なべて世はこともなし
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2005年02月28日(月) |
同居人探しはさあ大変 |
「ダブリン家がない」というこのホムペの初期のコンテンツでダブリンにおける家探しがいかに大変かを力説しましたが、あれから5年、状況は劇的に変わってます。…というのものですね、私の家の住人のひとりが「私、彼と(だけ)一緒に住みたいの(はあと)」というある意味納得できる理由により出て行くことになりまして、まずはひでかすや「君の瞳は星だらけ」のフランス人の同僚などを通じて誰かを探したが、結果は芳しくなく。
次に、アイルランドの家探しのための有名サイトdaft.ieに広告を出すが、これまたシングルルームで400ユーロというなかなかに中途半端な条件であることも条件をさらに悪くする。実際のところ、この400ユーロは掘り出しものだったと思う。うちのリビングルームなどの居心地の良さはかなりのものだし、この屋根裏を改造した部屋の窓からは遠くはWicklow Montain、近くはO'Connell Streetのコカインの針まで見えるし。
とはいえ、daft.ieに載せた広告への食いつきは概して悪く(何人の人が広告を閲覧したかなどを見ることができる)、数人の家を見に来た人も街から遠い(私に言わせると町からバスで15分というのは全く悪い条件ではないと思うのだが)などという理由で見つからず、また、数人は「この人だけとは家をシェアしたくない」という人たちでして。何だかんだ言っているうちに、月日ばかりは過ぎていき。
話は突然変わるようで、実は変わらないのですが、旅行雑誌などを見ていると、よく「欧州系航空会社で行くヨーロッパ格安航空券」なんて広告がありますよね。あれ、安いと思って電話してみると、実は人があまり使いたがらないあの航空会社で、で、電話の向こうでは「あと5000円出せば某フランスの航空会社にできますよ」なんて言葉巧みにセールスを展開するわけです。
この、一昔前は凍ったままのメシが出てくるという伝説のあった航空会社と高慢ちきなフランスの航空会社とどちらがマシかというのは大いに議論があるところですが(私なら前者を取ります)、ともあれ、私の言いたいところは、家の家賃が高く見えるから引き合いがないわけで、家賃が下がれば人は見つかるのではないかという仮説を立てた。
で、うちの「君の瞳は星だらけ」のフランス人は玄関の直上にある一番狭い部屋、いわゆるBox Roomに住んでいる。で、部屋が狭いので当然家賃も安い。家賃は360ユーロなり。で、彼に、ことと次第によっては広めの屋根裏部屋に400ユーロ払って移る気があるかと尋ねたら、快諾。で、daft.ieに「シングルルーム400ユーロ」の代わりに「シングルルーム360ユーロ」という広告を出してみた。
効果てきめん。
今までなかったメールでの問い合わせが数件あり、その中のひとりが今晩うちに移ってきました。実質初のアイルランド人とのシェア。意外といえば意外なのですが、なぜか今までアイルランド人とは家をシェアしたことがありません。ぱっと見、マジメで誠実そうな人だったし、また、すでに部屋が空き部屋になっていて今すぐに人がほしかったということもあり、彼を取りましたが、さあ、どんなことになりますやら。
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2005年02月27日(日) |
投稿:驚愕。とんでもSAS体験記 |
作者、ヒジョーに多忙です。とういわけで、本日は読者さんからのご報告で秀逸だったものを紹介させていただきます。
Tさんからのご報告。これを読まれる前に、私の日記の過去ログ上と下を読まれるとより楽しまれると思います。いやー、失礼ながら、下には下がいますな。以下、読みやすくするために適宜改行を入れ、個人が特定されそうなところをはしょったりしてますが、基本的にTさんの投稿そのまんまです。
