平井呈一『真夜中の檻』(創元推理文庫)、荒俣宏の序文「平亭先生の思いで」をまた読み直した。厳粛で懐かしさに満ちた文章は今回もまたすーっと読めた。 荒俣さんはこういう回顧録がうまい。 前にも書いた通りもっともっと長いものを書いて欲しいと切望。 荒俣さんももう結構な歳である。 記憶の鮮明な内に驚くべき人物達の回想談を書いてほしい。 すでに相当数のものを書いていただろうか。 こちらの方が記憶に曖昧さがあるので、晩ご飯を食べたのに、「晩ご飯はまだ」と問い詰めるようなことになっていたら、こわいが。
斎藤美奈子『趣味は読書。』(平凡社)は、超絶技工の腕前といえるほどで、あっと言う間に読めてしまうくらい読みやすい。もうこの分野ではライバルはいない。しかし、この手のものではもうテーマがもうない。 次にどんな本を書くのかが楽しみ。うま過ぎる。
| 2003年06月21日(土) |
村松友視『ヤスケンの海』(幻冬舎) |
村松友視『ヤスケンの海』(幻冬舎)は、読みやすいのが欠点。あの安原さんの生き方はもっと難解で激しかったのでは、と思いつつもこの一種の再現ドラマを結構夢中になってよんでしまった。 安原さんの本をまた読みたくなる効果はあった。 本の雑誌7月号と本とコンピュタ夏号を拾い読み。
| 2003年06月16日(月) |
長部日出雄『まだ見ぬ故郷(上下)』など。 |
昨日までの本。 長部日出雄『まだ見ぬ故郷(上下)』(新潮文庫)は、戦国時代の武将高山右近の生涯を主とした時代小説または歴史小説である。しかし、その影は薄く、主人公としての輝きは結末に至るまで弱い。織田信長、荒木村重の二人の存在感が驚くほど鮮やかである。言い負かされた方が死に直面する宗教討論とでも呼ぶべき場面がいくつかあり、迫力があった。 クリフォード・D・シマック『愚者の聖戦』(ハヤカワSF文庫)は、懐かしのSFとしか言いようがないもので、幼稚でどうしようもないかと恐る恐る読んだが、満足。 この全6篇の中・短編集はすでに絶版のようだが、ファンタジィ全盛期のような今なら化粧直しして売り出せば、結構読まれるのではないだろうか。 小島剛夕・小池一夫『子連れ狼』を後半部分を再読。列堂が米をとぎ、一刀が薪を割るシーンが記憶に残る。 佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく』最新の5巻まで一気に読んだ。軟弱な精神の持ち主にはつらい読み物である。6巻が出て読む気になるかどうか。 アレックス・カー『犬と鬼』は爆弾。考えられる分野にわたって今の日本がつぶしてきたものを詳しく解説している。どういう立場にあっても残すべきものが消えていることは否定できないのでは。 大崎善生『将棋の子』(講談社文庫)は、奨励会制度の酷薄さが人間を地獄に落とす話。前作『聖の青春』同様強靱な精神を持つ作者が華麗な技法で地獄を描いているのである。ノンフィクションというより小説としての完成度がさらに高くなった。 ウオシャワスキー(?)兄弟『マトリックス・リローデッド』は2時間強のSFアクション映画。メインイベントの連続で一区切りつくとほっとする。笑うしかない荒唐無稽アクションはそれとなく『ルパン�契ぁ戮寮こΔ鬚瞰牌覆箸気擦襦�やはり笑うしかない。面白く楽しいことは間違いない。噴飯物と言えなくもない。
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