私は拉致問題をめぐる北朝鮮との外交交渉団の一員に選ばれて交渉の席についている。交渉は進展せずラチは開かない。とうとう北朝鮮側は挨拶もなく席を立ったので私は「非礼ではないか」と大声で叫んだ。決裂した交渉のあと、あの怒りは北には応えただろうと日本側からは賞賛された。それがニュースになって国民的英雄となった私は夜汽車に乗って都城に帰った。真冬の夜の夢。