いつもSnigelさんは飛行機で苦労されていますが、すみません、私本当に他人事だと思って読んでいました。まさか自分のみの上に起こるとは。。。
今回私は普通の人はしないよなあ…ってわかってはいるものの恐ろしい日程でヨーロッパに蜘蛛の巣を張るかのような旅行をしました。。(コペンハーゲンからダブリンまで)SASを使いました。ダブリン行きゲートDいくつか忘れましたがDxxxから機内に乗り込みましたが(作者注:101から103のどれかです…きっと)1時間近く何も起こらず、機内アナウンスで機体に問題があるので代わりの飛行機を用意しましたゲートAxxへ移動してください。とアナウンスが。
ちょっとぼんやりしていたので「ゲートAいくつだろ?」と思いながら飛行機を降り、同じ飛行機にいた緑のフットボールチームのマフラーを巻いている明らかにアイルランド人の若者にゲートナンバーを尋ね、空港の端から端まで移動(作者注:月ほども遠いです)。ゲートAxxの前で1時間は待ったでしょうか、ようやく機内へ。座席に着いてから微妙な間が…もしやこの飛行機も?と思ったものの飛行機は滑走路に向けて動き出しました。「ふ〜やれやれ。そうよねーこの飛行機が飛ばないなんてないわよね。」と思ってうとうとしていると飛ぶ気配がない。
笑いながら機内アナウンス「お客様大変申し訳ございませんが…え〜この機体にも整備不良がございましたこれからターミナルに戻ります。」信じられないと、乗客同士顔を見合わせるが不思議とみんな苦笑いで何故か盛り上がる。日本だったらありえない光景だよなあ〜と思いながら今晩どうするんだろう?とちょっと不安に。
ターミナルに着くが今後どうなるか調整中ということで外にも出られない。何人かの乗客はダブリンからの乗り継ぎに間に合わないとフライトアテンダントにクレームをつけているけど他の人は「やれやれ」といった空気。ライトアテンダントからジュースがにこやかに配られる。私は素晴らしい対応だなあと自分が今晩どうなるかわからないのに観客よろしく他の人々を観察。
しかたがないこういう場合は自分の意思ではどうにもならないし。機内で2時間以上は過ごしたでしょうか?「えーみなさま大変お待たせいたしました。代わりの機体の準備が整いましたのでゲートCxxへ移動してください。」ふう〜。また移動か。でもダブリンに今夜中に到着できるんならいいか。。。とゲートCxxへ。
飛行機に乗り込むまで40分くらい。乗り込んでからは割と順調に機体が動き出した。take offの瞬間は拍手喝采。ああよかった〜。さすがに疲れたので離陸を確認した後は割と深い眠りに落ち気が付くと「まもなく。。。。空港に到着いたします。」とアナウンスが。
「?????」聞き間違えかな?今確か、シャノンと言ったような…窓側の座席だった私は景色を見ると見覚えのない街明かりを目にした瞬間、次のアナウンスが。。。。「本日はダブリンの天候状況が大変強い風の為着陸不可能な状況です。お客様には大変ご迷惑をお掛け致しますがこれよりシャノン空港に着陸いたします。」(へ?シャノン?真夜中にシャノンに到着したって困るんだよね〜コーチって空港まで乗り入れしてるのかなあ?)
着陸後再び軟禁状態。フライトアテンダントからのアナウンス「お客様大変申し訳ございません。しばらくお待ちください。ただいま今後の対応を考えております。」さすがに6時間の遅れにシャノンとなると乗客の顔も思いっきり不機嫌。しばらくしてフライトアテンダントが乗客1人1人をまわってアンケート調査。内容はシャノン空港近辺のホテルに1泊するか、乗り合いでタクシーでダブリンに移動するか。
タ、タクシー?と私は思った。シャノンってダブリンから相当な距離あるよねぇ?本当にタクシーでダブリンに移動させてくれるの?アンケート調査が80%しか終わっていないのに「大変お待たせいたしました。どうぞターミナルへ移動してください。今後の対応は地上係員が対応いたします。」だ、大丈夫かなぁ〜?
