のネタが出てくるそうな。で、そのくだりに彼女との不倫の原因は「ただ可能だったから」という記述があるそうな。


これを知ったときにふと思い出したこと。


クリントン前大統領はアイルランド系の移民である。


アイルランド系の移民がアメリカの大統領になったこと自体、私には何の不満もありません。ただねえ、この「ただ可能だったから」という発言の片隅に「アイルランド的」なものを感じたのは私だけでしょうか。


例えばアイルランドの交通マナー。本気で悪いです。割り込みや優先の無視など日常茶飯事。で、ここでキーワードとなるのは「ただ可能だったから」という言葉。なんで割り込みをしたかといえば、「ただ可能だったから」。なぜ右折禁止の場所を右折したかといえば、これまた「ただ可能だったから」。こと交通マナーに関してはアイルランド人は物理的に可能なら、法的に不可能でもやってしまいますね。「ただ可能だったから」という言葉、アイルランド人を語る上で外せない言葉だと思います。


以上、駄ネタですが、「ただ可能だったから」更新してみました。


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2004年09月06日(月) Tesco、嫌いです(その5)

最近、TescoがClaire Hall (Coolock)に新しいショッピングセンターをオープンしました。と言っても、複合型の大型ショッピングセンターではなく、核となる店はTescoのみで、そのほかに小さな店が数店あるという感じ。午後7時まで仕事をする日が続き、ついに冷蔵庫から食べるものがなくなってしまった(でもビールはたくさん入っていた)私は、やむなくこの新しいTescoに行った。


どうやらこのTesco、敷地面積に制約があったらしく、一階が駐車場。二階がTescoの店舗。三階が他の店(未探索)という感じになっており、かつ、ガソリンスタンドも併設している。このガソリンスタンド、このシリーズの1で出てきたClearwaterとこのClaire Hallの二軒ありまして、 「他のスタンドより5セント安い」といううたい文句で多くの客を集めてます。この日も行列ができてましたが、とりあえず無視。


駐車場ですが、やたらと天井を高くとってあり、かつ、二階三階に店舗があるにも拘らず柱の数も極端に少ない(強度は足りているんだろうか)。ゆえに立体駐車場にありがちな閉塞感、あるいは駐車しずらさを感じさせない。この辺はよく考えていると思う。日本でも最近オープンしているショッピングセンターの駐車場は例外なくゆったりした設計になっているもんね。


で、ショッピングカートごと乗れる傾斜のついたベルトコンベア(正式名称は何というんですか)で二階へ。店自体はClearwaterの品揃えとほとんど変わらない。Tesco Extraという形態で、食品だけでなく、ちょっとした衣料品やテレビやスーツケースまで売っている。通路の幅も広く、天井も高い(が陳列線(=棚の高さ)も高いのであまり開放感はない)。


で、最低限の買い物をしてレジに行くと、なにやら新しいものを発見。


セルフサービスレジ。


どうやら試験導入らしく、下手したら20とかそれ以上あるレジの中でこのセルフサービスレジは3つのみ。


前で「セルフサービス」で会計をしているのは30代半ばのカップル(夫婦かな)。このレジ、フツーのレジと逆。つまり、フツーのレジは、ベルトコンベアに商品をのせて、その商品をレジの係がスキャンするのですが、ここでは自分でスキャンした後にベルトコンベアに乗せ、商品を袋詰めする台に送るらしい。


で、どうやら、すべての商品の重さがすでに機械に入力してあるらしく、スキャンされた商品と重さがベルトコンベア上で一致しているかどうか確かめているらしい。なるほど、ベルトコンベアに乗っていない商品はスキャンしていない商品だからこのやり方だと万引きも容易にはできない。


ところが、これがまたうまく行かないのだ。まず、何らかの理由でスキャンした商品とベルトコンベアの重さが一致しないと機械が止まる。係がやってくるまで待つしかない。さらに、バーコードのついていない野菜などは自分でタッチスクリーンを操作して、品名を入力しなければならない。面倒。そんなこんなで何度も途中で中断する羽目になり、その度に係が何度もやってくる。かくして、前の人がお会計を終えたのは10分後。慣れていないことを引き算に入れても時間かかりすぎ。


