カウントシープ
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夢の記録。
その夢において、ボクは、まるで映画を見ているように、光景の外側にいる。
目の前に広がるのは戦火。ここは戦場だ。戦闘機の爆音がして、爆弾が投下されているのが見える。1人の男が草むらを這いずるように走っている。眼光の鋭い痩せた男で、よく日に焼けて黒く薄汚れているが、もとは白人だ。 男は何度も転びながらも、草を掻き分けて走る。背後から戦闘機が追ってくる。
空には、まるでオーロラのようにカーテンが掛かっている。カーテンはひも状のものでできていて、まるで空に巨大な暖簾が掛かっているようだ。飛行機はその暖簾を潜り抜けて、今男のいるエリアにやってくる。空に掛かった巨大なカーテンは何枚もあり、男の後を追うように、潜り抜けて飛行してくる。 やがて、男は林に辿りつく。木々が生い茂り、男の姿はもう戦闘機からは見えない。地べたに這いつくばったまま、顔を上げると、そこに1人の少女がいた。少女は白い服を着ていて(ボクの見る夢の中では、“少女”は白い服を着ていることが多い)、男と同じように戦火を逃れて逃げてきたことがわかる。 何も言わず、少女は手を差し出す。手の中には、レッドやオレンジ、パープルなどのカラフルな石ころサイズの玉のようなものが握られており、よく見るとそれはチョコレートのようだ。ふと男は自分の掌の中を見てみる。すると、自分の手の中にもカラフルな色合いの、ビー玉のような石が幾つか握られている。 戦火を逃れて夢中になって、草を手で引きちぎりながら走ってきて、その間に、知らないうちにこんな綺麗なものを拾い集めていたのかと思い、男は不思議な気持ちになる。
ふと、辺りは静まり、戦争が終わったことが示唆される。
男は自分の家に向かう。自分の家は焼け落ちて、黒焦げの姿になっている。ドアを開けるとまだ熱い空気が充満しており、所々煙が立ち込めている。2階に上がったところで、男はふと思い出して、足元の隠し部屋の扉を持ち上げる。扉の中には、男と同じくらいの年齢の、煙によって黒く煤けた男がいる。そこは狭い空間で、男は何かの動物を抱いたまま、そこから出てこようとはしない。
煤けた男は、猫が怖いために外に出られず、もうずっと以前からこの空間に閉じこもっているのだ。それを知っていながら、置き去りにして1人逃げたことを、男は悔いる。
さらに階段を上っていくと、ひとつの部屋から、女が出てくる。長い金髪は腰元まで揺れ、白いドレスは寝巻きのよう。女は気がふれていて、よたよたと空ろな瞳でうろついている。 また、女が出てきた部屋から、5〜9歳くらいの子供が出てくる。子供も同様の金髪で、白いネグリジェを身につけているが、どうやら少年のようだ。少年はこの女の子供だが、母親は子供のことなど眼中にない。
(この女が出てきたあたりから、燃えたはずの家は、燃える前の姿に戻っていく)
そこに、もう1人子供が歩いてくる。子供は、女の子供と全くそっくりの外見をしていて、違うことといったら、少しだけ肌に僅かにニキビがあることだけだ。髪の色も瞳の色も、着ているネグリジェまでそっくりなこの子供を、白い服の女はゆっくりと見回して、それから自分の子供を振り返って、またゆっくりと見回す。
女は、黙ったまま、本当の自分の子供の手をとって、部屋の中に入り扉を閉める。見ているものは、「やはり母親なのだ」と胸をなでおろしたとき、
中庭に向かって作られた窓から、その子供が放り投げられる。白い布がヒラヒラと放物線を描いて、3階から子供は墜落して死んでしまう。男も、それを見ている観客のボクも、思わずはっとするシーンだ。
もう1人の、生き残ったほうの子供は、その場に背を向けて廊下を歩いていく。廊下の先にある部屋に入ると、そこには二重に欠けられた青いカーテンがあり、その向こうにあるベッドに、1人の少女のミイラが静かに座っている。少女のミイラはカーテンに隠されて顔が見えない。組まれた腕はか細く、腕には3本の筋の痣が刻まれている。
少年が覗き込むと、少女のミイラは動き出す。そのミイラは、以前から“生きている”と信じられていたが、動いたのをみるのはこれが初めてだ。少女は少年の腕を掴む、すると、少年の腕に、少女の腕にあるものと同じミイラが浮かび上がる。
少女は動きを止め、もう二度と動かない、と少年は確信する。腕の痣はそのままに、少年は部屋を後にする。
すれ違いざまに、「その腕どうしたんだ?」と聞かれるが、ふと見ると腕の痣は、それを形どったブレスレットに変化している。「ちょっとね」とだけ答えて、少年は歩いていく。
ボクは、見終わったあと、これが以前に見た映画だと思い込んでいて、相方に確認してみたら、そんな話知らないと言われて、ああこれは夢だったんだとわかった。凄く印象深くて、それから半日ぐらいぼうっとしていた。
ゾウのエルマー。虹色みたいにカラフルなゾウ。
いつも行く雑貨屋さんで見かけたのが最初か、それより前にもどこかで目にしていたような気がするけれど、はっきりと認識したのは半年ほど前だ。耳が動くキーホルダーが売っていて、とても可愛かったけれど、ちょっと値段が高かったので躊躇していた。
先日とうとうエルマーを家に連れて帰ってきたのがこの対の置物だ。ボクはエルマーの絵本を読んだことがないから、彼らがどういう役回りをして、どういうストーリーを紡ぎだすのかをまるで知らない。 ちょっと検索してみたら、どうもエルマーは自分の容姿―その皆と違うパッチワーク模様―に悩む、しかし前向きの明るいキャラクターらしい。
エルマーだけでも十分可愛かったけれど、この、まるで影のような白黒模様のゾウと対になっているのを見たとき、連れて帰ろうと決心した。ボクはどうも影のテーマ、対のテーマに弱いのだ。
この、白黒のゾウが何者なのか知っている人、いたら教えて欲しいな。
ボクの母親は、ボクが子供の頃からなにやらしょっちゅう薬を飲んでいた。胃薬にビタミン剤、睡眠薬・・・あとは何を飲んでいたのか知らないけれど、子供心に、「お母さんは病気なんだ」と思っていた。 寝る前に飲む薬を、シートから出して用意してあげるのがボクの日課だった。
さて、その母親がいつも飲んでいたのが薬局でも売っている「ポポンS」。これは総合ビタミン剤なのだが、糖衣錠(甘くコーティングされている)なので、子供心にちょっと美味しかった。飲んでいるところをじっと見ていると、母親は「飲む?」と聞くので、時々気まぐれに飲んだ。
ボクは、このポポンSを開封するときが好きだった。ビンを開けると、中にプラスティックの栓みたいなものが入っている(写真右)。ボクはこれが好きで、宝物として大切にしていた。これをさらにハサミで切って形を作ったりもした。
今思うと、???な宝物だ。何処がよかったのかといえば、他に見たことが無い形だったからなのかな。同様の宝物に、カマボコの板というのもあったけれど、どちらもいまいち冴えない宝物だ。
ロビン
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