当然乗客の大半が地上係員に詰め寄って「タクシーでダブリンって話しはどうなったの?」地上係員「空港の近くにホテルをご用意いたしました。シャトルバスが到着するのを待つか、待てない方は自費でタクシーでホテルまで移動してください。機内預け荷物は空港でお預かりさせていただきます。」
「だから、タクシーでダブリンに行かせてくれるって機内でフライトアテンダントが言った事はどうなのよ?!預け荷物受け取れなかったら移動も出来ないでしょう?!!」「…」かわいそうな地上職員「ただいま確認いたします。」無線でやり取りの後、「これより階下のバッゲージクレームでお客様の機内預け荷物をお渡しいたします。ホテルに滞在する方も必ずお持ちください。
タクシーは個人でお支払いお願い致します。ただし、レシートをダブリン空港のSASのカウンターにお持ち頂ければ払い戻しが可能です。そしてタクシーはクレジットカードが使えません。」1階に下りるとパスポートコントロールが。オフィサーに「ダブリンには何日滞在するの?」「1日…」「1日?その後は何処へ?」面倒なので「ロンドン。」「ロンドンかあ〜いいところだ。」バン!とはんこ。この状況を知ってか知らずか本当に明るい。
預けた荷物は無事に全部出てきた。時計を見ると2時。2時…どうしようかなあ1人でタクシーに乗ると200ユーロっていうし。スーツケースを転がしながらうろうろしていると、「あなたもダブリンに行きたいんでしょう?」と北欧系のおばちゃんが声を掛けてくれた。「はい。」疲れもピークでかろうじて返事をする。「じゃあ、この子達と一緒にタクシーに乗るといいわ」と言ってフィンランド人の交換留学生2人組を紹介してくれた。
そのうちの1人が「もうタクシー会社には電話してあるから。」うう、ありがとう…!!ところが、こういう状況の上、シャノンという田舎という事でタクシーが来たのはなんと7時15分前(作者ツッコミ:5時間もかけるな!)。
それもそのタクシーの運転手会社のマネージャーにday‐offだというのに電話でたたき起こされたという気の毒な人。文句も言えない。タクシーに乗ってからタクシーの運転手が「疲れているだろうから眠っていいよ。ダブリンまでかなり遠いから。」とやさしい一言。私を含む3人が安心して眠っていたら突然大音量でアイリッシュミュージック。ボリュームコントロールの調子が悪いのか?と思ったがどうもそうではないらしい。個人的にその音量で聞きたかったよう。眠っていいよと言われてもさすがにこの爆音の中どうやって眠れようか…。。。
ダブリンに着いたのは午前10時30分。ふう〜。。。本当ならホテルの部屋で1日眠ってしまいたいところだが、1日しかないダブリン滞在。ホストマザーの訪問と学校の先生との待ち合わせと夜10時まで出歩き、翌朝は6時台フライトの為5時に空港。ほとんど仮眠状態で4時起き。何しにダブリンに行ったんだか。。。
因みにタクシー代の払い戻しは時間的に無理だったので日本に帰ってからSASの東京支店に問い合わせをして対処してもらいました。 なんだか不幸自慢みたいになっちゃいましたが、今度はもっとゆっくり里帰りしたいと思います。
皆様からの体験や投稿、随時受付中ですのでお気軽にどうぞ。
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2005年02月21日(月) |
ゆーきーはふーるー。つもらーないー |
♪ゆーきやこんこ あられやこんこ
…と歌ってみても、今日の雪も積もりませんね。今朝は5時30分に起きまして、日本に行くひでかすを空港まで送り(ひでかすが到着した時刻:搭乗受付終了4分前)、車が修理中の重役を道中拾い上げ、会社に着いたのは午前7時。何せ、「朝の7時30分に日本の重要なクライアントに電話するから、その通訳のために必ず7時15分までに会社に来るように」という厳命が部長じきじきから下っていたので、念には念を入れて午前7時に着いた次第。ああ、生真面目な日本人気質。
で、その電話をかける部長とスーパーバイザーが会社に到着したのは午前7時45分。
