カウントシープ
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2005年02月23日(水) 共有すること

手術をして2週間、詳しい検査の結果が出た。

検査の結果はあまりよくなかった。
癌の細胞にもレベルがあって、8段階あるレベルのうち、8が最悪としてレベルは7、癌は周囲の組織を食い破って浸潤し、転移もしていた。もう全身に小さな目に見えない細胞がばら撒かれている可能性が否定できないこと、
どこかに流れ着いた癌の種子が、そこで餌付いて新たな癌を作りうること・・・

2週間後からは抗癌剤がスタートする。
その1,2週後に髪は抜けて落ちてしまうことなど、これからのスケジュールが解ってきて、急に現実感がやってきたのか、今までになくボクは思いつめてしまったのか、少し泣いてしまった。

泣いたのは相方と別れてすぐで、親しくしている職場の同僚(以前絵本をくれた)の顔を見たら、声を出して泣いてしまった。





何年も前、部活の後輩が、リンパの癌になって一年くらいかかって死んでいった。どんどん痩せていって、抗癌剤で髪も全部なくなって 点滴棒に骨ばった指を添えて病院の廊下ですれ違ったとき、元気だったときを思うとあまりの変わりようになんともいえない気持ちになった。

ボクはそれほど親密ではなかったし異性だったのもあって、ちゃんとお見舞いに行かなかった。

今ではお見舞いに行かなかったことを後悔している。

相方と一緒に病室にいて、訪れてくれた人達と話したりしたことはとても力になったから。お見舞いに来てもらったんだから、みんなが治るように思ってくれているんだから治るしかないじゃん、みたいな。

みんなが病気を共有してくれているのだ。死にかかわる怖い病気から逃げないで、一緒に心細さや恐怖を共有してくれている、そのことがとても力になると初めて気がついた。


2005年02月22日(火) 先生

しばらく忙しくて絵を描いていない。文章はもっと書いていないけれど、今の心境で何か書いたりできるかしら。
今日は仕事で家に帰れないけれど、明日は仕事が終わったら、夜『先生』の所に行く。二週間ぶりに会うけれど、先生に会ったら何を話そうかな。何を話したっていいけれど、話すほどにボクの正体がバレてしまう・・・

先生には会いたい気持ちと、会いたくない気持ちがいつもあって、それは先生が好きとか嫌いじゃなくて、ボクの中の・・・
理解されたいけれど、否定されたくないのかな。

先生は、傍に近づきすぎるとちゃんと逃げてくれるから安心できる。ボクもどちらかというと逃げるタイプだから、同じくらいの距離を保ったままの関係だ。

ボクの正体がばれて困るのは、ボク自身だ。
自分の中の汚いものが沢山あって、それを突きつけられることが怖いんだ、多分。


2005年02月21日(月) 体感温度

夜の散歩がとてもとても寒い。

寒いけれど、散歩には出かけるので、一番暖かいスポーツ用のコートを着て、フードも被ってマフラーもぐるぐる巻いて歩く。これで銀行に入ったら入り口でつかまりそうだけれど、一応フルフェイスや目出し帽じゃないから大丈夫か。

とにかくそんな寒い散歩に出かけるには多少の勇気が要るが、出てしまえばこちらのもの。歩いていると不思議と寒さも辛くないし、星は綺麗だし、空気は冷たくてぱりっとする。
犬達は喜んでいるし、ぴょこぴょこと跳ねるような足取りなんかみてると、散歩に出かけてよかったなと思う。
本屋さんを覗いて、マーケットで足りない野菜を買い足して、ぐるりと回って帰ってきて−

そして、家に入った途端。

耳が千切れそうに冷たいことを思い出して、ああ寒いっって思い出すのは不思議。


ロビン