シューマンはショパンがあらわれたとき「諸君、帽子を取りたまえ」と激賞したという。けさのNHK-FMの「名曲リサイタル」に登場した大岡仁君のバイオリンを聞いてこの逸話を思い出した。繊細にして華麗、バイオリンの音をこれほど美しく引き出したバイオリニストを知らない。聞けばまだ十八歳だという。驚くべき新人の出現だ。