カウントシープ
index|past|will
昨日は遠方から友達が遊びに来てくれたので、とても楽しかった。ずっと家から離れられないので、こうしてきてもらえることはとてもありがたい。長距離の移動や、長い日照や、そういったものが相方には負担になるからだ。
ちょっとのぼせるとすぐに相方は鼻血を出す。毎日数回出すので、唯が鼻血といえど貧血にならないか、ちょっと心配になったりする。散歩の途中でも、暑いせいか急にぽたーりと垂れてきたりして、相方は結構鼻血で苦労しているようだ。
友達は生粋の東京人で、この土地のことは殆ど知らないし、ボク達が居なければ立ち寄ることもあまりなさそうだ。そして今回彼等はこの土地の名物「モーニング」に興味を持っていた。ボク達は自信ありげ?に「モーニングしようよ」などと言っていたがこれは知ったかぶりで、実はコメダのモーニング以外に言ったことは殆どなく、案内できるほど研究していない。 この日友人達は朝の5時に出立したので、モーニングに行く時間はなかったので次に会うときには必ず!と約束した手前、研究しようととりあえず、地元紹介サイトを巡ってみた。週末近場から行って見ようかなと思いつつ、ボク達は早起きが苦手なので、なかなか実現は難しい…
ボクは子供の頃、テレビをあまり見せてもらえなかったから、同世代の子供と同じ話題を知らないことも多いし、今でも思い出が多少違ったりする。聞いていた音楽も一緒で、ボクはテレビという手段を通さないで音楽に出会っていた。 中学生の当時、友達の家に行くと、友達の「おじさん」という人が聞いているCDが部屋にあって、「おじさんには内緒」と言いながら、一緒にステレオで聞いた。その中で一番気に入ったのは「オフコース」だった。
その頃のボクは、声が音として美しい人が好きだったのだ。リズムや歌詞や破天荒なロッカーよりも、ボクは綺麗な音を求めて小田和正氏の声を聞いた。音楽を聴くことに対して母親はいい顔をしなかったから、音楽は夜家族が寝静まってからイヤホンで聞いた。中学2年生くらいだったけれど、夜中の2時まで起きて、ひっそりと音楽を聴いていて、それがボクにはとても大切な時間だった。
今思えば、その歌の歌詞も理解していないくらい子供だったけれど、大人になった今でも小田和正の当時の曲を聞いていると、鼻の奥がつんとしてきて、あのボクに与えられた子供部屋にいるような錯覚を呼び起こす。
ボクの父親よりも年配の人がいて、その人の庭には、果実のなる木が沢山生えている、その果実の話を聞くのがボクは好きだ。 今植えている木は、ボクが知っているだけでも、レモン・キウイ・リンゴ・スイカ(野菜か)なんかが生えているし、もちろんそのほかにいろんな種類の野菜が育っている。
ボクは家も農家じゃなくて、近くに出入りできるような畑もしらないから、野菜がどんな風に出来ていくのかも、どんな風に手を入れていくのかも知らない。だからその人の話はどれも面白くて興味深いのだ。
「今の敵は金蛮(かなぶん)です」とその人は言う。朝起きて見に行くと、やっとこぶしくらいに育ったリンゴにいっぱい、金蛮が群がっているらしい。木をゆさゆさとゆすると、半分は落ちてきて踏み潰して退治するのだけれど、あとの半分は飛び去っていって、翌朝またやってくるらしい。リンゴひとつ育てるにも沢山の苦労が必要なのだ。
「林檎を一つ一つ包めばいいのですがね」とその人は苦笑いしていた。(その人は黙っているととってもおっかない顔に見えるけれど、実はとても易しい人だと最近知った)
その話によって金蛮が印象つけられたが、そうして意識して歩いてみると、確かに夜の散歩の間に金蛮を沢山見かけた。地面に落ちていたり死んでいたりするものが大半で、残念ながらこのあたりに果実のなる木はないのだけれど、もしあって、それに金蛮が沢山群がっていたら、それはそれで結構インパクトに残りそうで、出来れば見たくないな。
ロビン
|