2004年04月02日(金)
ただ,ひたすらに 歩いて来た 前を見てるだけで 歩いて来た わき目も振らず 必死に歩いて来た
遥か遠くに 見えそうで 見えない峠があって それを目指して ただ、ひたすらに歩いて来た 時折はゆっくりと 時折は駆け足で 歩いて来た
何時まで経っても 峠は遥かに遠いよ 何時まで経っても 前には誰もいない まして 後ろから 誰も僕を抜かないよ
ただ、ひたすら歩き 峠を越えようとの熱意だけで むなしく時が流れた
あれから10有余年
いつしか 追憶の羨望が涙で掠れ 想い出の断片が忘却の淵に落ちてゆく
そして 思いもしない今日という日に はっきりと 峠が目の前に見えて来た現実
霞が取れた稜線が目前に現われ 僕はそこに向かって更に足をせかせた そして やっとの思いで峠の頂上に達して 僕は目を見張った
眼下に恐ろしく遠くまで 続く一直線の道があって 誰も見えない
ああ、いったい どうすればいいのだろう
また、ひたすらに歩けと言うのではないよね 下り坂だから 歩きやすいと言うのではないよね 誰にも逢わずに ひとりぼっちで ただ、ひたすらに歩けと言うのではないよね
不安が急に襲ってきて 誰か背後から ついて来てくれるような気配を 待ってるだけの日々
疲れ果てた身体をおもむろに ひねりながら 振り向けば 峠道の遥か上から 見据えるような西陽の温もり
暑い 暑いよ もうー こんな日々の繰り返しは止してくれ
そろそろ 曲がり道があって
そこから 急に 想い出の あの人が 出て来ても いいのじゃないか
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