カウントシープ
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引き続き東京にいる。
ホテルを東京タワー側に取ったので、夜中タワーがオレンジ色にライトアップされて見えた。青山なので、少し離れているけれど、以前東京タワーの近くを通ったときにはとても大きく見えたものだ。
こういう夜景の中のオレンジ色はどこか生臭いような不安をあおる。赤い月と似たような感じだ。青白い月は、同じ不安でも、よそよそしいような不安なのだが、この色による違いは、やはり赤系統の色ということにあるだろう。(トンネルの中のオレンジ色も、子供の頃は怖かったのだけれど、あれは眠気覚ましの色って本当かしら?)
ボクの母親は赤色が嫌いで、赤い色の服は一切与えてくれなかったけれど、赤に何の色を見たのだろう。ボクは、血の色みたいだから嫌いなのかしら?とか、女の人の色だからかしら?とかいろいろ考えたけれど、母親にとって何かを引きずり出すようなニュアンスを含んではいたのだろう。
真意はわからないけれど、赤い色は美しくて恐ろしい。
今日から3日間東京で仕事になるので、昨日から東京にいる。夜に新幹線に乗って移動してきたのだが、夜でも結構人が沢山乗っていて、みんなこうして仕事のために長距離を移動しているのだな、と思った。
今日は本当は相方の検査結果がわかる日だったから、本当は一緒に聞きたかったのだけれど仕方が無い。どうも家庭をお留守にしているお父さんのようだな、と思うとちょっと心苦しい。ついでに、ヴァイオリンに触れないことも辛い。
火曜日の朝にレッスンをしたのだけれど、『ヴァイオリンと離れるのが寂しい』といったら、先生も悲しそうな顔をして、『そんな悲しくなることを言わないで』と言ったので、先生も本当にヴァイオリンを愛しているのだ、と思った。 以前先生が、ロシアから来た人の相手をしていて一週間ヴァイオリンに触れなかった時とても辛かったと話して、来る日も来る日もヴァイオリンを触っていてもそう思うんだな、と思った。
ボクの商売道具はこの心そのものだけれど、だから、時々疲れちゃうと、心が麻痺しちゃうんだけれど、それでもまた交わりたいと思うのだから、やっぱり心を合わせることが好きなのかな。
2006年02月07日(火) |
ウラディミール・マラーホフ |
リトルダンサーを見てから、またバレエへの熱が再燃している。といっても、ボクは勿論バレエは過去にもやったこともないし、見に行ったりすることもない。クラシックを聞いているうちに自然とバレエ音楽も聴くことになり、さてバレエは?ということで買い集めたCDが幾つかあるだけだ。
それより以前に、絵を描くときの参考に、バレエの雑誌を一冊買ったことがある。もう10年くらい前だろうか?それはマラーホフという美しい青年が特集されたダンスマガジンだった。特にこの青年を知っていたわけではなく、たまたまバレエの雑誌を買おうと思い立ったとき、たまたま書店に並んでいたのがその本だったのだ。
それから時間が流れて、つい先日、大好きなくるみ割り人形のDVDをやっと見つけた。今までまったく無かったわけじゃないけれど、いまひとつピンとこなくて、やっと出会ったそれをよく見てみたら、王子役がマラーホフだったのだ。クララ役の女性も大変美人で、ボクはこの小さな縁に嬉しくなりながら、DVDを買って帰った。
そうして、初めて見る動いているマラーホフは、本当に美しかった。雑誌に、羽根のように着地するというようなことがかいてあったけれど、本当に彼は、しなやかに、まるで羽根が生えている人のように飛ぶのであった。
あまりの美しさに、動きのひとつひとつも見入ってしまう。バレエは本当に美しい。体の動きは循環する力動によって支えられ、流れる動きと、真摯な指先と、相対するような動きが心に訴えかけてくる。
ロビン
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