★近藤史恵。 『この島でいちばん高いところ』

ここんところ、勝手に近藤史恵さん強化月間なのだが、初めて読んだ
「カナリヤシリーズ」とはかなり雰囲気を異にしている。
無人島というテーマで競作されたものらしい。
ページを繰って大変驚いたことは・・・・「字が大きい!」
つまり、文庫本一冊の形をとってはいるが、その字の大きさ、行間の広さ
などで、中身は「長すぎない短すぎない中編小説」ということなのだ。
内容は、無人島に渡った17歳の少女5人の物語。
ミステリと言っていいかどうかはわからないが、どうもこの年代の主人公に
なじめない自分がいる。
これは、嫉妬か。それともあせりか?
遠すぎて、もう見えない過去。いったい、あの時ワタシは何をしていた?
大人にかわる瞬間なんて、ホントにあったのだろうか・・・。
自分にとっては透明すぎて逆に不透明なこの時代を、どこかヒトゴトのように
とらえている・・・。
過去確かに自分も17歳だったのに。
「ひたむきで、意地悪で、なんだか曖昧で、そうしてひどく刺々しかった」
のだ、きっと。

おばさんのワタシは、最初からエピローグの中にいたのかな;;^^)



2001年10月06日(土)
◆風翔る国のシイちゃん。(コミック)

友人に「これいいよ」と貸してもらって読んだ。おもしろかった!
作者は中田友貴さん。
コミックそのものは10年くらい前のものだが、去年一冊にまとめた本が
新しく出ているようだ。
遊牧民の口のきけない男の子が、ある日女王に頼まれて、世間知らずの
ゴーマンなお姫様、シイちゃんのところに「買われて」やってくる。
次々に騒動を引き起こすワガママムスメのシイちゃんに振り回される
彼やお城の回りの人々が、可笑しくてしょうがない。
それでいて、ほんのりあたたかい空気。
ハッピーエンドでも成長モノでもお涙頂戴物でもない、不思議な雰囲気は、
たびたび姿を現す風や、雨や、雷などの精霊達のせいかもしれない。
そして、女王様かわいすぎっ!
まだまだ続編ありそうな気配なんだけど・・・これで終わりなのかなあ?
2001年10月05日(金)
★殊能将之。 『ハサミ男』

メフィスト賞受賞作、たくさんのオススメも受けて、期待込めて読んだ。
感想は、感想は、感想は・・・・ああっどう書けばネタばれにならんの?
(苦)
最初の謎が、複線とともに早くから解けてしまったのが、ちょっと
残念だった。最近は、かなり用心深く、しかも疑り深いときているので
・・・さらに、似たようなどんでんをちょっと前にくらった経験も
生きた(?)。
しかし・・・その後は、おったまげたけど;^^)
それにしても、日本の警察はなんて優秀なんだ。

ひとつ勉強になったこと。
プロファイリングと言う仕事は、犯罪者の異常心理を探るみたいな
ことだと思っていた。全然違った。
犯罪心理分析官は、犯罪者の「外見」を絞り出すのだ。ううーむ。
えっそんなん常識?

