白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2006年01月20日(金) まず教育だ

 ライブドアショックで日本がゆれている。世界の金融市場にも少なからぬ影響を与えたという。そして強制捜査から一週間もたたないうちにライブドア社は存立の危機を迎えた。報道されるような違法だらけの会社運営だったとしたら当然裁きを受けるべきだが、若き経営者を信頼して投資した多くの人々の持ち株が紙クズになってしまうことを自己責任というひとことで片付けてしまうことでいいものか。検察当局は捜査に入るまでに長い内偵期間があったといわれる。この期間にホリエモンを呼んで疑われていることを内示して是正を求め、それでも言うことを聞かなければ「しょっぴくぞ」と教育をする猶予があってもよかったのではないのか。この予期せざる捜査で市場は混乱を起こし景気回復の芽を摘み取ってしまったように思える。ライブドアにまったく関係のない投資家たちの受けた損害はいったい誰が補償してくれるのだろうか。今までの日本人にはなかった独自の価値観と先見性をも った若者の将来まで殺してしまったのではないかと恐れている。物影に潜んでスピード違反の車を捕まえるようなやり方は感心できない。法を犯すのを待って罪に陥れるような人の治め方は正しくないと孔子でさえ教えている。(朝日新聞「声」投稿原稿)


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