話題の芥川賞受賞作品二編を読む。舌ピアスや刺青の自傷行為でアイデンテイティを確立しようとする少女(「蛇とピアス」)。クラスの仲間たちの低俗さになじめず孤立している女高生(「蹴りたい背中」)というようにいわゆる「ひきこもり」の精神風景が共通のテーマ。いままでは社会から排斥された存在だった異端の子(いじめられっこたち)が自己主張を始めだした。