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この頃、毎朝、母から電話がある。 本当のところ、うんざりしている。
でも。 事態をこじらせると困るのは自分なので なんとか付き合っている。 わけのわからない老人をなだめるのは 小さい子どもをなだめるのより、ずっと手がかかる。
夜中の見回りも相変わらず。 母が寝静まった深夜、こっそり(耳が遠いのでそんな必要もないのだけど)と 家に忍び込んでは火の点検。
12時頃に行く事が多いのだが 時々、母がまだ起きていることがあって そんな時は、2〜3時間経ってから出直す。 ところが。 先日は、二度めの巡回(3時半頃)にもまだ起きていた。 『まだ起きていた』のか、『また起きていた』のかはわからないが 布団も敷かず、部屋の電気は消して 読書灯の下で、なにやら予定表(カレンダー)に見入っていた。
もともと、母は大変な早寝で 夜9時頃には真っ暗になる家だったのに。 昼寝でもして眠れないのか、それとも・・・。 読書灯のもとで丸くなっていた母の後ろ姿が目に焼き付いて忘れられない。
あの家で、父と母と私と弟と、4人で暮らしていた時代があった。 母が家族と共に過ごした日々は 母の都合には関係なく、少しずつ変化を遂げて やがて母一人があの家に残ることとなったのだ。
耳もろくに聞こえず、することもなく 独りぼっちで過ごす長い夜は どんなに辛く寂しいものだろう。
母の姿を見て、自分の将来を思う。 それでも一緒には住めないと思う心境を よーく覚えておこうと思う。
母の入居先は、未だ決まらず。
久しぶりに、ぐっすり寝たら すごい夢を見た。
母と飛行機に乗り 大騒ぎと混乱を避けるべく、母の手をしっかり握る。 なんとかなだめようと頑張る私の横には 元パイロットの中年男性がいて そんな私の様子を心配して 私の手をしっかり握り、励ましてくれた。 そして 場面は突然変わり かずぴーのクラスの懇親会らしき場所で 他のお母様たちと上手くやっていこうと頑張る私と それを影で支えるべく、電話で相談に乗ってくれる友人。 そして 昔の同級生と、受験情報を交わし やはり、コネやその他、何かの伝手のある人は有利だと感じ 受験(自分のなのか、あやぽんのなのかは不明)に不安を感じる。
大雑把に言うと、こんな感じだ。 今の私を囲むごたごたが、すべて凝縮された夢だった。
こんなにコンパクトに、すべてを包括している夢なんて なんだか凄いと思ったが そんな夢を描き出しているのは、自分の脳みそなんだと気がついた。 創作力に優れているのか 夢の中でさえ忘れられぬほどに、悩みが大きいのか。 夢の中の、せめてもの希望の星は 私を支えようとする『元パイロット』なのに なぜに、ぱっとしない中年男性だったのだ・・・?
とにかく。 母の入居先を決めないと、私の生活の崩壊しそうだ。 母を、どうにか見学に連れ出したが 「場所が気に入らない」「匂いがへんだ」などと言って怒り出す。 「自分で探す」「建て売りを買う」と言うが ほとんど耳が聞こえず、痴呆が進んでおり、お金もないという現状を 本人はまったく自覚していない。 通帳とカードをなくして、銀行で再発行の手続きをしていても その手続きの煩雑さを嘆き、銀行の対応に怒るばかりで 自分が通帳他をなくしたという自覚がない。 「おまえが隠すから、こんなことになるのだ!」と私を怒鳴る。 住まいについても、私のせいで 今までの生活が維持できなくなりつつあると思っているのか。
本当に疲れた。 せめて夢ぐらい、もっと自由に楽しめよ>自分
2004年11月29日(月) |
息子の問題も片付かないうちに |
母の入所先を探す。
グループホームという所が、今の母の症状には一番良いという ケアマネージャーさんの助言に従い いくつかパンフレットを取り寄せて そのうちのひとつを、今日の午前中見学した。
とても明るく、感じの良い所で 担当の方々は 辛抱強く親身になって話を聞いてくれるタイプの方々だった。
私が行った時は、ちょうど、お歌の時間で クリアファイルに入れられた、大きな文字の歌詞カードを見ながら みなさんで仲良く歌っていた。 じ〜んせい、らっくぅあーりゃ、く〜もあ〜るさぁ〜♪
私も同席させてもらったが 隣の席のおばあさんが、途中で私に囁いた。 「まいにちまいにち、歌わされるからね、声がガラガラになっちゃったの。 ね?ガラガラでしょ?」 少しもガラガラではなかった。 歌いたくない人は、自室にいてもいいとのことだし。 うちの母に限らず、お年寄りは何かと文句を言いたいものらしい。
ただの文句なら、まだいい。
キャッシュカードも保険証も なくなったのが私の仕業だと言われるよりはずっといい。 一緒に住んでもいないのに かつ 足りないと言われるたびにお金を渡してもいたのに 一体いつ、何のために、私が持って行ったと思ったのだろう。
再発行の手続きに奔走しても ご迷惑をかけたご近所の方々に頭を下げ続けても 要求されたお小遣いを再三渡しても 母の不満と妄想は治まらない。 もう、ふつうではないのだから、と自分に言い聞かせても 「あ〜あ〜情けない。苦労して育ててこんな思いをするなんて」 と、大声で嘆かれると そして、私の説明がまったく耳に入らない様子を見ていると いい加減にして欲しいと思ってしまう。
プロの手が必要だ。 ほんの少しの余裕と笑顔で 驚くほど、諸々の関係が改善されるものだと実感している。
今日、見学に行った所に、早く入所できればいいなと思う。 それまで、まだまだ山あり谷あり。 少しずつ、私も学習しないと身が持たない。
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