「君が心をくれたから、こんなに悲しいの?」
タカチという人がいました。 彼に言われた事で今でも覚えている事があります。 「それが、君のおもしろおかしく生きる方法なんだ?」 社会に押し出される一年くらい前、 前後半90分が終わり、延長後半が始まった頃です。 僕は自分が何の仕事をするか皆目見当がつかないまま 漠然と毎日を過ごしていた。
当時の僕は学費を払うべく、随分と稼ぎの良い仕事に従事していた。 その為、学費を完済してしまうと、経済的に非常に豊かになり 毎日の様に安居酒屋で日本酒をあおっていた。 恐らく何かから逃れようとする様に
僕は、時折、今やっているような仕事も引き受けていた。 何となく自分に合っている気がしたが、 まさか一生の仕事に出きるとは思わなかった。
タカチから聞かれたのは、そんな最中だった。 「就職どうすんの?」 何気なく聞いたのだろうけど、僕にその事を聞いたのは、彼が初めてだった。 僕は苦し紛れに、今、やっている仕事をやりたいと言った。 そして、最初の一言に戻るのである。
どんな決断も、行動も、元になる気持ちが必要。 僕にとってそれは「毎日を面白おかしく生きる事」になった。
毎日、身の回り5mくらいが楽しいように、 自分の回りに絶えず笑顔が溢れているように。 この時期になると思い出す事。
今日も取引先のビルを出て、空を見上げ思い出す。 大丈夫、僕はここで、上手くやってる。
出会ったのは、随分と昔の話 季節が変わるように、当たり前に君に出会った
僕たちは、最初、ぎこちなく そして、少しずつ打ち解けて行った 君に惹かれ始めたのは、その時だった
あなたに恋人がいる事を知った時、僕はあまり傷つかなかった 僕の気持ちをあなたに告げる事はないと思っていたし、 これは僕の心の中だけの問題だと思っていたから、
僕の胸が痛みを感じたのは、 もう君と時間を共有できなくなるという時だった いつも通りの顔で、 いつも通りの言葉で、 いつもと同じようにあなたを見送り、 そして、僕はその事にも心を引き裂かれそうになった それでも僕は何も君に告げなかった
もう嘘をつくのはやめにしました その方が上手く行くからという理由で 結論から逃げるような嘘を自分につく事をやめました あなただけを見ています あなたにだけ聞こえる声でしゃべります あなたを抱きしめる為だけに、僕の両腕はあるのです
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