…あのー、「必ず7時15分までに来て打ち合わせ」という話はどーなったんですか?朝から力が抜けました。ちなみに打ち合わせなしのぶっつけ本番の電話(しかも私の年収のン倍の金が動く話)、精も根も尽き果てました。
現在午後12時45分。願いかなわずついに雪はやんでしまいました。願いかなわずと言うのは、いやー、ちょっと期待してたんですよ。雪、積もるかなーって。だってせっかく四駆のジープに乗ってるんだから雪が降ったら面白いなーって思ってたんですよ。ただ、まあ、雪が積もったりしたらたぶん交通がマヒするだろうから、これでよかったんだろうなあと思いますが。…でもがっかり。
アイルランドで…というか少なくともダブリンで雪が降ることはマレですし、ましてや雪が積もることなどマレのマレです。ちなみに、年間の「降雪日数」は4.9日だとか…Q州並ですな。ちなみに私はまだダブリンに雪が積もったのを見たことがありません。たぶん雪が積もったら学校休みですよ。ここでは。
…とりあえず仕事に戻ります。
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2005年02月17日(木) |
不名誉な自己記録を更新 |
本日、全く不名誉な自己記録を更新しました。
朝の8時から夜の11時まで仕事しました。
はい。これは明らかに尋常ならざる事態です。今まで11時間の仕事はしょっちゅうだったけど、15時間というのは…。夜の7時以降は、ほとんど自己不名誉記録更新のためだけに根性で仕事をしていた感じです。別に会社は残業を強要してません。ただ、フツーには終わらない分量の仕事を押しつけてくるだけです。不思議なんですよね。ほとんどの同僚が仕事が終わらない中、数人はちゃんと定時に仕事が終わっている。いい加減な仕事をしているのか、それとも要領がいいのか私には分かりかねますが。また、仕事が終わらなくても開き直るというのも選択肢の一つですが、悲しいかなガイジンの私、ワークパーミット(就労許可証)がいる限り、クビになるようなことはできないのです。
ただ、大声では言えないけど
この残業って違法だべ?
アイルランドの労務に詳しいやつがしたり顔で言うには(つまりマユツバで聞いてほしいということ)、アイルランドでは週48時間以上の仕事は禁じられているそうです。違反者には雇用主・雇用者とも3000ユーロだかの罰金が科せられるそうです。
月曜日はバレンタインデーでした(おいおい、次のネタに入ってないで寝ろよ…と自分に突っ込む深夜12時。明日朝の6時30分に起きなきゃいけないのに。…そう、もう自棄になってます)。で、この月曜日、彼女のいない負け犬日本人男2名と市内で夕食をともにをすることに(「負け犬」はあくまで冗談ですよ)。
で、向かったは男のうちのひとりが常連のParnell Streetにある某韓国料理店。月曜日だというのに、カップル等で完全に満席。考えてみると、この韓国料理店で食事というのはまあ安上がりでいいですが。ともあれ、席がない。諦めて帰ろうとすると、ウェイトレスさん(推定中国人)が私たちに
ウェイトレス:「焼き肉?」 友人:「いや、ビビンバ」 ウェイトレス:「だったら2件隣りの二階にいくあるよ。レストランあるあるよ」
ほいほいと向かったところにあったのは、怪しげに中国語でかかれた看板。先日のMoore Streetの中国料理店といい、またこのパターンかよ。このParnell Streetもチャイナタウン化してきており、中国語でかかれた看板があちこちに目につく。ともあれ、行ってみると、そこは完全にアパート。ドアには部屋の番号が書かれている。で、そこに行くと、従業員と思われる女性が
女性:「ここ」
と指をさす1号室。
行ってみると、そこには4つのビニールのテーブルクロスのかかったテーブルが。二つには中国人がすでに陣取っており、もう一つではウェイターと思われる男性が、銭勘定の真っ最中。で、テレビでは中国版の紅白歌合戦と思われる番組が放映中。そう、趣は行ったことはないけど中国の安食堂。
ウェイター氏:「(何やら中国語)」 私:「へっ?」 ウェイター氏:「(何やら中国語)」
…まさか英語、話さないの?
