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迷宮から出発へ 回復への交換メール/ピーター、うさき
2002年01月03日(木)
パソコン通信ニフティ・サーブ内のフォーラムで知り合った不安神経症の二人の、メール交換の様子をそのまま載せた本です。めまいや吐き気がして電車に乗れないとか、外に出られないとか、そういう症状の人たちが、自分の状態だとかどうしてそうなんだろうとか、メール交換の中で考えるんですね。
なんつーか、そういう本を一時期読みたかったんですね。(私は時々そういう本を読みたくなる) で、読みかけだったんだけど、ようやく読みきれて満足です。
こういう本っていうのは、たいていラストで救われる展開になることが多くて、そういう部分を求めて読んでるわけなんだけど、これは結局そういった劇的な展開にはならなくて、ちょっと物足りなかったかな。実際に苦しんでいる人たちの生の声というか実体験だから、なるほどと思う部分はあるものの、自分と較べてみてそうじゃない…と思う部分が多々ある。自分に置き換えられない部分が多くて、物足りない。やっぱりケースバイケースだから、普遍的な解説ができるっていうのはなかなかすごいことなんだなと思う。

「元かみさんが、そういう「幸せ」が本当にあって、しかも大変に「強い」幸せだという事をだんだんに教えてくれたんです。」
「彼女と過ごした数年間の間、生まれてこの方味わったことのない幸せに、僕は何度も泣きました。」
ここらへんのくだりを読んで、私はうらやましい、と思った。私もそんな人に出会いたいと。
でも次の瞬間、もう出会っていたことを思い出した。
私は、泣くくらいの本当に強いしあわせを知ってます。


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