カウントシープ
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2005年05月24日(火) |
エヴェレストとチョモランマ |
小さい頃は、世界で一番を覚えることが流行る。 世界で一番高い山は? エヴェレスト 一番長い川は? ナイル川 じゃ、面積が一番広い川は? アマゾン川
そんな会話の名残で、今でもぼんやりと覚えているけれど、先日エヴェレストについて書いてあるコメントを見ていたらボクにとっての新事実発見。
エヴェレストは、チベット名でチョモランマだった。
それの何処が新事実だっていわれると困るけれど、これで、ボクの中の「世界でも高い山」がひとつ減った。ボクは別に山フリークでもないし、大してだからどうってわけでもないけれど、じつに山らしい話だと思ったのだ。
以前、車で東名高速を東京方面に向かって走っていたとき、静岡の途中で富士山が見えた。そのときみた富士山の形は、多分一番写真としてよく見かけるものだろう。それとはまた別の機会に、中央道から走っていって富士山を見かけたことがあるのだが、そのときは、地図で確認するまで、それが富士山だとわからなかった。
山は、広い土地に堂々と聳え立っていて、360度から見かけるのだから、その方向からみた顔はそれぞれ違うことになる。それがひとつの山だと気がつかないまま、その土地を把握していることだって起こりえるかもしれない。地図があるから、そらから観ることができるから初めてボク達はこの大地の繫がりを多少なりとも把握できているのだ。
さて、ベタなデータを少し。
・エヴェレストは英名。発見者ジョージ・エベレストの名前から ・チョモランマはチベット名。「大地の母」の意味 ・サガルマーターはネパール語、「世界の頂上」の意味
精神分析界では山は父性を象徴しているが、あえて大地の母であるところが西洋の世界と、東洋の差なのかな。エベレストには沢山の遺体が今も眠っているという。志し半ばにして倒れた者たちの亡骸だ。
2005年05月23日(月) |
モランはずっとモランのまま |
寂しい=モラン(※ムーミン一家のお話に出てくる登場人物)なボクだが、モランは本当に寂しい。
冷たい息を吐くので、傍に寄ればみんな凍ってしまう。だから、友達が誰もいなくてひとりぼっち。 歩いた後はみんな凍って、草花も生えなくなってしまうので、みんなモランが来ることを恐れている。だから、誰にも歓迎されない。
一体どうしてこんなに寂しいモランを、作者のトーベ・ヤンソンは生み出したのかしら?と思うくらいに徹底的に寂しいモランだが、きっと人気のあるキャラクターだろう。
ひとつのお話の登場人物は、全員をひっくるめて1人の人間の心ができるように、バラバラのピースとして成り立っている。キャラが際立っているのはあたりまえで、バランスよいキャラばかりいたら、お話は回っていかないのだ。 だが、それにしてもムーミン一家に登場するキャラときたら、際立つこと限りない。癖も個性もありもありのヤツラで満載のなかなか恐ろしいお話なのだ。
子供の頃に、ムーミンパパが家出をする話が好きじゃなかった。パパにはずっとパパで居てほしいのに、そのパパが家族を捨てていなくなってしまうなんて!それをそっと見守り、待ち続けるママには半分安心し、半分怒らないママも不気味だった。 ボクのパパなら家出なんてしないし、もし家出なんてしたらママはきっとヒスって家中大騒ぎして、挙句に「もう死ぬ」とか叫びだすに違いないのだ。ボクの家は、ムーミンの家とは違うけれど、やっぱりあんまりいい家庭じゃなかったと、この日記を書きながらよく解ったけれど、とにかく自分の家はおいておいて、お話の中のムーミン一家が崩壊することは、いい気分じゃなかった。
それをお話に書いて出版してしまうトーベ・ヤンソンって一体どんな人なんだろう?モランを心に住まわせている人なのだから、うんと寂しい気持ちを知っている人なのだろうな、と思うのだけれど、彼女のことは何も知らない。
でも、寂しい悲しいモランだけれど、モランに友達を作って欲しいわけじゃないのだ。友達ができたらそれはもうモランじゃなくなってしまうから。スティンキーは悪い奴のままで、フィリフィヨンカは見栄っ張りのままで、スナフキンは自由人のままでいて欲しい。お話の中だけ、みんな変わらずにいられるのだから。
『空色のタクシー』というお話がある。確か、あまんきみこという人が書いた話で、ボクにとっては教科書に載っていたお話だ。
タクシー運転手の松井さんが、車を運転しながら遭遇する小さな事件をつづったもので、可愛らしく微笑ましいお話が幾つか入っている。ボクの記憶の中に残っていたエピソードは・・・
1 田舎の母から送ってきた夏みかんの甘酸っぱい香りでいっぱいのタクシー 2 後ろに乗せたはずの女の子が消えてしまうが、その女の子は人ではなくてモンシロチョウだった
という断片だけだった。
ボクは今車を買い替えようと考えていて、次の車は空色にしたい、と思っている。そのことを散歩しながら相方に話して、ついでに空色から連想して上記の話をしたところ、読んでみたいと言い出したので、本屋さんに入った。
その本屋さんは児童図書を沢山置いてあるお店だったので、「空色のタクシー」は直ぐに見つかった。お陰でパラパラだったピースは埋まり、1つの話ができたのだが、これからもボクは、空色の車と夏みかんの香りとモンシロチョウをきっと同時に連想するだろう。
もう1つ、忘れられないお話が「空色の種」の話で、これは空色の種を植えると家ができるという話だったと思うけれど、これはまだ発掘していない。 いずれにしても、ボクは小さな頃からずっと空色が好きで、好きな色が沢山増えた今でも、やっぱり好きな色なのだ。
ロビン
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