で、メニューを見ると、
…中国語でしか書いてない(素泣)。
別のウェイター氏がやってきて、注文を取る。
友人1:「ビビンバ!」 ウェイター氏:「ほい。ビビンバね」
へえ、ビビンバって言っても通じるんだ。
友人2:「烏龍茶ある?」 ウェイター氏:「ない」
へえ、烏龍茶って言っても通じるんだ。
私:「回鍋肉(ホイコーロー)」 ウェイター氏:「回鍋肉ね」
…通じたよ。
味のほうは…まあまあでした。30人で30ユーロと安かったので文句は言いませんが。
…ちゅうか、コンピュータの前で一瞬眠ってしまったので寝ます。
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2005年02月12日(土) |
週末スペシャル:また出入り禁止場所が増えた...Sony Plaza |
今週更新を怠ったお詫びに日ごろの3倍の分量の日記(いつもなら3回連載にするものを一気に連載)します。お茶でも片手にのんびりおつきあいくださいませ。
会社から、ほんのささやかなボーナスが出ました。
Liffey Valleyショッピングセンターの商品券300ユーロ(4万円)。
日本の「ボーナス」からは考えられないせこさですが、ま、ないよりマシです。で、使い道を考えた挙げ句に…
そうだ、ステレオを買おう。
MP3だか、iPodだか知りませんが、そんなもんが大流行している世の中にステレオっちゅうのもアホですが、でもいいのです。私は自分の部屋でくらいいい音で音楽を楽しみたい…そう思い、300ユーロの商品券を握りしめ、Liffey Valleyショッピングセンターの電気屋Dixonsへ行きました。
Liffey Valleyショッピングセンター内にあるDixons、売場面積が狭いこともあり、ステレオのコーナーは貧弱。しかも、どちらかと言うと(死語ですが)ラジカセといったほうがいいような安っぽいものしかない。私は純粋にいい音が聞きたいのに、これじゃあ何にもならない。しかも、なんでいまどきどの機種にも必ずダブルカセットがついてるのよ?
そーんなこんなで、「だめだこりゃ!」と帰ろうとすると、別の店が目についた。それは、Sony Plaza。その名の通り、Sonyばかりを扱っている直販店。値段はあまり安くないが、少なくともサービスはいい…らしい。そこに行くと、ふと目についたものがある。
これ。CDとラジオしかついていない単純な作り(テープがついていない珍しい機種だった気がした)。試聴したところ音もいい。値段が379ユーロ(51000円)と予定の範囲内。まあ、ちょいと店員に聞いてみるかと、値段が同じくらいで、5連奏CDプレーヤーがついて、カセットもついて、ちょっとごちゃごちゃしたものを指さし聞いてみた。
私:「これとこれ、どっちを勧める?」 店員: 「こっちのほうが、スピーカーが大きいね」
…出た。何も知らない店員。聞いた私がチンパンジーでした。私が聞きたかったのは、「こっちのほうにはXXという新しい機能を使っていて音がいい」とかそういうことなのよ。スピーカーの容量など値札の脇に書いてあるから言われんでも分かるわい!まあ、諦めず…
私:「他には?」 店員: 「うーん、こっちのほうが、デザインがすっきりしてるね」
…見れば分かります。確かに前面はこの上ないすっきりしたデザインで高級感がある。ともあれ、この程度の知識でいいなら、私も明日からここで仕事ができるな。これ以上の会話は無駄と思い…
私:「じゃ、これにするわ」
…と、このシンプルで音のいいステレオを買うことに。昔はアキバを一日足を棒にして歩いていいものを探したりとかしてたのに、今じゃ、こんな感じで比較も何もせずに衝動買いをしてしまいます。自分でも変わったなあと思います。
で、店員は倉庫から在庫を持ってきて、
店員:「毎度ー」
日本だったら箱に紐をかけたりして持ちやすくしてくれたりしますが、アイルランドではそういうことを期待しちゃいけない。閉店10分前で人気のなくなったショッピングセンターの中を箱を抱えて帰りました。
30分後。自宅。
箱をわくわくしながら開ける。簡単なセッティングでスピーカーなどを接続して、CDを入れる。
再生できないよ。あれ?
