白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2001年09月04日(火) 天皇

 もし、あたりまえのお人なら、戦に負けたら負けた責任で天皇さんんをやめはるやろ。だけど日本の天皇さんは、お住持さんの説教によると、あたりまえの人とちごうてうまれつきの神様やというからな。もしそのとおりなら、うまれつきの阿呆は死ぬまでなおらぬみたいに、うまれつきの神様も死ぬまでなおらぬわけや。せやから、たとい日本が戦に負けて、国民が天皇さんに忠義をつくすんやいうてすっきり死んでしもて、天皇さんがたった一人きりにならはっても、やっぱり天皇さんは天皇さんで居るしかあるまいで。──「橋のない川」(第三部)


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