カミさん方の先祖に五十年忌を祀らねばならないひとがいるのでこの際一切合切の親戚を呼んで盛大な法事を営もうということになって埼玉に住む子どもたち一家も帰省を命じられることになった。それぞれ二人の子どもがいるのでたとえ一泊でも寝せるべきフトンがない。「なーにコタツに足を突っ込んで寝ればいいさ」と横着にかまえたがカミさんはそうもいかないらしくあちこちに電話をかけまくって公営の保養施設に宿泊を予約した。飛行機代もかかるのだが打ち出の小槌があるわけではないから乏しい年金を節約してアゴアシ代を稼ぎ出さねばならない。
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