いろいろ試したが、ダメ。どうやら、自慢の前面のパネルはどうやら、初期不良で作動しないようです。
翌土曜日の朝、片道30分の道のりを厭わず箱を抱えて店に戻る。店員は、箱を抱えた渡しを見つけて露骨に嫌な顔をするが、駄目だよ。逃げられないよ。…と店員をひとり捕まえる。一通りの点検の後…
店員:「こりゃ初期不良だね。(他の店員に向かい)在庫があるから持ってきて」
と、新しい商品と交換。私は、まあ何も言わずに交換してくれたんだし、いいやと思って自宅へ戻る。…甘かった。5年もアイルランドに住んでいながらこの詰めの甘さ。
話は数日後に飛びます。数日後にお気に入りのLeonard CohenのThe Futureというアルバムを本体に入れた時に事件は発生。まず、本体にCDを入れたとたんに、異音が発生。さらにはミョーな電子音が聞こえてきます。そしてディスクを読みはじめるまでに通常の数倍の時間がかかり、1曲目の演奏が、あたかも傷だらけのディスクを入れたかのように飛ぶ飛ぶ飛ぶ。
ありゃ、ディスクに傷を入れたっけか…。
と、別のディスクを入れてみると正常に再生される。ふん、どうやらディスクの異常らしい…とその場は理解。
ところが翌日、別のディスクを入れたところやっぱり1曲目が音飛びする。
…また不良品か?
よくよくディスクを確認してみると、確かに全くキズがないとは言わないけど、再生に問題があるような傷とは到底思えない。実際に別のプレイヤーにいれてみるとちゃんと再生できる。
というわけで、翌日の木曜日、私は再びSony Plazaへ。
で、Sony Plazaい着いても私の存在は無視。他にだーれもお客がいないのに、私が箱をかかえて店に入ってきても無視。どうやら私は神経質なヘビークレーマーな客…という扱いになっているような気がする。…俺が何をしたというねん。こっちは全然悪くないのに。
で、店長とおぼしき人間を捕まえて状況を説明。Leonard CohenのThe Futureというアルバムも持参。で、実験開始。
ディスクを入れても異音はしない。CDもフツーに再生される。ただひたすらに、大音量で流されるLeonard CohenのThe Futureという暗い曲(ちなみに、個人的にはこの曲大好き)。その後、30分にわたりいろいろ試すが本体は全く正常なり。そう、症状が「たまに起こる」という最悪のパターン。私もだったら設置場所が悪いのか…などと考えはじめる。コンピューターの隣りだし、もしかしたら設置場所がわずかに傾いているのかもしれない。もしかすると、電源の供給に問題があるのかもしれない。そーんなことを思いながら、すごすごとその場は引き下がる。
自宅に戻ると
やっぱりおかしいじゃん。
私:「おーい、ひでかすー、お前のデジカメ音声付の画像が撮れたよな。ちょっと貸してくれ」
と、ひでかすのデジカメを使い一部始終を撮影し、それをCDに焼いて証拠物件として持参することにする。
本体を3たび箱に詰めて日曜日にSony Plazaへ。何でもいいけど、ここに来るための往復1時間の運転という労働と、ガソリン代はいったいどうなるんだ?セコい発想といわれればそれまでだけど、ことこういう自体になるとそういうせこい発想が頭をよぎる。
で、4度目になるSony Plaza。もう完全に店では有名人扱い…のような気がした。被害妄想だろうけど、私が店に入った瞬間に店の空気が変わった気すらした。で、そんなことを気にしても仕方ないので一番気の弱そうな店員を捕まえる。
店員: 「2度目の返品?」 私:「私のせいじゃない!で、前回ここで症状が出なかったから、CDに焼いてきたよ」
…店員がそのディスクを入れたのはポータブルDVDプレイヤー。…んなもんじゃ、再生できないでしょ。あんたんとこは、VAIOというコンピュータを作ってるでしょうが。…案の定
店員:「再生できない」 私:「だから、Mpegファイルだと言ってるでしょうが!」 店員:「んじゃ、信用するから。でも、2度目ということだし、一度、サービスに送ります。で、明日か明後日必ず連絡します」
