「雛飾りつゝふと命惜しきかな」 上掲の句は星野立子女史の作。句集「春雷」(1969)による。50歳の作。女史は以後30年も生きた。 宿痾を背負っているからついの日は日頃から覚悟しているつもりだが、それでもどこかにもっと長生きしたいという願望もかくせない。しかし従容として死を迎えるにはどういう心構えがいるのかわからないのがむずかしいところだ。