で、私の番。この時生まれて初めて気がついたのだが、商品をスキャンするってなかなかテクがいることなのだ。商品をちょっと持ち上げて角度をつけてやらないと機械様はスキャンしてくださらない。さらには一部のバーコードは全然読んでくれない。頭に来た私は途中からスキャンではなくいちいちバーコードをテンキーで手入力(実際、昔やっていた私には何度もっスキャンさせようと悪戦苦闘するよりもそっちのほうが早かった)。で、ようやくすべての商品を入力し終わると、機械様は冷徹に


管理者の承認が必要。管理者を呼んで下さい。


どうやら一部の商品は確認が必要らしい。たとえば、フツーのトマトとプラムトマトは値段が違うが、機械様にはその見分けがつかない。その確認は結局人間の係がやらざるを得ないらしいのだ。


で、のそのそとやってきた係は、私の買い物を確認すらせずに、自分のIDを入力して会計終了。


何のための確認なんだ?

で、お会計にかかった時間は5分程度。普段なら2分もかからないような買い物なのに。


ただ、このレジ、一つとってもいいことに気がつきました。いちいち表示される値段を確認しながらスキャンできるので、このシリーズの1で散々もめたようなインチキができません。もし、値段が違っていたら、その場で文句が言えます。この点だけは誉めてもいいかなあと思いました。


Tescoシリーズ、不定期で今後も続けますよ。皆様のご意見や体験談をお寄せくださいませ。


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2004年09月05日(日) マンデーブルーをぶったたけ!ダブリンバスの「特別サービス」とは?

よく、マンデーブルー(The Monday Blues)という言葉が使われますよね。要は、月曜日に学校や会社に行きたくない…というものですね。確かに、週末あれだけパブのテレビでスポーツ観戦をしながらビールを飲み干してたら、そりゃ、月曜日に仕事に行きたくないというのも分かります。数字で証明できないのが残念ですが、ダブリンの朝の交通量、月曜日と金曜日は週半ばに比べてあからさまに少ないです。きっと起きられない人が多数いるんだろうなあ。


かくして、そんなマンデーブルーを少しでも軽くしようと、自称「ダブリン最大の公共交通機関」たるダブリンバスが、明日、月曜日にスペシャルサービスを実施します。


バス運賃一律85セント(おおよそ110円)。


うーん、考えましたね。ダブリンバス。85セントは通常の「初乗り運賃」です。この運賃さえ払えば、乗り換えない限りどこまでも行けるという。この運賃、ちょうど日本で最近流行っている100円ワンコインバスと同じようなものですね。確かに、ささやかながら、こういう割引があれば、朝ベッドから這い出ることのできない重い体をなんとか動かして会社や学校に行けるかもしれない。これ、試験的な導入とのことで、明日一日限りですが、好評なら定着するかもしれません。


ただ、たったひとつ問題があります。


割引実施時間:午前10時から午後1時まで。


あのー、そんな時間にはみんな学校なり会社に着いていると思うのですが。それとも割引を実感するために昼休みにバスに乗れとでもおっしゃるのですか?だいたい、そんな時間に乗る客のほとんどって、だいたいご老人など無料パスを持っている人たちなのではないですか?


やはりどこかがヌケていると思われるダブリンバスのスペシャルサービスのお知らせでした。はいはい、Tescoの話、ちゃんと約束通りに24時間以内に更新しますよ。

参考サイト(ダブリンバスのプレスリリースのページ(英語)に飛びます)


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2004年09月04日(土) Tesco、嫌いです(その4)

Sainsbury'sに行ってきました。ここ、Superquinnと並んで、店員や商品の質の良いスーパーマーケットです。個人的に大のお気に入りなのですが、ひとつ大きな難点があるのです。


店まで遠い。


…遠い、なんてもんじゃないんですよ。片道80キロ。はい。「スーパーに行く」という概念を超越した距離です(日本のイナカでたまに、「ジャスコまで60キロ」とか書いてる看板が田んぼのど真ん中にあったりしますけどね)。残念なことに、このイギリスのすばらしき大手スーパー、くされTescoと違いアイルランドには未だに進出していないのです。ゆえに、北アイルランドの国境の町、Newryまで行くことになるわけです。