…ってじゃあ、信用してないんじゃん。というツッコミは置いておいて、まあ、これは私にとっては妥当な決断だと思った。悲しいかなもと某大手家電量販店で数年バイトをしていた私。「返品詐欺」なんかの実例を見てるから、まあ、2度目の不良品ともなると、確かにメーカー送りにするという判断は妥当な気がする。というわけで、月曜日か火曜日に必ず連絡をするという確約を得てその日は引き下がる。
この話を自宅でひでかすにすると、
ひでかす:「お前バカじゃないの。そんなの店の都合じゃん。さっさと返品なり交換してもらえよ」
と怒られた。…言われてみりゃその通りだ。自分で言うのもなんだけど、ことこの件に関しては私は完全にお人好しだったな。
で、皆様ご賢察の通り火曜日までに連絡はありませんでした…アイルランドの常識に照らして考えれば当然ですね。でも、私はこれでキレた。商品はダメ、接客もダメダメならもう救いようがないじゃないか。というわけで、木曜日の昼休みに店に行って(5回目)前回私の接客をした店員のところに直行。ちなみに、他の店員はほとんど客もいないのに私が店に入るなり急に忙しくなった。
私:「いったいどーなってんの?」 店員:「え、どーなってんのって、ちょっと待って、調べるから…ええと、ええと、えへっ、まだ、サービスから連絡がないね」
私は大声を出したりしても仕方ないので抑え目に、でも怒りを込めて
私:「あんた、遅くとも火曜日までに絶対に連絡するって約束したじゃん」 店員:「サービスだって忙しいんです。そこを理解してもらえないと困ります」
…逆ギレですか。
私:「サービスが忙しいのは分かった。でも、それは問題じゃあないんだよ。あんたが火曜日までに絶対連絡するって言ったんでしょうが」 店員:「だから、サービスが忙しく」 私:「あのね、そこを問題にしてるんじゃないって今問題にしてるのは、あんたが約束を守らなかったこと。商品は欠陥、店員は約束を守らないんじゃあ、いったいどこに救いがあるわけ?」 店員:「分かりました。今夜6時までに必ず連絡します」 私:「どうやって信用しろと言うわけ?」 店員: 「私を信用してもらうしかありません。私の名前において責任を持って連絡します」
…妥協して引き下がることにした。
で、午後6時まで待ちましたよ。連絡はありませんでしたが。こりゃ、次回はカウンターを叩いてケンカしなきゃ駄目かな…なんて思いつつも、もう待てないから退社。クルマののドアを開けようとした瞬間、ケータイが鳴る。時刻は午後6時10分。
店員:「連絡が遅くなってすいません」 私:「…今から行くから」
15分後。6回目の訪問となるSony Plaza。いい加減、書くのも疲れてきたな。
店員:「初期不良であることが判明しました」 私:「どこがどうおかしかったの」 店員:「ええと、あのー、そのー、詳しい情報はまだ入ってきてませんが」
お前、実はサービスから連絡がないけど、見切り発車で初期不良扱いで片づけようとしてるだろ。
店員:「つきましては、交換…ああ、でも2度目ですから、別の商品に交換しても…」 私:「ここ、Sony Plazaだよね」 店員:「そうですが…」 私:「もう、Sonyは買わないから…悪いけど返金して」 店員:「……………わかりました」
そりゃよほどの運が悪かっただけとは思いますが、でももうSonyは買わないことにします。店員の対応も結局合格点をつけられるような代物じゃあなかったし。
で、返金は、どうやら、ショッピングセンターの商品券を発行するのが面倒らしく、商品券分300ユーロも含めて全額、クレジットカードに返金してくれました。つまり、言い方を変えれば、商品券を満額まんまと現金化に成功したわけ。別に狙ってそうしたわけじゃなくて、結果そうなっただけですが。で、気がついたんですよ。この商品をネットで検索して。
この商品、イギリスでは200ポンド(36000円)で売っている。アイルランドの379ユーロ(51000円)よりはるかに安い。
まんまとお金の入ったクレジットカードを握って、今度の休み当たりに北アイルランドに行こうと画策してます。…でも北アイルランドくんだりで商品を買って不良品だったらどうする気なんだろうね…一体。
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