| 2001年11月11日(日) |
宮部みゆき「R.P.G.」(集英社文庫)読了。 |
宮部みゆき「R.P.G.」(集英社文庫)読了。宮部みゆきさんは人間関係を描写するのがうまい。相当数の人間を描き分け、しかも読者の好奇心をそらさない。 おまけに一つ一つの文章がなぜか面白い。人間観察力が鋭いのか、人間が好きなのか、登場する人物を生き生きと表現しているからかもしれない。 全体としては一幕物の洒落た舞台劇を見ていたような充実感がある。 ある意味で「模倣犯」と共通する終わり方はほろ苦くもあるが、宮部みゆき入門書として最適の作品である。最も簡単に作者の魅力を知ることができるお徳用である。 今日は本の片づけをした。回りにある本をすべてなくしてすかっとしたい気分はあっても結局そこまで徹しきれずじまい。
| 2001年11月10日(土) |
宮部みゆき「R.P.G.」(集英社文庫)を読み始める。 |
宮部みゆき「R.P.G.」(集英社文庫)を読み始める。今日は土曜日だが野暮用で少ししか読めなかった。皮肉なことに本屋をのぞく時間はあったので本はいくつか買った。 読んだ文章は「本の雑誌2001年10月号」の嵐山光三郎のエッセイ「余はいかにして古本マニアとなったか」くらい。新刊本を買う必要が亡くなったというのはうらやましい限りでなんともいいようがない。月に古書を三十冊は目を通すとはさすがにプロである。四、五冊読むのに汲々としている我が身と引き比べて秋風が身にしみる思いだ。 ところで「本の雑誌」は不思議な雑誌で買ってぱーっと主立ったところは一気に目を通しておしまいなんだが、忘れた頃に取り出してはじっくりと読み直している。だからもう読んだからといって他の雑誌のように簡単に捨てることができない。 さて今日買ってしまった本は以下の通り。 中村真一郎「時間の迷路」(中公文庫) 川上健一「女神がくれた八秒」(集英社文庫) S・P・ソムトウ「ヴァンパイア・ジャンクション」(創元推理文庫) 篠田一士「創造の現場から(文芸時評1979〜1986)」(小沢書店) ヴァン・ダイン「ガーデン殺人事件」(創元推理文庫)
| 2001年11月09日(金) |
ベニオフ「25時」(新潮文庫)は驚愕の現代的寓話。「異風者(いひゅもん)」は佐伯泰英的江戸年代記の誕生を告げる。 |
ベニオフ「25時」(新潮文庫)は驚愕の現代的寓話。「異風者(いひゅもん)」は佐伯泰英的江戸年代記の誕生を告げる。 まず、「25時」のことから。淡々と主な人物たちの言動が語られていく物語は、結構疲れる。はっとする挿話もある代わりに退屈するものもある。救いは主人公の愛犬ドイルが登場する時と中学校か高校の教師ジェイコブズの場面。終盤になって主人公の持ち時間が限界に近づき始める頃からどういうふうに終わるのかという興味から読みに集中力がついて物語の輪郭がはっきりと見えてくる。そして結末。最後の方のひとまとりの文章を心地よい語りに耳を澄ませるようにして集中して読み続け、読み終わる。読み終わるときつねにばかされた気分になり、しばらくしてもう一度最後のところを読み直した。そして、また読み直した。信じられない結末のつけ方だった。そこに確かに快感はあった。 それにしても「全米が瞠目した」はないだろう。「輝ける青春小説」もわからない。ある意味これは老人小説なのだし。 正直、翻訳物は読みにくい。同じ日本語なのにすっと頭に入ってこない。こちらが馬鹿なのだ、と言われそうではある。 今日、佐伯泰英の新作がでた。「妖怪狩り」である。次は何を「狩る」のかと期待していたが「妖怪」だった。大物中の大物の登場を予想して楽しみだ。 で、去年の作品「異風者(いひゅもん)」を口直しに読んでみた。題名で損しているが、他の作品に劣らぬ傑作である。60ページまでで既に冒険小説であり、西部劇風であり、剣豪ものであり、と炸裂につぐ炸裂で勢いが凄い。 京都の小電気街にある小さな古本屋で買ってもう1カ月。このブランクを悔やませる大傑作の予感がする。開巻時代は明治であった。 佐伯的江戸年代記はすでに18世紀19世紀を網羅していた。
| 2001年11月08日(木) |
ベニオフ「25時」(新潮文庫)はドイルがいい。 |
ベニオフ「25時」(新潮文庫)はドイルがいい。作者のデイヴィッド・ベニオフは1970年生まれ、31歳。翻訳者の田口俊樹は1950年生まれの51歳。カバー装画の浅野隆広は、この人のことはどこにも書いてない。 始まりは主人公のモンティが、虐げられて捨てられた黒い犬を救う場面。名前のドイルもその時につく。時は4年後に飛び、モンティの家族や友人が登場し、さまざまなエピソードとともにモンティの現在が語られるが一番魅力的なのは愛犬(ピット・ブル)のドイルである。モンティ自身もドアの外でドイルが丸くなって寝ていなければ寝られないほどドイルが欠かせない存在になっているのだ。 犬が好きな人ならドイルの描写だけでも満足できるかもしれない。 今日は116ページ読んでおしまい。 時代小説をずっと読んできたせいか翻訳の文章特有の固さにとまどいを覚えたのは確かだがこれ以上の丁寧な翻訳はないはずなのでじっくりと読むつもりである。 今日購入した本。 北方謙三「風樹(日向景一郎シリーズ�機法廖平慶�文庫) 火坂雅志「西行桜」(小学館文庫) 山本周五郎「艶書」(新潮文庫)
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