★篠田真由美。 『月蝕の窓』

なんと美しいタイトルだろう。
その意味も本当はとても優しいものだったのに、いつどこで何が狂って
しまったのだろうか?

今回、今まで謎が多かった京介の過去に触れる部分がいくつか出て来る。
それは全然具体的ではないが、かなり過酷なことらしい。
そして、自嘲し孤立するような態度をとる京介を、なんだかんだうるさく
言いながらもさりげなく包み込むヤツ・・・深春。
本来のストーリーとは別に、この二人のやりとりに心奪われた。
神谷悠さんの漫画「迷宮シリーズ」に出てくる、京と山田くんの関係に
少し似ている。(京と京介の性格も少し似ているし)
違うのは、山田くんはストレートだが深春はちょっとクセ球だ;^^)
「なにをごちゃごちゃ言ってんだよッ」とワタシを叱って〜〜(爆)

それにしても、こんな結末は予想していなかった。
その動機には、目が点になった。

最後に。
『トラブルのない人生は退屈』(by栗山深春)
2001年10月20日(土)
やっと図書館に行けたけど。借りた本5冊。

平日で、おこちゃまの稽古事の関係で、図書館についたのは5時半。
閉館時刻は、6時;;;^^)
三人とも、ものすごい勢いで入り口で別れた(笑)。
時間を気にしながらって、本を選べない。
「あのひとがオススメしてくれたのなんだっけ・・・」「借りようと思ってた
本の名前は・・・」これが、あせって思い出せないんだな、なぜか。
ぎりぎりまでねばって、借りた本は以下の通り。

「御手洗潔の挨拶」←前回より延長持ち越し;^^)
「ねむりねずみ」←以前借りたが読めず、再挑戦
「珍妃の井戸」←「蒼穹の昴」の続きらしい・・・
「どんどん橋、落ちた」←このタイトルが気になっていた
「魍魎のはこ」←はこって漢字どうやって出すかわからん

今回欲張ってすべてハードである。
ハードというだけで、プレッシャーがある。読みづらい。
・・・・ピーンチ!(自分で墓穴掘ってどないすんねん)
2001年10月19日(金)
★近藤史恵。 『凍える島』

鮎川哲也賞受賞作らしい。
つまり、デビュー作というわけだが、ワタシはここに来るまでずいぶん
回り道?をして、他の作品から読んで行ってしまったようだ。
(いつもそんな感じ)
自分的にはかなりオススメの「カナリヤシリーズ」とはまたまったく
雰囲気を異にしている。
・・・というか、どっちかといえばこちらの雰囲気の方が主流なのか。
これは、やっぱりミステリ?
そうに決まっている、孤島、連続殺人、お膳立てはそろっている。
なのに、これはひょっとして恋愛小説なのではないか。
そちらの方に気を取られて、読んでいるウチに誰がどうなのでも
よくなってきた。
一風変わったように見えて、日常の中の危うい部分を惜しげもなく
出す登場人物達。
一番普通っぽい人が、いやなやつに見えるのは、ワタシも白い霧の中
惑わされているのか。そして、それはたぶん自分に似ている。
前回読んだ「演じられた白い夜」とかなり似たシチュエーションなのに、
こちらの「凍える島」は断然寒い。夏なのに?
結末にさらに愕然。どこか絵空事なのに、やっぱり恋愛小説だったのだ。
2001年10月17日(水)
図書館が休みだった(泣)

ちょっと長いこと休みがあったので、ご無沙汰だった図書館。
あさってが返す日だったが、おこちゃまが休みのウチに
一緒に行って本を選ぼうと、出かけていった。
もちろん、出かける前に一悶着。
我が図書館は、一度に何冊借りてもOK、期間は二週間。
おこちゃまも借りたいだけ借りるので、二週間たっていざ返す段になり
「何冊借りたかわからない状態」に毎度毎度陥るのだ。
その都度、記録していけばいい、と毎回思う。
だが思うだけ(笑)。
かくして、図書館に行く前には、ワタシの怒号がひびく。
「何冊かりたん!」
「足りないのはなんて名前の本なん!」
「どこにおいといたん!」
「はよ探さな、図書館のブラックリストにのるで!(オオウソ)」
・・・・やっぱり、ワタシ鬼母?
さりげなく自分の図書館バッグをのぞき、「こ・・・これだけやったよな・・・」と確認する。
そんなすったもんだの後出かけていった図書館が休みだったのだ・・・・・。
大ショック〜〜〜!
2001年10月14日(日)
★近藤史恵。 『演じられた白い夜』

いわゆる、「孤島もの」。
それに演劇、雪、古い別荘、エキセントリックな登場人物達。
この言ってみれば見慣れたシチュエーションが、見事に料理されている。
不思議な奥行きを持たせているのが、主人公の夫であり演出家の匠。
作者が彼に話させる大阪弁が、なぜこんなに心地よいのだろう?
演出家らしい演出家だと思うのに。
それは、やっぱりワタシが関西人だからだろうか?
主人公の麻子との絡みも、なぜか冷たくない。
劇中劇と現実の殺人が微妙に交錯して、物語は進む。

今回ほおおと思ったのは、演劇の俳優さん達の稽古はこんな感じなのかな、
というところ。
「緊張と弛緩」を身体に覚えさせることで、自分の身体の動きを知る。
だから、みんな立って歩いているだけでも美しいのか。
うーむ、なるほど・・・。
2001年10月12日(金)
給料日前なので。

給料日前で、自分のお金が自由にならない。
(つまり苦しい)
本が買えないのがわかっているのに、長く本屋に行かないと、
「禁断症状」が出る(笑)。
いつも行くスーパーの付属の書籍売場はかすかすで、雑誌やコミックを
買うか、立ち読みくらいしか役に立たないのだ。
「行っても意味ないやん?どうせ買われへんのやし・・・・
指加えて通り過ぎるくらいやったらいけへんほうがましとちゃう?」
ココロの声は、本屋にふらふらと向かうワタシの頭の中で、ぐるぐる
回っている。
案の定、手元にもう少しお金を残しておかなければ・・・・という主婦の
宿命からは逃れられず、思った通り「指をくわえて」新刊&今度買う予定
の本をチェックするだけで終わった(泣)。
だって、ハード高いやん!!
「ささらさや」も「未練」も「幽霊刑事」も読みたい。
あっ浅見光彦また新刊出てる〜、でも前のやつまだ読んでない・・・・。
だめだだめだ。
目の毒だから、早く帰ろっと。
2001年10月11日(木)
★服部まゆみ。 『時のかたち』

毎日更新が信条のつもりだったが、はかない幻想と消えた(笑)。
ここのところ、ずっと凝っていることにかかりきりで、本はほとんど
片手間。あかんあかん;^^)
やはり、読み方によっても感想は左右される。
ゴハン作りながら数ページづつ読むのと、夜中にがーっと一気読み
するのとでは、作品への浸り方が違うのだ。

服部まゆみさんの作品は、『この闇と光』に続き、二冊目。
4作の短編と、「服部まゆみノート」というエッセイからなるのだが、
このエッセイがおもしろかった。(なんてやつ)
作品を読んだら、今度はその人の素顔に会いたい。それがエッセイだ。
ゲームにのめり込むところなどは、読んでいて可笑しい。

短編。どこか栗本薫さんの雰囲気に共通する妖しさ。
うまく表現出来ないが、余韻の多さ。うーん。
それは、時がテーマだからなのかもしれない。
2001年10月09日(火)
By ちゃいむ

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