| 2001年07月11日(水) |
山本周五郎を読んだわけではなくて |
山本周五郎の本が新古書店にまったくないときがあった。あるとしたら主に新潮文庫と思って当然どこにでもあるの気楽さを裏切ってぜんぜん出まわっていなかったのだ。2、3件探してがっかりした記憶がある。最近は山本周五郎を置いていないところのほうが珍しい。しかし、こちらの熱は既に冷めている。一方で鳥山明イラスト表紙文庫版の「ファーブル昆虫記」が全巻、鮎川哲也編集長の「本格推理」もほとんど揃っていたりで目を離せない状況もありで、普通の本屋さんよりも面白いことは確かだ。誰かが書いていた(誰か思い出せない)が、すべての棚の本を端から端まで点検するのはブックオフなどだけである。値段が安いからだろうか。100円(時には50円)から定価の半額又は定価の7掛け程度までの範囲で興味・関心・好奇心が大きく発動される。不思議なのは無料といってもよい(無料)図書館ではこころはさほど大きくは動かないことだ。
| 2001年07月10日(火) |
宮部みゆき「模倣犯」のこと |
宮部みゆき「模倣犯」(小学館)これは何日か前に読んだ本。小野不由美の「屍鬼」を思い出す。内容も厚さも。この作者は巧みだ。いわゆるページターナーとは違うが、文章の端々に読み手が気になる表現や言葉を置いて退屈させない。1ページ一ページの文字数は決して少なくないが興味を持って先に先に読み進む仕掛けが多い。心地よい読み方ができるようになっているのだ。冒頭すぐに登場の少年が後になってもその日の細部まで覚えている、その理由や意味ありげな犬の描写など読み手を引きつけて話さない工夫が惜しみなく使われている。全編、伏線の嵐で、その嵐に翻弄されることを楽しむしかない。そんな娯楽超大作である。
| 2001年07月09日(月) |
「少年計数機」を読了。 |
石田衣良「少年計数機(池袋ウエストゲートパーク�供法廖癖檎砂媾�)を読み終えた。「妖精の庭」「少年計数機」「銀十字」「水のなかの目」の連作短編集。はじめの三つは六十頁程度で最後の書き下ろし「水のなかの目」のみが百三十頁の中編とやや長い。語り口のうまさと先のわからなさでぐっと引きつける。結構悲惨な話も手口によっては爽快なヒーロー物になることを証明。現代日本の都会の冒険物。あるいは少年探偵団物として傑作。
新潮文庫の「掘り出し物」で永井龍男の「青梅雨」を発見。即、購入。現代の短編小説の名手、浅田次郎が推薦するまでもないと思う。全13編。自分の読書傾向から考えると実際に読み出すまで相当の時間が過ぎるだろう。
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