それにしても・・・「ハサミ男」怖すぎる。
2001年10月04日(木)
★鯨統一郎。 『邪馬台国はどこですか?』

ここでにっきの間があいた言い訳はよそう(爆)。
鯨統一郎さんの、一番有名でセンセーショナルな一品。
これを最初に読めばよかった、と思う。
歴史の謎解きものは嫌いではないが、ともすると難しすぎて
肝心の資料のところなどを読み飛ばしてしまうことも多い(大汗)。
しかし、これは今まで読んだのとは毛色がまったく違う。
わかりやすく、テンポのいい会話に引き込まれて、思わず
「ほんまにそうやったんかもしれへん・・・・」という気になる。
(騙されやすい→松永さんと同化している自分)
たぶんそれは、実際の史実や研究されていることを知らないがゆえに、
あるいはちょこっとだけ知っているがゆえに、
よけい信じさせてしまうパワーがあるのでは、と思う。
ここまで言い切ってオチまでつけてしまう、「宮田さん」の説、
通用するような気がするが、本当のところはどうなのだろう、とまた
歴史への興味も誘ってくれる。
おしいのは、三谷教授の影が少し薄いことか。
まあ、静香女史がキョーレツすぎるのかもしれないが。
あと、たいへん惹かれたのが、セリフとともに印象的に登場してくる
おつまみ!!!食べたいぞ、カシスシャーベット♪
それからそれから、HP「宮田六郎の歴史エンターテインメント館」
ぜひぜひ行ってみたいものだ・・・・
2001年10月01日(月)
◆『MONSTER』vol.17  浦沢直樹。

『MONSTER』も、とうとう17巻に突入した。
漫画賞もとっており、面白いとすすめられて数巻前までを一気読み
したが、その後は連載のペースでぼつぼつ出るので、コミックしか
読まないワタシはその世界の記憶を呼び戻すのにちょっと苦労する。
長く続くと人間関係も複雑、場所も世界をまたにかけているので
最初のページのあらすじと人物関係図ははずせない(笑)。
ストーリーは、天才医師の主人公が、その腕をふるってかつて助けた
少年が殺人鬼になっているらしいと知って、彼と彼の秘密を求めて
世界中追いかけて回るストーリーだ。

うれしかったのは、この17巻の最後に、どうやら次巻が最終回だと
いうことが書かれていたこと。わーいわーい。
知らないウチに、連載も終わっていたらしい・・・・;^^)
すべての謎が明らかになる。待ち遠しいぞ!
2001年09月27日(木)
ドラマ。『坊ちゃん殺人事件』

内田康夫の浅見光彦シリーズ、こちらの局では沢村一樹さんが浅見さんだ。
コンスタントに作品が出るので、テレビ化にはうってつけだ。
しかも、他のサスペンス劇場シリーズものにも多い、旅先で事件に
巻き込まれるタイプだから、旅行気分も味わえる(笑)。
今回は「坊ちゃん」なので、舞台は四国・松山だ。
例によって例のごとく、ストーリーなどはすっかり忘れている;;^^)
ワタシにとって、犯人やトリックがどうこう言うよりは、浅見さんの相手役が
誰で、「水戸黄門の印籠」シーンがどうでるか、ということの方が気になる。
(これでもファンか)
刑事役の役者さんは難しい名前で忘れたけど、いい味を出していた。
副署長さん(いつもだいたい手のひらを返す役;^^)も、いつもは
小難しい顔の役をやっている方だったので、楽しかった。
浅見さんの相手役は、戸田菜穂さん。うーむ・・・
「ショムニ」みたいな役の方が好きだなー。

最後まで犯人を思い出さなかった(笑)
ごめんね、内田先生。
2001年09月26日(水)
小野不由美。 『黒祠の島』

記憶を辿りながら(笑)。
土曜日が図書館の期限で、もう返却してしまったので手元にないのだ。
ここにあれば、いろいろ感想をかく参考にもなろうというのに。
ストーリーは、題名そのものの「孤島もの」。
閉鎖された土地、、村人のよくわからない結束、謎のしきたり、変なお屋敷。
ありがちなこの設定が、どう料理されるのか興味があった。
主人公が少しずつ謎を解きながら・・・という過程、ちょっとリアル。
たぶん本当の個人捜査なら、あれくらい試行錯誤して無駄な動きや無駄な
考えを張り巡らせる。
それが、読者としてしんどいのは、修行が足りないせいか。
そして、主人公はなぜこれほどまでに真相にこだわるのか・・・彼がクールな
だけにちょっと見えにくいかな。
後半は息もつかせない。
トリックにも、うなった。
最悪の結果になったらどないしよ・・・とドキドキしたが、最後に救われた。
・・・って、ストーリーの内容に安堵するワタシ;^^)
2001年09月25日(火)
By ちゃいむ

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