★今邑彩。 『鋏の記憶』

連作短編集。
表題作は、文字通り鋏の持っている記憶を、過去からたぐり寄せる。
つまり、「残留物感知能力」を図らずも持ってしまった少女を
サイドに、物が持つ記憶を辿って、思わぬ真相を探り当ててしまう。
しかし、この特殊能力がメインディッシュではない。
あくまでも、その真相を探り当てる過程が中心。
だから、お話がべたべたしていない。
しかし、この少女もたぶん、その能力について考え、自分探しの
旅に出ることがあるだろう。そんな長編を読んでみたいと思う。
2001年06月27日(水)
☆松谷みよ子。 『アカネちゃんとなみだの海』

モモちゃんシリーズの完結編。
小さいモモちゃんが書かれてから、完結の第6巻まで、実に30年もの
月日が流れている。
最終巻で、松谷みよ子さん本人の完結のあとがきが書かれていて、
それを読んで初めて、ああこれはこういうことだったのだ、本当にあった
ことなのだ、ということを知った。
前回の「小さいモモちゃん」の感想で、子供心に「親との別れ」ということ
をどう受け止めればよいか、わからなかったと書いた。
モモちゃんもアカネちゃんも、ちょっとずつ成長しながら、そのことを
考えていく。読者といっしょに。
5巻「アカネちゃんとお客さんのパパ」の巻末で、ムスコが大好きな
童話作家の寺村輝夫さんが解説を書いていて、それも考えるヒントに
なった。
大団円、みんながシアワセになってハッピー、という話ではないにも
かかわらず、心を捉えて離さない、そんなオトナが読んでもいい童話だ。
2001年06月26日(火)
★加納朋子。 『月曜日の水玉模様』

またまた図書館本。
連作短編集だが、なかなか楽しく読めた。
題名が月曜日から日曜日まであって、それぞれ4字熟語?でまとめる
お遊びもいい。
主人公はキャリアウーマンなので、出来過ぎてちょっと感情が入り
にくいかな(笑)まあ、これは個人的な見解。
脇役の荻くんのキャラが、とぼけてるようでよく見ていて、いい味を
出して、バランスをとっている。
好きなのは、『土曜日の嫁菜寿司』のエピソード。
そして、『木曜日の迷子案内』の、この一言。
「大事なものは、手を放しちゃいけない。絶対にいけない」
2001年06月25日(月)
ムスコの購入本。

先日出たばかりの『世界遺産ふしぎ探検大図鑑』と
学研のニューワイド図鑑『恐竜』を買った。
『世界遺産』の方は、以前テレビのCMでやっていた
ときからほしがっていた。
まあ、男の子の好きそうな図鑑だ。
おもhしろそうだから、また見せてもらおうっと。
コナンのビデオもついてたし(笑)
で、この11月には21世紀こども百科『宇宙館』も
出るらしい。
・・・・これも買わされるんだろうな;;^^)
もちょっと安くしてくだされ〜〜〜○ガク館さま。
2001年06月24日(日)
★北村薫。 『月の砂漠をさばさばと』

北村薫&おーなり由子、ときたら手にとってしまう。
その本は、さりげなくちんまりと、図書館の本棚におさまっていた。
イラストそのままの、気取らない何気ない日常。
さきちゃんとおかあさんの過ごすそんな時間が、なぜこうもうらやましく
思えるのだろう?
北村薫さんが言われる「たて(親子)のつながり」が「よこ(友だち)の
つながり」により近づいているということ、そのへんにヒントがあるようだ。
自分が今親であることよりも、かつて子どもだった自分を回想している。
ひそかに重ね合わせるのは、自分とさきちゃん。
「ふふふ・・・」と笑いが漏れてくる、小さなシアワセの確かな手応え。
・・・・さきちゃんのおかあさんみたいなおかあさんになれたら、いいな。

というわけで、お気に入り『ほんだな』に追加決定!
2001年06月23日(土)
★鯨統一郎。 『なみだ研究所へようこそ!』

サイコセラピストが主人公だが、語り手は新米の松本くんで、
解決?するのは伝説のセラピスト、波田煌子。
うーん、これはユーモアミステリなのか・・・・
どうもいまひとつこの主人公たちになじめないで終わって
しまった。残念。
確かに謎の解決の仕方は、目からウロコものだし、殺人が
出てこないのはいい。心理学のこともいろいろわかるし。
が、いささかこじつけぽいというか、どこからどこまでがユーモア
なのかウロウロしてしまう。
そ、そうか、それが二階堂黎人さんが解説している「不条理」
なのか・・・ううん、でもそういうのちょっと苦手。
なにせ頭が単純に出来ているから。
・・・キャラクターは良いのだけど。う、うまく言えない。
最後のさいごだけ、ちょっとうふふ。
2001年06月22日(金)
図書館で借りた本。

今回の図書館本は、閉館まぎわにいったのでゆっくり見られず、
ちょっと少な目。

 『月の砂漠をさばさばと』 北村薫
 『鋏の記憶』 今邑彩
 『月曜日の水玉模様』 加納朋子
 『小さいアカネちゃん』
 『アカネちゃんとなみだの海』 松谷みよ子

童話モモちゃんシリーズの4〜6巻を借りるつもりだったのに、5巻がなく
探しきれなかった。
しかし、とりあえず4巻と6巻を借りて帰ってから、あらためて巻末の
あらすじを見ると、物語の展開上、どうしても5巻を飛ばして読むこと
ができない、ということがわかった。
やはり、順番通りに読まなくては・・・・
このシリーズは、文庫でも出ているらしい。買ってしまうかも?
2001年06月21日(木)
By ちゃいむ

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