カウントシープ
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子供のころ、我が家の冷蔵庫には、一般家庭には必ずありそうなものがなかった。それはケチャップ。和食、煮物メインの食卓には、ケチャップは必要なく、当時給食で食べていたのかもしれないが、それがケチャップとしてボクには認識されていなかった。
そんなケチャップを知らない子供にとって、ケチャップまみれのうどんはとてもショッキングだった。それは今思い出してみるとスパゲティのことなのだが、ボクはこの変な食べ物に大変ショックを受けてしまった、といわれてもこれを呼んでいる平均的日本人には解るまい。
でも、例えば蕎麦に突然ケチャップがかかっていたらみんなびっくりするだろう?おまけにケチャップベースのものは甘みがある。ボクは、麺類といえばうどんかラーメンだったから、醤油ベース以外の味で麺類を食べるなんて想像もつかなかった。
もちろん今はパスタも大好物。でも、ケチャップにはいまだどこか馴染めないままだ。
人形の名前とか、小説の登場人物の名前とか考えているとき、いろいろなカテゴリーを探してみるのだけれど、自分が思いつくような名前って本当に限られているんだな、と思う。 例えば、ボクはある人形にジークフリードと名前をつけるのだけれど、この名前はボクにとってはバレエ「白鳥の湖」のジークフリード王子をイメージしているわけだ。 けれど、例えばロシア人の名前なんて、ボクからすればカタカナを読むのに精一杯で、そこから人となりなんて想像できない。ウサマ・ビンラディンという名前だって、彼をしってからは名前を聞くだけであの顔を思い浮かべられるけれど、そうしたベースがなければ、顔を思い浮かべることなんてできないのだ。
まあこれは異国の話であって、日本の中でなら、ある程度名前から雰囲気を感じ取れるし、想像もできるだろう。この名前にしてこの人物あり、ということもたびたびあるしね。
お歳暮に、ダンボールに一箱の林檎をもらった。箱を開けた瞬間甘い香りが部屋中に広がって、中から赤と青の林檎が出てきた。 こんなに沢山の林檎を二人では消費できないから、職場や友達に二つずつ分けて回っているが、持ち運ぶ車の中も林檎の匂いになった。まるで空色のタクシーの松井さんの夏みかんみたいだった。
こんなに沢山あると、アップルパイが焼けるなとか、焼き林檎ができるなとか考えたりするけれど、ボクは作れないし、相方は作ったことがない。アップルパイって難しいのかな。ボクはシナモンがちょっと苦手だから、シナモンが入っていない、甘すぎないアップルパイが作れたらいいのにな。
ロビン
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