青いくもと白いそら

想い出きのうあした


2002年11月14日(木) 約束をしよう




        彼はまるで

    深く
          暗い

 闇のような男だった




ソノ日は

昼間なのに

空は重く垂れこめた黒に覆われていて

まるで朝日が差し込むような夜だった




僕は彼を

      細い路地裏で拾った




生きているかも解らない

それでなくとも自分以外の誰かを

自分のテリトリーに入れたのは

きっと

生まれたその日から初めてのことで

僕は自分自身にひどく困惑したことを覚えてる




                 彼は

  三日三晩

      死んだように眠りこけ

           次に目が覚めたのは

    桜舞散る
   
 雪の日だった 




目が覚めた彼は

僕の姿を認めると

唐突なまでにこう言った



             『約束をしよう』



部屋の隅に置いたチャチなパイプベットは

彼の重みに悲鳴をあげてる






      



あやか † mail