過去日記に書いている通り、EUの資金を使いまして、ダブリンからアイルランド側の国境Dundalkまで、つい最近高速道路が開通しました。これを使うと、ダブリンから80キロ離れたNewryまで、1時間ちょっとで着くことができます。それでも往復160キロ(あるいは2時間30分)は十分辛いですが、それに見合うだけのことはあるのです。それは





アイルランドのほぼ半額です。ゆえに、ひと缶やふた缶買うだけじゃ、このガソリン価格高騰の折まさしく「骨折り損のくたびれ儲け」ですが、ケース単位でどどーんと買えば、ドライブがてら、まさにおトクです。


かくして朝早くから向かったNewryのSainsbury's。行くと、ををっ、カールズバーグがダブリンの市価の半額以下♪7ケース(1ケースは日本同様24本)ほど、ついでに、その他の生鮮食品、もひとつついでに、安売りしていたアルコール飲料(スミノフアイスもどき)もショッピングカートに入れ、レジへ。


で、レジで支払いを済ませ、袋にビール以外のその他のものをテキトーに詰め、再びカートに入れて駐車場へ。蛇足ですが、アイルランドではスーパーのビニール袋に15セントの環境税が課されるのに対し、北アイルランドでは未だに無料です。ともあれ駐車場に行って気がついた。


あ、買い物袋、レジにひとつおきっぱにしてきた。


とりあえず、重いカートを引いて店に戻るよりはマシとビールをトランクに詰めて店に戻る。で、レジに行ってみると、レジの若い兄ちゃん(多分バイト)


「え、そんなもん、見なかったよ」


と言い、ちょっと申し分けなさそうに、


「そこにカスタマーサービスがあるから、聞いてみて」


で、レジの真後ろにあるカスタマーサービスに行くと、そこにいたのはRachelという名札をつけたかわいいお姉さん。にこにこしながら私の用件を聞いてくれる。で、カウンターの周りを調べて、まわりの同僚に聞くが、そんな袋の存在を知る人はなく…大方、私の次のお客さんが、故意か気づかずにかは分からないけど、3本5ポンドのアルコール飲料の入った袋を持って帰ってしまったというところだろう。


そういえば、大分前にTescoの買い物から帰ってきたら、訳のわからんもんがかなりの数混ざっていたこともあった(しかも、瓶詰めの見たこともなければ食べ方の想像もつかないような謎の物体だったので、しばらく保存していたものの、廃棄)。そんなこともあるから、後の人が仮に気づかずに商品を持って帰ってしまったとしても文句は言えない。


ま、とにもかくにもクレジットカードを受け取ることばかりを考えてすっかりと忘れてしまったこの買い物袋。なくなってしまったものは仕方ない。何せ完全に自分の過失。怒りをぶつける矛先すら見つからない。とぼとぼと帰ろうかと思うと、サービスカウンターのRachelさんが呼び止める。


彼女: 「レシート見せて」


私がレシートを見せると、


彼女:「どれが袋に入ってたの?」


…これとこれとこれの3本。


彼女:「じゃ、私についてきて」


と言われ、彼女についていくと、向かったのはお酒のコーナー。彼女は、商品3本を棚から出して、


彼女:「はいどうぞ」


え?


くれるんですか?



これにはさすがの私も驚いた。何せ、客を完全に信用している。理屈の上からいえば、私が嘘をついていないという証明は全くできないのだ。つまり、インチキをしようと思えばいくらでもできる。なのに、Sainsbury'sの店員は完全にお客を信用しているというか、お客の満足を最優先に考えているらしい。


で、サービスカウンターに戻ってRachelは上司と思しき人に向かって


彼女:「いいでしょ?」
上司:「いいよー」



だ、脱帽。そりゃ、ここまでやればSainsbury'sのファンが多いことも肯けます。月曜日、会社に行ったらみんなに言いふらしてやろうと思ってます。


悔しかったらまねしてみろってんだ。Tescoさん(とついでにDunnes Storeさん)。


またTescoに話がたどり着く前に長くなってしまいました。次(取り合えず完結編)は24時間以内に更新します(約束)。


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