カウントシープ
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無事手術が終わった。
予想よりも結果はもう少し悪かった。これから抗癌剤と放射線治療を行って、残っているかもしれない癌細胞をたたかなくてはならない。結構長丁場になることが予想された。
それでも相方が目を覚ました時には、ここは笑って元気つけてやらなくっちゃと思って、ぎこちなく笑った。大丈夫だよ、と声をかけて手を握ってサヨナラしてきたけれど、本当はもっと一緒に居たかった。
帰ってきて、応援してくれた友人達に報告をしたりしていたら、涙が浮かんできそうになったけれど、滅多なことでは泣かないボクは、やっぱり泣かずに、犬の散歩に行ったりしていた。
うんと夜に相方から連絡があった。其処ではいつもと変わらぬ口調で元気そうにしている相方があって、それを見たらとたんに涙が出てきて声を出して少し泣いた。
相方が入院したから、キングサイズのベッドは半分空っぽ。だと思ったら、それを見越して子犬がぴょんと飛び込んできた。普段ははいってはいけないと教えてあるけれど、今晩は寂しいから一緒に寝てもいいよね・・・とちょっと相方に内緒でベッドに入れた。
ボクは、自分も入院の経験があるので、入院しているときの心細さをよく知っていた。だから相方もきっと今頃心細くて、オマケに10時に消灯になってきっとまだ眠れなくて困ってるだろうなとか思いつつ、犬を抱っこして寝ていた。 犬達は、どうして相方が帰ってこないのか、不思議に思っているだろうな。普段はボクが仕事とかで夜も帰らなかったりするけれど、相方がいないときなんて、2年に1回くらい相方の里帰りの時期くらいだもの。
早く犬達と相方を会わせてあげたいし、どんな風に喜ぶか楽しみだ。
いよいよ明日は入院だ。 手術は危険の少ないものだし、これで死んでしまうことなど絶対ないのだけれど、何だか心がもやもやして、引っ付きあって眠るのだけれど、しっくり来ないままだ。
ボクは今、相方はきちんと治って元通りに生活ができると信じていて、だからまたなるべく誠実に生きていこうと思っている。全うにちゃんとやっていればそれなりのことが帰ってくると信じているし、世の中はそうなっていると思いたい。 でも、中には突然とばっちりを受けて死んでしまう人もいたり、殺されたり、実際の世の中ときたら、そんなきっちりとなっちゃいないことも本当は知っていて、それは遠い自分には起こらないことだと思っている自分がいる。
もし相方が死んじゃったりしたら、ボクは今までと同じように、神様に背かないように振る舞い、努めていくことができるだろうか。
ロビン
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