| 2001年10月30日(火) |
SFマガジン・ミステリマガジンの12月号を拾い読み。 |
SFマガジン・ミステリマガジンの12月号を拾い読み。 SFマガジンの注目は高橋良平の「クリテリア・ファンタスティカ�此廚侶襪咾諒原隋�「でも、ウルフの作品は訳し直されないと、評価はあがらないだろうなと思いつつ、」と書いているところ。その作品とは「新しい太陽の書」四作品のこと。思いぱなっしにしないで、とこちらが思った。 一方のミステリマガジンの注目は、ローレンス・ストリートの「被害者のV」の分載。世界で最初の警察小説が今までなぜ邦訳できなかったのか、ミステリーのMである。 中村真一郎「小さな噴水の思い出」(筑摩書房)の第10章は「野間宏と私」である。 筆者の野間宏の「真空地帯」や「青年の環」の執筆に対していかに文学的干渉や助言をしその完成度を高めたかを語るという回顧談である。冒頭「わが生涯の同志であり、仕事の支えであった、かけがえのない友、野間宏が急逝した。」が水と油のように異なる印象しか持っていなかったので意外だった。「悲の器」の高橋和巳の小説に対する辛口の評も印象深い。 「政次、奔る」196ページまで読む。 テロ法案が成立。のんびりと時代小説を読めない時代が急接近。
| 2001年10月29日(月) |
佐伯泰英「政次、奔る」読み始める。 |
佐伯泰英「政次、奔る」読み始める。 寛政十年(一七九八)正月の二日、政次は呉服屋松坂屋の隠居松六の供を言いつかって挨拶回りに同行する。その帰りに当の松六が寄り道したことから始末が終わったはずの過去の事件が亡霊のように蘇えっていることを知る。今回も序章で全体の枠組みとなる大きな事件が出現し、各話で事件が完結してゆくのと平行してその大きな事件も進展してゆくという構成である。副題に鎌倉河岸捕物控とあるように時代活劇というよりも、ミステリーの探偵物に近い。 派手な立ち回りは少ないが、池波正太郎や藤沢周平なき今、頼りになるのは佐伯泰英である。金座裏の岡っ引き宗五郎親分の捜査力が読みどころの一つである。 鳥羽亮も面白いが総合力で佐伯泰英をとる。 今日購入した本。 鳥羽亮「骨食み(ほねばみ)」「血疾り(ちばしり)」両方とも天保剣鬼伝の一作目「首売り」の続編である。
| 2001年10月28日(日) |
佐伯泰英「橘花の仇」読み終わった。渋い傑作。 |
佐伯泰英「橘花の仇」読み終わった。渋い傑作。 佐伯泰英「橘花の仇(鎌倉河岸捕物控)」(ハルキ文庫2001.3)読了。序章プラス全六話の連作長編。各話のタイトルは順に言うと「仇討ち」「逢引き」「神隠し」「板の間荒らし」「密会船強盗」「火付泥棒」でそれぞれの事件を表している。初めの「仇討ち」のみが主人公の一人しほに関わる事件である。他は金座裏の岡っ引き宗五郎親分の縄張りで起きた事件でしほが自然と関わっていく形になって解決されてゆく。そして全体を貫く大きな事件としてしほの両親の秘密と川越藩の談合問題が次第に明らかになってゆくのである。構成が綿密で登場人物も見事に描き分けられている上に作者の歴史や時代に対する目配りも十分である。 最近、鳥羽亮の時代小説も面白く読んでいるが、作者の年齢の差なのか、描写に時代性が足りないような気がする。 その点、佐伯泰英の作品は今のところ申し分がない。そのうち闘争場面がなくても楽しめる作品が出てきても驚かない。江戸時代の普通小説(?)を書いてくれるかもしれない。そう思うくらいよく出来ている。 鎌倉河岸捕物控の第二作目、「政次、奔る」も92ページまでしか読んでいないが一筋縄でいかない構成と個性ある人物群像の描写で先が楽しみである。 今、佐伯泰英が一番忙しい。
| 2001年10月24日(水) |
佐伯泰英「瑠璃の寺」は原点か。 |
佐伯泰英「瑠璃の寺」は原点か。 佐伯泰英「瑠璃の寺」(角川春樹事務所1999.2)を読了。筆者の初期の時代小説だ、といってもまだおととしの作品である。しかし、失礼な言い種だがこの後急速に洗練され一気に時代小説の名匠になったことがわかる。豪快な物語の展開はこの240ページちょっとの長さでは十分ではなかった。この倍は必要だった。この通吏辰次郎の物語はシリーズものになったら他のシリーズ以上のスケールと波瀾万丈が期待できる。主人公のスケールが江戸の街一つに収まらない器量の設定になっているからだ。 また他のシリーズの種や共通点もあり、その意味で筆者のその後の物語作りの原点といえるのではないか。 中村真一郎「小さな噴水の思い出」(筑摩書房)の第9章は「私が勧める恋愛小説の古典」で、「ダプニスとクロエー」(ロンゴス)「源氏物語」(紫式部)「クレーブの奥方」(ラファイエット夫人)「危険な関係」(ラクロ)「赤と黒」(スタンダール)それぞれに3行程度の評がついている。 さて、また3日間ほど旅に出るので27日まで追加できない。 今日購入した本。 佐藤正午「Y」(ハルキ文庫)単行本で一度読んだが文庫本でも読んでみたくなった。
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