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ターン/北村薫 2002年01月08日(火) 昨日の病院での待ち時間と、今日の新幹線の中で、地道に読んだ。最近、「ターン」「スキップ」という文字をよく見かけるので、読みたかったのよ。牧瀬里穂主演で映画にもなるらしいね。一人の女性が、交通事故のショックで、同じ一日を何回も繰り返すようになってしまった、という話。(そういえば、何回も死ぬのを繰り返すっていう洋画あったよね。見てないけど) その世界は、すべていつも通りなんだけど、自分の他は生き物は誰もいない、という世界。事故にあった時間になると、何かを書いてあったとしてもすべてなかったことになって、昨日に戻っている。ただ、記憶だけが残っている。 最初、文体が馴染めなかった。二人称の小説読んだの初めてだったので。「君は〜」で話が進んで、地の文と主人公が会話してるんだよ。その不自然さに、物語の中に入っていけなかった。 読んでいくうちに、なるほど…とは思うんだけど、でもねえ…。 あと、同じ一日を繰り返す…という状況が丁寧に綴られていて、この話はこの先どうなっていくんでしょう?誰もいないなら話が進まないぞ?と最初は思いました(笑) ちょっと先をばらすと、今の、ちゃんと進んでる世界と、電話がつながるんだけどね。でもそれが、その初めて話す男の人にしか、お互いの声が聞こえない…という、ロマンティックな仕掛け。この展開を読んで、「CALLING YOU-君にしか聞こえない-」(乙一)を思い出した。声だけがつながってるせつなさだとか愛しさの面では、私は「CALLING YOU」がすばらしいと思うけどね…。 でも、なかなかおもしろかった。後半の展開にはハラハラさせられたし。ラストは、もっとあざといくらいに盛り上げて欲しかった気もするけど。…この方が堅実的で好感が持てる、なんて評価を受けるでしょうけども(笑)(いいじゃん、私はB級好きなんだーい) 文章的には好みではないけど、話的にはなかなかおもしろかったので、「スキップ」も読んでみるつもり。こっちは、17歳の少女が、目覚めると42歳の自分になっていた、という話。 そうそう、「ターン」読んでみたい人は、あとがきも解説も読まずに読み始めることをお奨めします。その方がワクワクして読めると思う。 |
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