身の回りで起きた事故や事件には大きく騒いで、
遠くで起こったことには、
ああ、そうなのか、ぐらいの反応。
頭で考えた感情でしか、表現できない。
自分に関係がある、と認知するかどうかが、ポイントのようで。
なんだかさびしいな。
ドラムを一人で叩いてたら、
練習室に小学校低学年ぐらいの女の子が入ってきた。
どうやら、ピアノのレッスンの合間に、部屋からもれる音が聞こえたみたい。
叩きたいの?って訊くと、ううん、見てるだけでいい、だって。
少し叩いてみせると、ものめずらしそうに、つっ立っている。
わたしのお兄ちゃんがドラムをやりたがってるの。手がすごく早く動くの。
あなたもできる?
言われるがままに、
モーラー奏法(だと思ってる)で高速トリプレッツのアクセント。
悪くないわね、だって。
君も叩いてみる?簡単だよ、叩けば、音が出るんだから。
そうそう、上手い上手い。
悪くないわね。でも、まだまだよ。
つよく叩いたり、よわく叩いたりするところがわからないもの。
ピアノもドラムもおんなじね。だって。
きみもドラム、やらないの?
やってみたいけど、時間がないの。忙しすぎるわ、だって。
じゃあ、そろそろいくわ。
じゃあね。
アメリカの子供は堂々としてやがるぜ。ちくしょう。
もう、びっくりするぐらい、やる気がない。
潔く、正直に、いかんと、ねぇ。
アメリカまで来て、俺は何をやっとるんだ。
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